アイテム番号: SCP-2271
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-2271は直接収容が不可能です。現在の間接的な収容の努力は、SCP-2271によって影響者と共同体に及ぼされる被害の軽減を重視しています。財団機動部隊ミュー-14 “許して忘れよ”が現在SCP-2271の収容試行を指揮しています。
SCP-2271の効果は不可逆的と考えられていますが、影響者を人口の大集団から除去・隔離することによって、集団全体が影響を受ける割合は減少することが示されています。影響者を迅速に家族から引き離してサイト-91の高セキュリティ収容施設 サイト-09の孤立収容施設に移送するため、追加の財団機動部隊が動員されています。適切なカバーストーリーとクラスB記憶処理が許可されています。
SCP-2271に影響された財団職員は例外なくKIA(任務中死亡)と見做されます。如何なる状況でも、影響を受けた事が確証された後の財団職員が、他の影響されていない財団職員に接触することがあってはなりません。要請に応じて、必要な自己終了リソースがこれらの職員に提供されます。
説明: SCP-2271は、現在アメリカ中西部の小規模な人口集団に影響を及ぼしている、あまり良く理解されていない現象です。SCP-2271は直接的には、学生ローン貸付の徴収について詳述する手紙を収めた無地の白い封筒として出現します。封筒と手紙それ自体は異常性を持ちませんが、配送手段は異常なものであるため、包括的にSCP-2271-1と分類されています。
SCP-2271は1名の個人に対して3つの異なる段階に分けて効力を発揮し、各段階はそれぞれ対象者の精神状態の退行と、SCP-2271-2個体と指定される実体群の一部による侵略的行動によって分類されます。進行段階は以下の通りです。
第1段階: 初期曝露
対象者は本人宛のSCP-2271-1を受け取ります。これは典型的には対象者が定期的に受領する郵便配送を通して行われていますが、数多くの異なる手段で届くこともあります。SCP-2271-1実例はドア下の隙間、施錠された部屋の中、衣服の中、そしてある一例では独房に監禁されていた囚人の排泄物の中から見つかったことがあります。
全SCP-2271-1実例は“ファクトリー財務管理部”という団体に言及しており、当該企業に連絡するための電話番号と住所が記載されています。今日まで、これらの番号や住所のいずれも、問題の会社や団体と提携していることを示していません。しかし、これらが小包の郵送や電話のために使用された場合、何らかの形で会社との意思疎通が成されます。小包の郵送に郵便配達員は必要とされません — 何らかの種類の住所ラベルを貼ると小包は間もなく消失します。
SCP-2271-1実例を受け取った人物は、影響を受けるうえで封筒を開ける/手紙を読む必要はありません。SCP-2271-1を受領した直後に彼らはSCP-2271-A対象者になります。
第2段階: 債務支払
報告されたケースの100%において、SCP-2271-1に封入されている手紙は、たとえ対象者が地球上の流動資産の全額を利用できたとしても決して返済できない金額の支払いを要求します。
第2段階においてSCP-2271-A対象者は一様に激しい動揺を見せ、負債を返済することに執着します。対象者は身の回りの品や資産を全て売却し始め、集めた現金を手紙に記載されている住所へ郵送するか、或いは会社に電話して信用取引を試みます。SCP-2271対象者がこれらの行動を取るのを妨害する試みは、しばしば対象者の突発的暴力を招きます。対象者は、自身が不可能な返済スケジュールを守らなければ取立代行業者によって齎される結果に直面しなければならないという言い分を積極的に維持します。
この段階中、SCP-2271-A対象者は視界の端に“素早く動く”、“濃い煙に覆われた”不明瞭な姿のヒト型実体が見えると主張し始めます。これ以外の明確な特徴は報告されていません。これらの実体をSCP-2271-2とします。
第3段階: 資産清算
影響の最終段階に入ったSCP-2271-Aは借金を返済するため、所持品の残りと見做した物を劇的な勢いで売却し始めます。この段階と前段階において、SCP-2271-A対象者は債務返済状況の最新情報を掲載した追加のSCP-2271実例を受領します。負債額が多少なりとも減じていたケースは報告されていません。
SCP-2271-A対象者は自らの物質的所持品の残り、自らの周辺人物たちの所持品、自らの歯・髪・排泄物・血液(その他の体液)、ペット、子供/配偶者/近親者1、そして最終的には — 他の選択肢がなくなった場合 — 自らの肉体の残りを出荷する様子が観察されています。この行動は対象者が死亡する、もしくは返済を続けることが不可能になるまで継続され、その後対象者は(返済が2回滞った時点で)消失します。
返済を抑止されているSCP-2271-A対象者は、かつて視界の端に留まっていたSCP-2271-2個体がより目立って脅すような雰囲気になり、独自に物品の回収を開始すると主張します。これらの主張は、対象者が自ら返済を行わない場合、対象者とその所持品が消失し始めるという観察によって裏付けられています。SCP-2271-2個体は写真には写りませんが、サーモグラフィにより、SCP-2271-2個体が近くにいるとSCP-2271-A対象者が主張する時はしばしば周辺温度が25°C近くまで急落することが確認されています。
SCP-2271-A対象者は一様にSCP-2271-2個体への恐怖心を絶えず抱いていますが、彼らがSCP-2271-2に関連付けている刺激 — 金属同士を打ち付ける音、炎、強い風、ゴムやガソリンが燃える臭いなど — を回避することは強く躊躇います。
補遺2271/1: 発見
SCP-2271現象は、ネブラスカ州██████████町の地元警察があらゆる外部団体の意思疎通試行に応じなくなった後に初めて発見されました。町に派遣された財団エージェントは、極めて生々しい暴力と争いの徴候にも拘らず、全ての住民が姿を消していることを発見しました。この調査中、領域内の廃屋を走査していた故エージェント サンドラ・マッコイによって、本人はそれと知らないままに最初のSCP-2271-1実例が発見されました。
2日後、ネブラスカ州████近郊にて、ある狂った一家族が家財を全て売り払った後に高齢の隣人に暴力を振るったという別の通報が浮上しました。財団職員が現場に到着し、対象者らを捕縛しました。SCP-2271-1と-2が分類されたのはこの事件の初期調査中です。
しかしながら財団による████占領中、一次収容チームの部隊員数名、並びに多数の町民がSCP-2271の影響を受けました。状況は間もなく収拾不可能になり、全ての影響されていない職員は5km地点の境界線まで退却して次なる指示を待つように指示されました。状況が2週間後に収束した時、全ての影響された職員は消失、死亡、もしくは返済を続行できないほどに無能力化していました。生き残った████の住民は記憶処理の後、監視のために拘留され、後日新たな身分を付与されてスペインへ移転させられました。町は██████████同様に破壊されました。
事案報告書: 2014/01/03
2014年1月3日、監督指令部は、当時SCP-2271に関連する全人物の拘留施設だったサイト-91からの救難信号を受信しました。最初の信号以降、サイト-91のスタッフは8時間にわたって応答せず、機動部隊アルファ-1 “赤の右手”が動員されました。サイト-91は遠隔地に位置していたため、MTF A-1はサイト-91が現地の核爆破装置を唐突に起動させる前に到着することができませんでした。
この出来事の後、サイト-91は現地核兵器を起爆させるわずか2分前のタイムスタンプが付いたもう1つのメッセージを送信していたことが明らかになりました。メッセージは1点のスキャン画像であり、如何なる説明も付与されていませんでした。
当該事案についての調査は未だ進行中です。