日付: 2011-06-12
実験#: 10
探索#: 1
種類: D-クラスのみ、標準回収ハーネスとケーブル、延長コード付き無線/ビデオ機器、レベルC PPE(個人用防護具)を装着
実験時間: 24時間
概要: 宇宙-10の切断地点は廊下の中であり、壁は白く蛍光灯付きで、床はタイル貼りされている。反対側には2重ドアがある。D-2207-1はSCP-2207-1実体を超える時に何も異常な感覚を報告せず、2重ドアを通り抜けるように指示される。
実験開始から1分後、D-2207-1は彼が動き始めてから全くドアへ近づいていないことを報告する。ビデオ映像がこれを認める。しかし84mの回収ケーブル及びコードがSCP-2207-1実体を超えており、また実体の外部からの視覚による観測ではD-2207-1が廊下を半分歩き進んでいる。
D-2207-1は進み続けるように指示され、少し抗議するものの従う。さらに2分後、D-2207-1は依然としてドアに近づいていないことを報告する。ビデオ映像がこれを認め、さらに168mのケーブルとコードがSCP-2207-1実体の中へ入る。実体の外部からの視覚による観測では、D-2207-1が未だ廊下の半分より動いていないことが示される。
この時点でD-2207-1は回収される。SCP-2207-1実体の外部からは、D-2207-1が振り向く姿が見える。D-2207-1はSCP-2207-1実体がずっと遠くにあると報告し、ビデオ映像は約250mの距離があることを示す。、回収ケーブルが起動されると、D-2207-1はSCP-2207-1実体の方へ走る。SCP-2207-1実体の外部からは、D-2207-1がその場で走る姿が視認される。
30秒後252メートルの回収ケーブルが戻り、スプールを満たす。研究員は物理的に回収ケーブルを引っ張り始め、手動でD-2207-1を回収しようと試みる。D-2207-1は全くSCP-2207-1実体へ近づいていないことを報告する。
実験開始から3分30秒後、D-2207-1は止まるように指示され、彼の動きによって生じる技術的困難が回収作業を妨げているかどうかの調査が行われる。
次の30秒の間に更に108メートルの回収ケーブルとビデオコードが手動で回収され、研究員はケーブルの先に重さを感じないことに気が付く。ビデオ映像とSCP-2207-1実体の外部からの観測は、D-2207-1が後ろを見ていることを示す。ビデオ映像は2重ドアが以前よりも彼の背後のずっと遠くに見えることを示し、D-2207-1はSCP-2207-1実体へ向けて走り始める。
実験開始から10時間後、彼は自分から戻ることの試みを殆ど止める。この間D-2207-1は走ること、歩くこと、ジョッギング、泣くことを交互に行なうことが観測される。
SCP-2207-1実体が強制的に閉じるため、探索は24時間後に終了する。金属の支え棒、回収ケーブル、無線/ビデオコードは切断される。D-2207-1は回収されず、追加の████メートルの回収ケーブルとコードが回収される。回収されたケーブルとコードにはその異常な追加の長さを除き、財団の標準のものとの差は示されなかった。
日付: 2011-06-27
実験#: 25
探索#: 15
種類: D-クラスのみ、EEG(脳波測定)キャップ、標準回収ハーネスとケーブル、延長コード付き無線/ビデオ機器、レベルC PPE(個人用防護具)を装着
実験時間: 16分32秒
概要: 宇宙-25の切断点は大きな未知の都市の、小さな路地である。D-2207-7はSCP-2207-1実体を超える際に目眩の感覚を報告する。直後の探索の初期段階において、物質が回収される(多くはゴミ)。D-2207-7は目眩の様な感覚を更に3度報告し、また時おり宇宙-25の住人から視線を受けることを報告する。D-2207-7がレベルC PPEを装備しているため、後者は実験プロトコルに違反していないと判断される。
実験開始からおよそ8分20秒後、D-2207-7は5度目の目眩の感覚を報告し、周辺の光の強さが明らかに減少する。D-2207-7は(指示なしに)太陽の方を見上げる。日蝕が進行しているように見える。しかしながら、蝕を作る物体は太陽を横切らず、太陽の中心から出現している様に見える。
1分30秒後、未知の物体がコロナを含めて完全に太陽を覆う。D-2207-7は戻るように指示されるが、未知の物体が地上にあるオブジェクトを引き寄せるようであるためにそうすることが出来ない。ビデオ映像はD-2207-7や他の人間、車、その他のオブジェクトが空中へ浮かび、未知の物体へ向かって動くことを示す。この間D-2207-7から意味のある通信は無い。
回収ケーブルが起動され、1分以内にD-2207-7は回収される。SCP-2207-1を支える金属の支え棒が外され、実体は自然に閉じるままにされる。
日付: 2011-07-10
実験#: 38
探索#: 28
種類: 標準回収ハーネスとケーブル、延長無線/ビデオ機器、レベルC PPE(個人用防護具)を装着
実験時間: 2時間38分18秒
概要: 宇宙-38の切断地点は農地の中のようであり、Zea mays subsp. mays (とうもろこし)に外観が似た作物が育っている。D-2207-14はいくらかの作物のサンプルの回収を始める。
1時間後、D-2207-14は収集したサンプルとともに帰還し、SCP-2207-1実体を通過する。研究員は全てのサンプルが低品質でひどく萎れており、軽く扱っただけでぼろぼろになってしまうことに気が付く。D-2207-14は質問されると、回収したサンプルは回収時には萎れていなかったと主張する。ビデオ映像の調査によりD-2207-14の主張が確かめられる。
D-2207-14は宇宙-38より新たなサンプルを回収するため、再密封可能なバイオセーフサンプル収集袋を24個装備した後に派遣される。実験開始から1時間30分後にSCP-2207-1実体を超える時、彼女はSCP-2207-1実体の周囲2メートルの範囲の植物が枯れていることを報告する。ビデオ映像とSCP-2207-1実体外部からの観察はこれを確かめる。
D-2207-14は風速が増加していることを述べ、実験開始から2時間の時点で納屋に似た建築物を発見する。彼女は内部へ入るように指示される。
納屋のような建築物は農場にある納屋と目立たった違いはなく、様々な道具と干し草に外観が似た植物の袋詰を収容するために使用されている。D-2207-14は干し草のような植物のサンプルと、簡単に持ち運べる2つの道具を回収するように指示される。
D-2207-14は納屋のような建築物の上階に移動し、窓へ近づく。(SCP-2207-1)実体の周囲の植物が枯れているために、宇宙-38の切断点の場所を視認することが出来る。観測では風が植物を枯らす効果を伝搬していることが示される。
D-2207-14は納屋のような建築物の下階からノイズが聞こえたことを報告し、探索を行う。青いオーバーオールと灰色のTシャツ、わらのような素材で出来た帽子を着用した男が、製造モデルの不明なライフルを携帯し、回収ケーブルと無線/ビデオコードを調査している姿が見られる。
D-2207-14は無線をフリーレンジモードに切り替え、回収ケーブルの離脱ボタンを押すように指示される。D-2207-14は指示に従い、納屋のような建築物を離れSCP-2207-1実体に戻るように指示される。予防措置として、サイト-██の武装収容応答ユニットが収容実験室8803に招集される。
(実験開始から)2時間23分の時点で、D-2207-14は納屋を離れたことを報告するが、納屋の男が彼女を発見しライフルを撃ち始める。無線越しに銃声と未知の言語の叫び声が聞こえる。回収ケーブルが起動される。
D-2207-14は実験開始から2時間30分の時点でSCP-2207-1実体に到達する。未知の男が植物の枯れているエリアに入る姿が見られ、サイト-██の武装収容応答ユニットが発砲する前に地面に倒れる。男の体がその後急速にミイラ化する姿が見られる。D-2207-14はその未知の男の体を回収するように指示され、最終的にそれに応じる。(SCP-2207-1)実体は自然に閉じられる。
2回目の回収サンプルは、1回目の物にあった枯れる効果の徴候を示さない。未知の男は財布に身分証明書や数枚の紙幣、恐らく家族と思われる人物が写った数枚の写真を携帯していることが発見される。財布の中の全ての情報は未知のものであり、現在文字の解読が行われている。回収された道具は鈍った小鎌と弓のこと機能的に同一であることが示される。
D-2207-14は実験直後に死亡し、恐らく枯れる効果のために探索終了から30分後にミイラ化した。その効果はD-2207-14や宇宙-38の未知の男の死体、回収された物体から伝染しないことが判明した。
日付: 2011-07-14
実験#: 42
探索#: 32
種類: 標準回収ハーネスとケーブル、延長無線/ビデオ機器、レベルC PPE(個人用防護具)を装着
実験時間: 24時間
概要: 宇宙-42の切断地点は草原であり、切断点からおよそ2,3キロメートル離れた地点に未知の都市の建物の輪郭が視認できる。D-2207-16はSCP-2207-1実体を超えるように指示される。
D-2207-16がSCP-2207-1を超え、その後完全に通り抜けた場所で固まったように観察される。ビデオ通信はまだ動作しており、D-2207-16の状況について確認する要求には答えがない。EEGは突然アルファ波の活動が増加したことを示す。30秒後に回収ケーブルが起動される。
回収ケーブルはSCP-2207-1実体の箇所で切れ、無線/ビデオコードも切断される。SCP-2207-1実体の外部からの観測では、実体を超えたところにあるコードと回収ケーブルは弛んだままであることが示される。
フック付き棒などを含む様々な道具を使用した回収が試みられる。しかしながら、全ての試みは回収ケーブルと同様に失敗し、SCP-2207-1実体を超えた環境に接触すると物体は急速に停止する。また金属の支え棒が動かせないことが発見される。
24時間後、SCP-2207-1実体が強制的に閉じるために探索は終了する。金属の支え棒と回収のために使用されたすべての道具は切断される。D-2207-16は回収されなかった。
注: D-クラス職員の消耗率およびSCP-2207-1実体を超えた環境の敵対的/危険な状況のため、今後のSCP-2207に関する全ての実験では、音声/映像フィードバックを備えたリモートコントロール・ドローンが使用される。
日付: 2011-07-28
実験#: 56
探索#: 46
種類: 音声/映像フィードバックを備えたリモートコントロール・ドローン
実験時間: 35分45秒
概要: 宇宙-56の切断地点は大きな都市の外にある行政区、あるいは小さな郊外の中であるようである。ドローンが展開される。
1分以内に都市の高層ビルがたわむのが見え、郊外の内部の人日に軽度のパニックが起こる。探索が続くに連れてたわみはよりはっきりとする。3分後、高層ビルが溶け始めたように見え、今ではたわみの効果が郊外の家にも見られる。5分後にはたわみの効果が人々に現れる。
10分後、ほぼ全ての視認できる物体は水たまりに変化し、ドローンの制御者は制御が難しくなったことを述べる。15分後、ドローンは制御に反応しなくなり地面へ落下する。
最初のドローンから依然としてビデオデータが受信されるものの、2番目のドローンが展開さる。探索が進むに連れて最初のドローンのビデオデータは段々と歪んでいく。
35分後、2番目のドローンの制御者は制御が難しくなったことを報告する。2番目のドローンが回収されるが、特別新たなデータは回収されなかった。金属の支え棒は取り除かれ、SCP-2207-1実体は閉じられる。
2番目のドローンの調査では、全ての荷重を支える面が強く歪み、たわみの効果が表面に残っていることが示される。宇宙-56へ曝されていた側の金属の支え棒にもたわみの効果が残っている。強度および圧縮テストでは、影響を受けた物質は影響を受けていない物質と差異がないことが示される。
日付: 2011-10-06
実験#: 126
探索#: 116
種類: 音声/映像フィードバックを備えたリモートコントロール・ドローン
実験時間: 1時間21分36秒
概要: 宇宙-126の切断地点は日中の熱帯雨林の中の空き地である。ドローンが展開され、時おり微かにギザギザのラインが地上、空、空中に見られる。ラインはドローンにとって無害なようである。
3分後、ラインは継続的に観測することに十分なほどはっきりとし、SCP-2207-1実体の周囲に最も濃いものが形成される。
10分後、空の一部が青くなり、白色で "[NO SIGNAL]" の語句が表示される。SCP-2207-1実体の外からの観測ではその領域は黒く見えることが示される。
20分後、空全体が青くなり、白色で "[NO SIGNAL]" の語句が表示される。太陽光は依然として視認可能であるが、その発生元は確認できない。
探索開始から40分後、地面の一部が青くなり、白色で "[NO SIGNAL]" の語句が表示される。それらの領域の1つは木の下に出現し、その後木は倒れる。木は "[NO SIGNAL]" の箇所を通過すると見えなくなる。
探索開始から1時間後、 "[NO SIGNAL]" の表示が空中に形成され始め、地面にある領域は拡大して新たな領域を形成する。
1時間15分後、 "[NO SIGNAL]" の領域がそれ以上の探索を困難なものとするために、ドローンが回収される。制御者はドローンを戻す操作を成功させることが出来ず、ドローンは制御不能になり地面へ落下する。
2分後、"[NO SIGNAL]" の領域がドローンの下の地面に形成され、その後通信は途絶える。
SCP-2207-1実体から金属の支え棒が取り外され、実体は自然に閉じられる。