SCP-2255
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アイテム番号: SCP-2255

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2255の現在の所在地は太平洋のフェニックス諸島北部にある財団所有の島です。SCP-2255の活動を監視・報告するための研究基地が島の南岸に設立されています。最低でも1人のレベル3職員と3人のレベル2職員が常に基地に居住し、最も近い財団収容サイトとの交信を維持してください。SCP-2255に割り当てられたすべての職員は生物学(特に植物学が望ましい)と心理学の知識を持っている必要があります。

20人のDクラスと5人の財団セキュリティ職員が島の決められた生活圏に駐留し、コミュニティの機能を維持するため毎日の仕事を課せられます。SCP-2255の創造主と思われる存在に崇拝を捧げていると見せかけるために、乾燥ハイビスカスとハイビスカス茶をSCP-2255の面前で定期的に摂取し、Dクラスは毎日日の出の時間にSCP-2255のために用意された聖堂に摘みたての5本の花を捧げてください。Dクラス職員はSCP-2255と会話することを控えてください。アノマリーとの全ての会話は財団研究者によって行われるべきです。SCP-2255と交流する職員は、継続的な協力を確保するために尊敬の態度で接してください。

毎月、島のハイビスカスの数を調査してください。花が枯渇しそう場合は、補充のため資源を散布してください。

説明: SCP-2255は、高々3m程度と計測される扁平積雲の形をした局地的な気象現象です。SCP-2255は知能があり話すことが可能で、大抵は男性の低い声で英語を話します。それは、自らが創造物であり花の女神の使節であると主張しています(補遺SCP-2255-2参照)。

SCP-2255の平均高度は5~20メートルで、曇りの日においては島の木の近くで浮遊している傾向があります(補遺SCP-2255-3参照)。SCP-2255は自主的に移動することができますが、観測された最高速は15km/hです。SCP-2255は神の怒りの力について訴えていますが、まだ人類に危害を加えたことはありません。

SCP-2255の存在は花の香りにしばしば例えられる強い芳香を伴っています。SCP-2255は加えて、以下のような異常な降水を示します。

  • 濃い果糖水溶液の雨
  • 霜に覆われたハイビスカスの花びらの「雪」
  • プリンセスカット・ダイヤモンドのあられ(直径1~2cm)

補遺 SCP-2255-1: SCP-2255は最初ハワイ諸島の近くで発見され、さまざまな広告会社が使用していた有名な宣伝スローガンを唱えることで地域住民から信者を集めようとしていました。財団職員が干渉してSCP-2255と接触した人物に記憶処理を行い、場所を変えるように(より信心深い住民の存在をエサにして)説得しました。SCP-2255の現在の所在地への移動は財団の航空機によって監視され、研究職員がSCP-2255の出発に先立って島へ派遣されました。

補遺 SCP-2255-2: ████年██月██日現在、SCP-2255はその創造主と思われる存在のために建てられた聖堂の近くにとどまっています。それ以前は島を「パトロール」する習慣があったので、行動の変化について調べるためインタビューが行われました。

インタビューログ SCP-2255-█-███
 
桐生博士は大きな石に座り録音装置を彼の近くにセットした。SCP-2255は地面から3mほどの高さに浮き、時折上昇してはいつもの高度に戻っていた。
 
桐生博士: 瑞々しき花の女神の使者よ、お会い頂きありがとうございます。何故ずっと聖堂のもとにいるのかお教えいただけませんか?
 
SCP-2255: 我が創造主、天の水と海の花の主はお疲れである。彼女への捧げものから遠く離れると我は完全な力を振るえぬのだ。
 
桐生博士: 詳しく教えてください。何しろあなたの真の力について歌った歌はありませんので。
 
SCP-2255: 我が力は我が女神に由来している。彼女は美の化身にして賛美されるべき者。彼女が望んだならば、我が雨が貴様らの街を沈め、我が雪が貴様らのかよわき花を滅ぼすだろう。
 
桐生博士:彼女は自身の力の大きさについても語ったのですか?
 
SCP-2255: (間をおいて)否、だが彼女は貴様らが「広告」と呼ぶ多くのものを見て我を創った。ゆえに、彼女の知識は比類なく彼女の力は限りないものであろう。彼女はさらなる称賛に足る。
 
桐生博士: 人々はあなたが砂糖水を降らせたことに気が付きました。それも女神の力なのですか?
 
SCP-2255: よいか、いつも葡萄酒を降らせるわけではないのだ。
 
桐生博士: ああ、その通りです。あなたは彼女のメッセンジャーとして働くためにその力を授けられたのですか?
 
SCP-2255: 我が女神は、見栄っ張りな四人の姉がその見た目と短所の多さの割に高い位にあったゆえ、自らの地位に不満を持っておられる。彼女は我を通してその価値を示そうとしているのだ。
 
桐生博士: そのように扱われるのは不運ですね。彼女は自分でやるより上手く人間にそれを示すためにあなたを創ったのですか?
 
SCP-2255: 比類なく美しい瑞々しき花の化身、コキオは人間の言葉巧みなやり方を学び、使者として彼女の代わりに信者と話させるためにその知識を持って我を今の姿に創ったのだ。彼女は寛大にも信者のことを考え、彼らの慣れ親しんだ方法で伝えようとしているのだ。
 
桐生博士: 花の女神の雨雲よ、あなたが一体何なのかお尋ねしても?
 
SCP-2255: 我は馬にもボートにも乗っていないが1、世界一面白い暴風雨なり2

補遺 SCP-2255-3: 空に他の雲があると低い高さに下りてくる習性について尋ねられた時、SCP-2255は他の雲が自分の存在に気が付いたときに起こる「不当な怒りを引き起こすのは趣味ではない」と返答し、決して「女神に盾突く者から隠れているわけではない」と先回りして激しく主張しました。

補遺 SCP-2255-4: ████年██月██日、SCP-2255は聖堂の休息場所を離れ、「コキオを讃えよ! 彼女こそ最コキオ!」「花の女神を信じろ、それだけでいい」「ハイビスカス摂ってる?」などのスローガン風のフレーズを大声で叫びつつ、通過した場所に多量のグラニュー糖を堆積させながら島の周辺を周回し始めました。この行動の5時間後、SCP-2255は聖堂に戻り次の日まで動きませんでした。最初の事象以来、██件の類似事象が発生しており、SCP-2255はそのたびに違うスローガンを唱えています。

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