SCP-2238-JP
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アイテム番号: SCP-2238-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2238-JPはサイト-81551の標準非生物収容室に収容されます。

サイト-8155には常に100冊以上の内容の異なる書籍を保管してください。SCP-2238-JPの影響を受けた書籍は別途保管し、影響を受けていない書籍が半数を下回った際に新しい内容の書籍と交換されます。サイトに持ち込むことのできる書籍のリストは資料:サイト-8155認可図書目録を参照してください。

説明: SCP-2238-JPは異常性を有する二宮金次郎像2です。一般的な二宮金次郎像と異なり、手に本を保持していません。

SCP-2238-JPは予測不可能な間隔3で活性化し、その際に施設内に存在する書籍を自身の手の中に転移させます。この時、SCP-2238-JPの両手は書籍を保持するように形状が変化します。転移の対象となるのは学術書や辞典等の学術的な内容について記載された書籍であり、特に経済学・社会学・農学に関する書籍が選ばれる傾向にありますが、その限りではありません。現在、転移の対象となる書籍の傾向に変化が生じています。詳細は補遺2を確認してください。

一定時間が経過すると書籍は元の場所に再転移しますが、記載された文章や単語の一部へ赤線による強調が加えられています。この赤線は分析の結果、SCP-2238-JPと同成分の酸化銅であることが分かっていますが、この異常性によるSCP-2238-JPの質量の減少は確認されていません。

書籍が再転移するまでの時間は当該書籍の文字数に概ね比例しており、約600文字/分間の割合で表すことが出来ます。また、SCP-2238-JPの手から書籍を取り出すことで再転移を即座に発生させられますが、書籍が大量の酸化銅に覆われた状態で再転移するため、推奨されていません。

書籍が再転移するまでの時間が文字数に比例することや、赤線により強調された箇所に重要な理論や解説が含まれていること、また異常性の対象となる書籍の傾向から、SCP-2238-JPが高度な知性を有することが示唆されており、研究が進められています。

補遺1: 発見経緯

SCP-2238-JPは東京都墨田区の██小学校に設置されていました。同小学校に記録されていた資料より、設置当初のSCP-2238-JPは通常の二宮金次郎像と同様に手に本を保持していましたが、20██年に生徒の悪戯を原因とした破損により失われた事が分かっています。

SCP-2238-JPが異常性を獲得したと思われるのは翌年の20██年であり、教職員によって記録された「生徒が悪戯で図書室の本を二宮金次郎像の手に置いた」という報告が最初の事例、または異常性発現の切欠だと考えられていますが、関連人物に異常性は発見されませんでした。

その後、異常性による図書の紛失・汚損が続いたことで学校側が公的機関に調査を依頼し、潜入していたエージェントによってSCP-2238-JPとして確保されました。██小学校には非異常性の二宮金次郎像が新たに設置され、関係者には記憶処理とカバーストーリー「経年劣化に伴う設備更新」が流布されました。

補遺2: 異常性の変化

2025/1/25、SCP-2238-JPの異常性を研究することを目的として、人為的にSCP-2238-JPの手の中に書籍を挿入する実験が行われました。当実験では学術書の他に、娯楽小説、漫画雑誌、成人向け雑誌など多様なジャンルの書籍が用意されました。

実験中、SCP-2238-JPは一切の反応を示しませんでしたが、当実験以降、SCP-2238-JPが転移させる書籍に学術書以外の物が選ばれるように変化し、その割合は増加傾向にあります。

また、成人向け雑誌等の性的な内容が含まれる書籍が転移している間に職員が収容室に侵入すると、当該書籍は即座にSCP-2238-JPの手元から消失し、学術的な書籍が代わりに転移するという現象が確認されています。この現象は収容室内の監視カメラによって繰り返し観測されており、SCP-2238-JPが外部からの視線や状況を認識している可能性を示唆しています。

上記の変化に対する評価は協議中です。

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