SCP-2267-JP
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Rakuda

SCP-2267-JP

アイテム番号: SCP-2267-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2267-JPはサイト-104の広域野生動物収容エリアで収容されています。SCP-2267-JPの異常性が過度に活性化するのを防ぐために、現在実験は禁止されています。また、エリアがSCP-2267-JPにとって快適な環境になるようにしてください。

SCP-2267-JP担当研究チーム及びサイト-104保安部隊の監視の下で、SCP-2267-JPを一時間に一度自動走行ロボットを用いて意図的にストレスを与えて異常性を活性化させるようにしてください。その際に射出される人工物は記録を行った後に廃棄してください。

説明: SCP-2267-JPは異常な性質を持つフタコブラクダ(Camelus bactrianus Linnaeus)です。体長や体重、外見などについて通常の個体と差はありません。

SCP-2267-JPの異常性はSCP-2267-JPがストレスを感じた際に発現します。ストレスを感じた直後、SCP-2267-JPの持つコブが1.1倍から1.5倍程度に膨張します。その後、先端部から15cm程度の切り目が入り、コブが開口されます。フタコブラクダのコブは通常脂肪で構成されていますが、この際は内部が空洞になっています1。その後、内部から人工物が射出されます2。これまでに射出された人工物の種類は多岐に渡っており、詳細な射出物のリストは物品リスト2267-JPを参照して下さい。また、射出される物品は射出されて飛来している段階で拡大することがあります。これは本来の物品の大きさがコブの開口部よりも大きい場合に起こる現象であることが分かっています。ストレスの対象が存在する場合は対象を目標として射出されます。ストレスの大きさと射出物の大きさが比例していると推測されていますが、ストレスの定量的な計測方法が確立されていないため、この説は類推の域を出ていません。

SCP-2267-JPは異常性を活性化させ終えた約1時間後まで、異常性は再度活性化されません。また、異常性が前回活性化してからの時間が長いほど、射出する物品は巨大化する傾向にあります。

補遺.2267-JP.1: 経緯
SCP-2267-JPは2008年6月14日午前10時頃にNx-17("ボーリング")で住民によって発見されました3。住人は道路を自動車に乗って走行していたところ、道路前方の道端から突如現れたSCP-2267-JPに驚き緊急停止しました。その後SCP-2267-JPは3.4mの街灯4を射出し、車両を大破させました。住民は車両から降りていたためけがはありませんでした。住民はGoI-466(ウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズ)に通報し、WWSの対応チームによって麻酔銃によって麻酔されてから、WWSの収容施設である「24号囲い場」に輸送されました。

補遺.2267-JP.2: WWSについて
1998年7月のヴェール崩壊後、各要注意団体が一般的に認知されていくようになりました。旧ウィルソンズ・ワイルドライフ・シェルターも以前は財団による寄付金に依存した運営がなされていましたが、ポーランドでの野生動物の保護に尽力したことがポーランド政府に表彰されるなどして知名度が上昇していった結果、多額の寄付金を受けることが可能になりました。また、それだけでなくアキヴァ放射やカック灰を原因とする異常生物の発生数の増加とそれに応じた依頼の増加によって、旧ウィルソンズ・ワイルドライフ・シェルターの収容体制は拡大の一途を辿りました。その傾向を不安視した財団は創設者であるティム・ウィルソンに接触し、財団による資金提供及び技術提供を提案したことで、1999年の1月に財団とボーリング条約を締結した後に現在のウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズへと組織は改革されました。

しかしながら2001年のマンハッタン島でのカオス・インサージェンシーによるテロ事件以降、アメリカ国内での異常生物の発生件数はより増加し、WWSの稼働率は過度に上昇していきました。また、WWSを担当していたサイト-64も同時に多様化する業務に注力していた結果、WWSへの査察・資金提供は軽度なものへとなっていました。

補遺.2267-JP.3: 収容違反
2008年6月21日、午前10時12分頃にWWSの所有する敷地内に全長約634mの巨大な建造物5が横に倒れた状態で出現しました。結果としてWWSの収容施設が破壊され、███体の異常生物の収容違反と██人の死傷者が生じました。即座に財団へ応援要請が届き、機動部隊ベータ-4 ("キャスタウェイズ")が急行し現状の把握を行った後に、収容違反の規模の大きさから他の機動部隊にも応援が要請されることとなりました。以下は、その際にサイト-64司令部とベータ-4の間で交わされた音声記録です。

Record 2008/06/21

サイト-64通信回線による記録


部隊: 機動部隊ベータ-4 ("キャスタウェイズ")

部隊長: ベータ-4-アルファ


[記録開始]

司令部: こちら司令部。ベータ-4、現状で分かる情報の報告をせよ。

ベータ-4-アルファ: こちらアルファ。ひどい惨状だ。デカい塔みたいなのが横たわっている!

司令部: どの程度の被害が出ているんだ?

ベータ-4-アルファ: ざっと見た感じ24の囲い場と13の飼育棟が押しつぶされている。あと、結構な数の人間が重いけがを負ってるな。医療部隊の到着を急がせてほしい。

司令部: 分かった。そうさせよう。で、原因とかは分かったのか?

ベータ-4-アルファ: WWSの奴らによると25号囲い場に収容されていたラクダが原因かもしれない…とのこと。けが人の応急手当を行いつつ探索を行っているが、まだ発見できていない。…今エコーから連絡が入ったが、ラクダは収容されていた25号にいなかったとのこと。

司令部: ラクダの走行速度はそれなりに速い!逃げられる前に急いで発見しろ!

ベータ-4-アルファ: 了解。

[13分経過]

ベータ-4-アルファ: こちらベータ-4-アルファ。WWSより南東に約2.2kmの森林でデルタが対象を発見。

司令部: 麻酔銃の射撃を許可する。

ベータ-4-アルファ: デルタが対象に気付かれた。金槌を連続的に射出していて射線に顔を出せない。他の部隊員に命令して回りこませて射撃を命令した。……ヒット。[30秒後] 対象の昏睡を確認。

司令部: 確認した。回収のための人員を送った。ベータ-4-アルファは情報の収集と人命の救護を継続して行うように。

[記録終了]

収容違反の発生から8時間後、収容違反した全ての異常生物の再収容と被害者の救護、及び遺体の回収が完了されました。出現した建造物の調査が研究員によって調査される間は、WWSの収容体制は一時的に解かれ財団に譲渡されることになりました。そして6月23日には今回の事件の原因の究明のための会合がサイト-64で行われました。以下はその会合の音声記録です。

Record 2008/06/23

サイト-64第二会議室による記録


メンバー:

  • サイト管理官 エドガー・ホールマン
  • 研究副管理官 アヴェリー・サンチェス博士
  • 機動部隊副管理官 エージェント・ウィリアム・ジョンソン
  • WWS創設者 ティム・ウィルソン
  • WWS総合チームリーダー アルバート・ウェストリン

[記録開始]

ホールマン: それじゃあまず、サンチェス博士、分かっていることを教えてほしい。

サンチェス博士: まずSCP-2267-JPはコブから人工物を射出します。二日間で分かった確定的な情報はここまで。ここからは推測になります。SCP-2267-JPがどのような時に人工物を発射するかというとストレスを感じたときである、というのが最有力な仮説です。それで、ストレスが溜まったのであの電波塔を出した、というのが妥当な判断でしょう。

ホールマン: ありがとう。ストレスの原因については何か分かるかい?

サンチェス博士: 少なくとも25号囲い場に外敵がいた痕跡はありませんでしたが、それ以外の部分は何とも。ウェストリンさん、餌などはしっかりと与えていたのですか?

ウェストリン: はい、僕たちはたっぷりの干し草を与え、充分な水飲み場を用意していました。チェックシートのコピーもここにあります。

サンチェス博士: なるほど。では、それ以外の要点がSCP-2267-JPを刺激したのでしょうね。現状分かっている情報だけでストレスについて考察するのは難しそうですね。

ホールマン: 分かった。では次に、なぜこのような危険なオブジェクトについて私たちに連絡がなされなかったか、が知りたい。エージェント・ジョンソン、今までの事例を挙げてほしい。

ジョンソン: 例えば。2000年2月の20分に一回分裂するライオン。2002年6月の溶岩を垂れ流す巨大ナメクジ。2003年11月の時を越えるアヒル。2005年7月の熱を吸収するホッキョクグマ。…などがありますね。どれもWWSの収容体制では難しいオブジェクト群です。ボーリング条約には規定として書いていないものの、収容の難易度が高いオブジェクト群については慣例的に財団に連絡が為されるようになっていたはずです。

ウェストリン: それは…

ウィルソン: そうだね、これについては完全に僕たちの落ち度だ。今回その、SCP-2267-JPを捕獲しにいったチームは臨時的に編成されたチームだった。いつもメインに活動していた他のチームは依頼を受けてお払い箱だったんだ。だから、そのチームのメンバーのほとんどは捕獲の経験なんてなかったし、その後の対応も研修出来てなかった。

ホールマン: 詳細にありがとうございます、ミスター・ウィルソン。起きたことは仕方ありません。しかし、ここからが大事です。このようなヒューマン・エラーが起きた原因はどのような所にあると思われますか?

ウィルソン: 明らかに、保護すべき動物の量が、僕たちのキャパシティを超えている。それに尽きる。

サンチェス博士: でしょうね。

ジョンソン: だろうな。

ウェストリン: [無言で俯く]

ホールマン: わかりました。それで、この状況を改善するために私たちは何をすべきですか?

ウィルソン: 僕たちは話し合いました。なんでこんなことが起きてしまったのか。そして活動資金を募金という形に依存しているのが問題であるという結論に至りました。10年前の、小さな田舎町の小さな動物保護団体であったなら募金を資金源にしても十分だったでしょう。しかし今の僕たちにとってはあまりにも不安定で、貧弱だ。もちろん、NPOという組織構成には何の問題もないと考えています。僕たちは利益という目的のために働くわけじゃない。でも、利益を手段として考えなければいけない段階に僕たちは既に突入しなければならないと考えています。

ホールマン: なるほど。一理ありますね。で、その利益というのはどうやって出すつもりなんですか?

ウィルソン: 種々の依頼の料金をある程度値上げするつもりです。それと…

ホールマン: それと?

ウィルソン: 動物園を開こうと思います。

[記録終了]

補遺.2267-JP.4: WWZ
WWSは自主財源の獲得を求めて、様々な活動を開始しました。まず、今まで低価格で引き受けていた異常動物の駆除などの依頼料の値上げを行いました。また、各種の企業とスポンサー契約を締結し6、資金を回収しました。そしてその資金が用いられてオレゴン州ポートランド郊外で動物園の建設が現在行われています。動物園では危険度が低く、かつ異常性がほぼ理解されている動物のみが展示される予定です。動物園の園名はウィルソンズ・ワイルドライフ・ズー(略称: WWZ)となることが現在発表されています。

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