SCP-2261-JP
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アイテム番号: SCP-2261-JP

オブジェクトクラス: Safe Nagi1

特別収容プロトコル: SCP-2261-JPは、サイト-81DIの低脅威物品収容チャンバー内に収容されます。毎日午前10時に担当職員はSCP-2261-JP-1及びSCP-2261-JP-2の回収を行ってください。SCP-2261-JPを用いた実験を行う際は担当職員の許可が必要になります。出現したSCP-2261-JP-1及びSCP-2261-JP-2は非異常物品収容ロッカー内に収容されます。

説明: SCP-2261-JPは、縦80cm、横120cm、高さ71cmの木製の四脚テーブルです。SCP-2261-JPに対する非破壊式各種耐性調査を行った結果、あらゆる損傷に対して耐性を有していることが判明しています。SCP-2261-JPは非活性状態の間は一般的な四脚テーブルとして扱うことが可能です。

SCP-2261-JPは、毎日午前10時に活性化します。SCP-2261-JPが活性化状態にあるとき、不明な原理によってSCP-2261-JP上に非異常の物品(SCP-2261-JP-1に分類)となんらかのメッセージが記述された手紙(SCP-2261-JP-2に分類)がそれぞれ1つずつ出現します。SCP-2261-JP-1及びSCP-2261-JP-2が出現する瞬間を撮影する試みは機材の不具合によってこれまで失敗に終わっています。出現するSCP-2261-JP-1及びSCP-2261-JP-2に記述されているメッセージの内容は出現毎に異なったものであることが判明しています。SCP-2261-JP-2に記述されているメッセージの筆跡鑑定を行った結果、木村 伽耶氏(日本人女性。享年40歳。死因は非異常性の悪性腫瘍によるもの)のものと一致したことが判明しています。

SCP-2261-JPは、SNS上にて木村 雄大氏(日本人男性。報告書執筆時点18歳。木村 伽耶氏の息子)が「家にあるテーブルの上に見知らぬ手紙と写真らしきものがある」と投稿したことに興味を持った財団が調査を行った結果発見されました。その後、カバーストーリー「不良品回収」を名目としてSCP-2261-JPを回収しました。回収後、木村 雄大氏にはインタビューが実施されました。(補遺2参照)

補遺1: 以下の記録は回収当初から報告書執筆時点である2022/01/13までに回収されたSCP-2261-JP-1及びSCP-2261-JP-2を記録したものの一部抜粋です。記録内容の全容についてはこちらを参照ください。

補遺2: 回収/収容からおよそ1週間後、木村 雄大氏に対するインタビューが実施されました。以下はインタビュー記録です。

インタビュー記録 2261-JP


インタビュアー: 末影博士

対象: 木村 雄大氏(インタビュー内では木村氏と記載)


[記録開始]


末影博士: では、木村さん、あのテーブルとテーブルの上に置かれていたものについて何か知っていることはありませんか?

木村氏: [数秒沈黙]あの、これって取り調べとかですか?やっぱり何か事件とか、そういう類のものに関わっているんですか?

末影博士: 安心してください。これは取り調べではありませんし、事件とも関わっていません。口外もしないと約束します。

木村氏: そう……ですか。[数秒沈黙]では話しますね。

末影博士: はい。お願いします。

木村氏: あのテーブルは、脳にできた悪性腫瘍によって死んでしまった僕の母のものなんです。いつ頃から使われていたのかはわかりませんが、結構前からあったと思います。

末影博士: 母親を亡くされているとのことですが、他に家族はいらっしゃいますか?

木村氏: いえ……母方の祖父母は居ますが父親は僕が産まれて間もない内に交通事故にて亡くなったそうです。

末影博士: そうですか。辛いことをお聞きしてしまい申し訳ないです。

木村氏: 大丈夫です。父親のことは覚えてなくて、何とも思えないので。……話を戻しますね。テーブルについてはあまりよくわからないのでなんとも言えませんが、テーブルの上にあった物についてなら分かります。

末影博士: 教えていただけないでしょうか?

木村氏: はい。テーブルの上にあったものは、全部僕が昔、少なからずとも大切にしていたものなんです。なんで置いてあったのかは分かりませんが、見たときに、懐かしいと思えるようなものばっかりで……。母はものを大切にする人だったので、そこが遺伝したんだと思いますが、これ以上はすいませんがわかりません。申し訳ないです。

末影博士: 謝らなくて結構です。少しでも情報を知れただけで有益でした。では、インタビューを終了します。


[記録終了]


終了報告書: SCP-2261-JP-1について詳細な調査を行った結果、全てのSCP-2261-JP-1より木村 雄大氏の指紋が微弱ながら検出されました。また、インタビューの内容より、SCP-2261-JPと木村 伽耶氏、SCP-2261-JP-1と木村 雄大氏の繋がりは明確なものであることが確認できました。現在、さらなる調査が行われています。

補遺3: 2022/02/013に、SCP-2261-JP-2の出現を伴わずSCP-2261-JP-1のみが出現しました。出現したSCP-2261-JP-1は「雄大へ」と書かれたラベルの貼られているビデオテープです。以下は出現したビデオテープを再生機器を用いて再生した際の映像及び音声です。

映像記録 2261-JP


[再生開始]


[病室の一角が映る。画面中央には木村 伽耶氏が映っている]

木村 伽耶氏: あ、ちゃんと音声入ってるかな?……入ってるな、よし。

雄大、元気ですか?わたしはもうじき死んでしまうと思うので、今こうやってビデオメッセージを残しています。

中学校ではちゃんとやれてるかな?ちゃんと自分のやりたいことに向かって突き進んでいくことが出来ていればわたしは嬉しいです。

そういえば、もうじき高校受験だね。勉強を、受験絶対に合格するぞ!くらいの意気込みで頑張ってやれば、きっと受かるよ。今は苦しくて、不安で押しつぶされそうかもしれないけど耐えてね。ここを抜ければきっと良いことがあるよ。だからそれまで頑張ってね。

……もうわたしから言うことはないです。あなたならできる。そう信じてます。

小学校一年生のときにいじめられても耐え抜くことができたあなただから。

辛いことがあっても逃げ出さなかったあなただから。

何かに向かってひたむきに努力を重ねられるあなただから。

辛いことがあって、逃げ出したくなったらこのビデオを見てね。わたしとの約束。

[木村 伽耶氏が咳き込む]

じゃあ、将来、幸せになってね。見守り続けてあげるから、あなたも幸せを掴んで、素敵な人に出合って家庭を築いて、老後に思い出語りができる相手ができることを祈ってます。

あなたの人生に幸あれ。

ずっとあなたのことを愛しているよ。

大切なわたしの息子へ。


[再生終了]


本ビデオテープ出現後、長期間に渡ってSCP-2261-JPは非活性状態を維持し続けました。無力化判定期間の間非活性状態を維持したことから、暫定的にNagiクラスに分類されています。

SCP-2261-JPが今後5年間に渡り非活性状態を維持し続けた場合、正式に無力化したと判断され、規定手順を踏んだ上でNeutralizedクラスに分類されます。

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