SCP-2195-JP
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SCP-2195-JP-5を記録した監視カメラ

アイテム番号: SCP-2195-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2195-JPは、情報を一部伏せた状態で低脅威度物品保管ロッカーに収容されています。

説明: SCP-2195-JPは、2011年11月28日に東京都内で発生した殺人事件に関する6つの証言及び証拠の一連の記録内容です(SCP-2195-JP-1~6)。SCP-2195-JPは、その内容がほとんど食い違っていますが、被害者男性の特徴のみが一致しています。また、事件現場及び証人には異常性が無いことが確認されています。

SCP-2195-JPの異常性は、最初に聞いた、もしくは見たSCP-2195-JPのみが真実であり、その他のSCP-2195-JPを虚偽の記録内容だと考える認識災害です。一部情報が秘匿されている場合異常性には曝露しませんが、この異常性は記憶処理を施しても消失しないため、殺人事件の捜査は難航しており、現在まで犯人の特定・逮捕には至っていません。

SCP-2195-JP-1~6の内容は以下の通りです。なお、認識災害を防ぐために警察官の発言部分や一部映像は省略されています。

SCP-2195-JP-1

証人: 20代男性

証言記録日: 2011年11月29日


<証言内容>

警察官: [省略済]

証人: 昨日の夜ですよね?ええ覚えています。男性が後ろから鉄パイプみたいなので殴られたんです。それで殴られた人が倒れた後も殴られ続けて、しばらくしたら鉄パイプを持ったままどこかに行ってしまいました。

警察官: [省略済]

証人: 殴っていた人ですか?暗くてよく見えませんでしたが、おそらく男性で、殴られた人よりも身長は低かったと思います。

警察官: [省略済]


付記: 被害者男性には頭部を殴打された痕跡はありませんでした。

SCP-2195-JP-2

証人: 50代女性

証言記録日: 2011年11月29日


<証言内容>

警察官: [省略済]

証人: 昨日の夜……10時くらいに、いきなりすごい爆発音がして、外に出てみたんです。そしたら道に男の人が倒れててね。全身血だらけで、急いで携帯取ってきて救急車呼んだんですよ。

警察官: [省略済]

証人: ねえ、そろそろ良い?夕飯の支度しないといけないんだけど……

警察官: [省略済]


付記: 現場周辺に爆発した痕跡はありませんでした。また、血液は被害者男性の全身ではなく背中にのみ付着していました。

SCP-2195-JP-3

証人: 60代男性

証言記録日: 2011年11月29日


<証言内容>

警察官: [省略済]

証人: 多分上司かな、50代くらいの男性と一緒に夜8時くらいにうちの店に飲みに来てね、10時過ぎに帰ってったんだけど、外で口論する声が聞こえたから何事かと思って見に行ったらその二人が喧嘩しててさあ。そしたら上司っぽい人が腹を一発殴った後、若い方が倒れて動かなくなっちゃって急いだ様子で逃げてったよ。若い子死んじゃったんだってね、かわいそうに。

警察官: [省略済]

証人: 確か███駅の方に走っていったよ。ただ、途中で角曲がっちゃったから、その後は分からないな。

警察官: [省略済]


付記: ███駅周辺の監視カメラを確認しましたが、証言に一致する人物は発見できませんでした。また、被害者男性が勤務していた会社の職員全員にアリバイがあることが確認されました。被害者男性に腹部を殴られた痕跡は見られませんでした。

SCP-2195-JP-4

証人: 10代男性

証言記録日: 2011年11月30日


<証言内容>

警察官: [省略済]

証人: その日は友達と一緒にゲーセンに行ってて、10時くらいに友達と別れて家に帰ってたんです。その途中でふと上を見上げたらスーツ着た男の人がビルの屋上に立ってて、何してんのかなあって思ってたら、その人飛び降りちゃったんです。急いで通報したけど、人の自殺なんて見るの初めてで……

警察官: [省略済]

証人: あのすいません、思い出したら気持ち悪くなってきて……トイレに行ってきても良いですか?

警察官: [省略済]

証人: ありがとうございます。


付記: ビル内及び周辺の監視カメラを確認しましたが、被害者男性は発見できませんでした。また、被害者男性に高所から落下した痕跡はありませんでした。

SCP-2195-JP-5

証拠: 監視カメラ2台

証拠回収日: 2011年11月30日


<証拠内容>

[10:12:06] 被害者男性が監視カメラに映し出される。

[10:12:07~12] [省略済]

[10:12:13] 被害者男性が横断歩道を渡り始める。

[10:12:14] 被害者男性が女性の運転する自動車に轢かれる。

[10:12:16] 女性が車から降り被害者男性に駆け寄る。

[10:12:17~27] [省略済]

[10:12:28] 女性が車に乗り込み██駅方向へ発進する。女性の顔及びナンバープレートははっきりと見えなかった。


付記: 東京都内で同様の車種を所有する人物全員にアリバイがあることが確認されました。また、他の監視カメラには同様の映像は記録されていませんでした。被害者男性に、車両に轢かれた痕跡は見られませんでした。

SCP-2195-JP-6

証人: 20代女性

証言記録日: 2011年12月4日


<証言内容>

証人: ██ ██1を殺したのは私です。

警察官: [省略済]

証人: [犯行に関する自供を始める。供述された内容は検死結果及び現場の状況と概ね一致していた。]

警察官: [省略済]

証人: だって、もう六年以上付き合ってるのに、「結婚しよう」って言っても「まだいいんじゃない?」って言うんです。それに、何か隠し事してる感じだったし。だからあの日、彼に問い詰めたんです、「いつも私に隠れて何してるの?」って。そしたら「お前には関係無い」って言われて、それでイラってきて……

警察官: [省略済]

証人: あの日から毎日彼が夢に出てくるんです。何も話さず、何もせずに、ただ私をずっと見つめてくるんです。そんな彼の目が、私を責めてるようにしか思えなくて……

警察官: [省略済]

証人: え、何でですか?

警察官: [省略済]

証人: 悪戯じゃないですよ!もう限界なんです、彼のあの目を見るのは。

警察官: [省略済]

証人: 離して!私が犯人なんです!罪を、償わせてください!


付記: 当時、殺人事件の捜査に関与していた全ての警察官がSCP-2195-JP-1~5のいずれかの異常性に曝露していたため、SCP-2195-JP-6は悪戯として処理されていました。証人からは計6回の自首、血液2の付いた衣服や刃物の提出などがありましたが、そのいずれもが同様に悪戯として処理されています。その後、警察官に扮した財団職員がSCP-2195-JP-6の異常性に曝露したため、SCP-2195-JP-1~6の異常性が発覚しました。現在、SCP-2195-JP-6の証人の捜索を続けていますが、未だに発見には至っていません。また、事件前日に被害者男性が入手していたと思われる指輪と婚約届も発見されておらず、こちらも捜索が続けられています。

追記: 2011年12月18日、山梨県の山中でSCP-2195-JP-6の証人が死亡しているのが発見されました。現場の状況から自殺であると考えられます。また、被害者男性が入手していたと思われる指輪2つと、夫の欄のみが記載された婚姻届が証人の持ち物から発見されました。なお事件当日、証人は北海道へ旅行に行っており、犯行は不可能であることが友人の証言から確認されています。

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