SCP-2260-JP

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アイテム番号: SCP-2260-JP Level 4/2260-JP
オブジェクトクラス: Safe Classified

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SCP-2260-JP-1のスクリーンショット(拡大画像)


特別収容プロトコル: SCP-2260-JPは低脅威度物品収容ロッカーに収容されます。SCP-2260-JPの歴史学的価値を鑑みて、現在内部の情報を取り出す研究が進められています。 取り出しは完了しました。補遺を参照してください。

説明: SCP-2260-JPは京都市将軍塚付近に設置されていた全長52cmの石製の仏像です。財団の歴史学者チームの調査によって当該仏像は文殊菩薩を模したものだと判明しています。最低でも西暦796年の時点には造像されていましたが、異常な破壊耐性によって現在まで一切の損傷を受けていません。

SCP-2260-JPの下部には情報の送受信を目的に作られたと考えられる7種類の未知のコネクタが存在します。財団は当該コネクタの一つが当時開発段階だったUSB Type-Cと類似していることに着目し、独自の改良によってSCP-2260-JP対応のUSB規格の開発に成功しました。このUSB規格のケーブルを用いてSCP-2260-JP内のデータの閲覧が試みられましたが、データ量の膨大さから中断されました。

SCP-2260-JP-1はSCP-2260-JP内に保存されている367PBの動画データです。2014年にデータが発見された時点で動画の長さは1218年136日5時間11分30秒に達しており、その後も長さが伸び続けています。実験的にSCP-2260-JP-1の一部をインポートした結果、当該動画はSCP-2260-JPの視界映像であること、画素数は7,680×4,3201であることなどが判明しました。SCP-2260-JPが設置されていた将軍塚付近は京都市中心部を広く見渡せる場所であるため、SCP-2260-JP-1を解析することで以下の事象などが細部まで調査可能になると推測されています。

・796年以降の京都市中心部に在住していた人々の生活の変遷
・京都市中心部の環境及び気候の変化
・蒐集院の記録上でのみ確認されている43件のアノマリーの活動
・その他、歴史学的に重要と評価される出来事


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開発中のスーパーコンピューター「桓武」

SCP-2260-JP-1の貴重性を踏まえて、当該動画データを取り出すことを目的とした大規模なコンピューター開発計画が策定されました。「プロジェクト・カンム」と名付けられたこの計画には122人の研究者と2061億円の予算が割り当てられ、約6年間に渡って研究が進められました。研究主任にはSCP-2260-JPのコネクタの研究に携わった経験を持つ██教授が着任し、プロジェクト・カンムの主要な研究員らはそれまでの職務を辞して当プロジェクトに注力しました。


補遺: SCP-2260-JP-1 - 映像記録(2020/8/11追加)

<記録開始>

796/7/2: 3人の僧侶らしき男性がSCP-2260-JPを設置する。映像内には複数の建築途中の大規模仏教系建築物と東寺、西寺とみられる建物が確認できる。

796/7/4: 大雨及び強風でいくつかの建物が深刻な被害を受ける。台風の上陸に伴う気象変化と推測されている。

796/7/6: 突如SCP-2260-JPに大きな衝撃が加わり、映像の97%が何らかの物体に遮蔽される。2

1160/1/19: 映像は依然遮蔽されている。この時期に平治の乱が勃発しているとみられる。

1467/5/26: 映像は依然遮蔽されている。この時期に応仁の乱が勃発しているとみられる。これ以降10年間程画面が不定期に若干赤く光る。

1596/9/5: 映像が大きく振動する。蒐集院の記録では当時大規模な異常災害とアノマリーの大量出現事案が発生したとされているが、3映像が遮蔽されているため様子は確認できない。

1864/8/20: 映像が若干赤く光る。禁門の変の影響と見られる。

1945/1/16: 映像が僅かに振動する。当時米軍によって行われた京都空襲の影響とみられる。

2012/5/19: 突如映像が激しく振動し、遮蔽物が画面外へと落下する。

2012/6/4: 作業着を着用した男性4人がSCP-2260-JPを動かす。男性らの特徴はSCP-2260-JPの発見者と一致している。

2012/6/5: 財団の収容チームによってSCP-2260-JPが運び出される。

<記録終了>

SCP-2260-JP-1の取り出し・研究が完了後、プロジェクト・カンムの意義についての議論が提起されました。また、プロジェクト・カンム研究主任の██博士によってスーパーコンピューター「桓武」の将来性に関する提言、SCP-2260-JPの研究で開発されたUSB規格が持つ高いデータ送信効率に関する論文、SCP-2260-JPを記録装置として活用する計画案などが相次いで作成されました。現在これらの文書は日本支部理事会で審査されています。



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