SCP-2215
評価: +7+x

アイテム番号: SCP-2215

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 収集された全てのSCP-2215実例は、サイト-82の低リスク収容棟にある安全な保管庫に収納します。

説明: SCP-2215は900×1125mmの杉材でできた矢印型の看板群の総称であり、長さ1.5mの単純な金属ポールに取り付けられています。SCP-2215の異常特性は、その近隣で要注意団体“カオス・インサージェンシー”が保有している分類済の異常存在に関する言及が発生した際に発現します。これが行われると、1枚のSCP-2215実例が金属ポールを旋回し、問題の異常存在に最も近い別なSCP-2215実例を指し示します。また、上記異常存在の簡単な説明がSCP-2215の表面上に現れます。SCP-2215が表示する文章は往々にして不正確か、謎めいた表現をしているか、文法的に正しくないか、無意味か、或いはその4つ全てです。SCP-2215実例は、上記の説明に当てはまらない異常存在に関する言及が近隣で行われても異常効果を発現しません ― 野放し状態、分類されていない、もしくはカオス・インサージェンシー以外の組織や個人が収容/保有している状態の異常存在は、SCP-2215を活性化しません。

SCP-2215は、カオス・インサージェンシーの一支部が運営していると考えられていた施設を襲撃した際、機動部隊プサイ-7(“リフォーム屋”)によって回収されました。SCP-2215に加えて、MTFプサイ-7はSafeクラスの異常物品5点(SCP-████含む)を取得し、CI所属の工作員3名を捕縛しました。これらの工作員は一切の抵抗を示さず、保有する異常物を持ち運びの容易なコンテナに格納するなど、財団の部隊が現地に到着するのを予期していた節が見受けられます。後の尋問で工作員は3名とも、財団による彼らの捕縛は、所属組織の目的に正確に合致しているものだと答えました。3名は尋問の際に全く同じフレーズを用いて、彼ら3名の捕縛の最終目標は“関心を引き出す”ことだったと断言し、SCP-2215の用途について明かしました。この言葉の意味とカオス・インサージェンシーの行動パターンの急激な変化に関して、更なる調査が現在も進行中です。

カオス・インサージェンシーが保有する他のアイテムを取得するためにSCP-2215を使用する試みは無益であることが証明されました。SCP-2215が表示する記述は押しなべて頼りにならず、新たに発見された全てのSCP-2215実例は、指し示しているであろうアイテムから大きく離れた場所で回収されています。このため、SCP-2215はアイテムを発見する手段としては事実上無価値です。

補遺SCP-2215-A-1: 以下の表は、カオス・インサージェンシーの保有下にあると推定されるアイテムへの言及を受け、SCP-2215が表示した記述の顕著な抜粋例です。

CI保有オブジェクト(財団側の名称) 記述 注記
CI-42 ("Archimedes's Folly / アルキメデスの愚行") 左折しなさい。左折しなさい。左折しなさい。左折しなさい。 CI-42は無定形のミームエージェントであり、特殊なレンズを介して太陽を観察することによって転写できると考えられています。
CI-78 ("Toad in the Hole / 穴の中の蝦蟇") 数十億の人々を虐殺することなくオムレツを作ることは出来ない。さっさとやれ。 CI-78はゴム製のカエルの玩具であり、その異常性質は俳優ヴィンセント・プライスの声で劇作家サミュエル・ベケットの不正確な格言を絶え間なく引用することに限られていると想定されています。
CI-91 ("Steelshins / 鋼脛") 漕げ、漕げよ、脛漕げよ、貧しく、貧しく、蹴りのよう。 CI-91は、半透明で自立運動可能かつ攻撃的な、極めて筋肉質な脛を持つ鋼の両足という姿を取って顕現します。
CI-101 ("The Hero / ザ・ヒーロー") スープ缶マンには彼にできることができるのであります。 CI-101は、全体が赤い陶器の破片で構成されている、自己再生可能なヒト型実体です。CI-101は非知性的であり、スープを摂取することへの欲求を示したことは一度もありません。
CI-143 ("Prismatic Fool / プリズム状の愚者") 僕の父は樹であり、僕の母は海であり、僕の兄弟はびっこの雄鶏でした。僕はだぁれ? CI-143は世界オカルト連合の構成員によって████年に無力化されたと考えられています。
CI-156 ("A Different Staircase / 違う方の階段") 階段については前に言ったよな、おい。言ったよな犬野郎。 CI-156は、SCP-087とほぼ同一の変種的オブジェクトです。CI-156内で見つかったメモを基に、財団はこれがSCP-087を見習って作られた二次創作物であるという結論に至りました。
CI-198 ("The World's Cage / 世界の檻") お前はもう中に居る。 CI-198はカオス・インサージェンシーが所有している中でも最も強力な異常物品の1つだと考えられている、内部に入れた存在・力・抽象概念を恒久的に投獄可能な部屋サイズの金属製の檻です。更なる情報は文書CI-198/Cで閲覧できます。
CI-213 ("Death to the Pretenders / 詐称者どもに死を") 見ちゃダメだ、でも奴らは君のすぐ後ろにいる。あーあ、見ちゃったね! CI-213は████年に財団から盗み出されたKeterクラスオブジェクトです。CI-213(法律文書の束)は5~10名の仮面を付けた人物を顕現させ、CI-213の所有者を不当な目に合わせていると判断した相手を追い詰めて処刑します。これは多くの場合、CI-213の所有者の意に反して行われます。
CI-249 ("The Baked Virus / 焼きウイルス") スーパーコンピュータは不正な焼き菓子の夢を見るか?(Do supercomputers dream of fraudulent baked goods?) このアイテムを指す際に表示されたオリジナルの記述は“スパーコンピュータは不正な焼く菓了の夢お見ろか!(does supercomputer dreams of fraudulent bake good!)”という文法的に不正確なものでした。
CI-314 ("Insult to Injury / 傷口に塩") 1+1=2。テメェの脳みそを吹っ飛ばしてやったぜ、ゴミ虫め。 CI-314は数学的概念であるPi、すなわち円周率の、変則的な有限バージョンです。

補遺SCP-2215-B-1 SCP-2215の発見に際して捕縛されたCI所属工作員が示す奇妙な行動について情報を得るため、これらの工作員たちは共同房に収容され、監視されました。間もなくして以下の会話が記録されました。

CI-OP-1 (浅黒い肌の男、40代前半): 「さて。全て計画通りに進んでいるようだな。」

CI-OP-2 (灰色の髪の女、年齢不確定): 「まだ何とも言えませんわ。貴方は、彼らがこれをどう受け入れると思っているのです?」

CI-OP-1: 「そいつは俺たちの制御を超えたことさ。俺たちは俺たちなりの役目を果たした。残りは観客次第だ。」

CI-OP-3 (禿頭の男、60代後半): 「しかし、上手く行くと思うかね? 我々のこのアイテムは幾分…不確かだぞ。音色的にな。」

CI-OP-1: 「うーん。言い難いがな。喜劇的な基調は潜在的な課題だ。部門の変更を願い出る必要があるかもしれん。」

CI-OP-2: 「音色面にリスクがあるのは、これを作り始めた時点で分かっていたこと。今のところは流れに身を任せるとしましょう。」

CI-OP-3: 「ああ。この問題は絶え間ない不満ではあるが、回避することは出来んのだろうな。何せ、コンソーシアム(Consortium)がそれを望んでいるのだから…」

CI-OP-1: 「馬鹿野郎! 俺たちは今まさに読まれてるんだぞ!」

CI-OP-3: 「あぁ糞、失念していた。だがな、もう一方の名はいくら何でも…」

CI-OP-2: 「我々は同意したのです。符丁を遵守しなさい。」

CI-OP-3: 「分かった、分かったとも。私が言いたかったのはだな、我々…つまり、カオス・インサージェンシーは例の如く悪魔的な精密さでもって任務を果たせましたね、という事なんだ。」

CI-OP-1: (CI-OP-3を見つめ続ける)

CI-OP-3: 「時々、本気でこの仕事が憎らしく思えてくる。」

CI-OP-2: 「分かってますわ。私たちだってそうですもの。私たちがこれをするのは物語のため。」

CI-OP-1: 「物語のために。」

CI-OP-3: 「…音調に文句をつける奴が出ないことを願うよ。」

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