SCP-2273-JP
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SCP-2273-JP-7。一部加工済。

アイテム番号: SCP-2273-JP

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2273-JPはサイト-8193の低危険度物品収容ロッカーに収容されます。SCP-2273-JPを取り出す際にはレベル2以上の職員二名の許可が必要であり、取り出す職員には認知抵抗剤の服用が義務付けられます。

説明: SCP-2273-JPは文章が一部置換された一般的に小倉百人一首で読み札/取り札として用いられる札です。置換された文章は置換されていない文章と筆跡が一致していますが、置換自体は異常な手段で行われたものと推測されています。またSCP-2273-JPの裏面には「まっています」1と記述されています。この筆跡は置換された/されていない文章の筆跡とは異なりますが、全てのSCP-2273-JPの裏面の文字の筆跡は一致しています。SCP-2273-JPは現在43枚を財団が収容していますが、その全てにおいて改変前の文章の内容が恋に関連する内容であることは特筆すべき事項です。

SCP-2273-JPの異常性は人間がSCP-2273-JPを視認した際2に発現します。SCP-2273-JPを視認した人物(以下「曝露者」と呼称)は小沼 弘人氏を殺害しようと行動します。この際曝露者からは悲しみの情動反応が確認されます。これよりSCP-2273-JPの異常性は曝露者の情動をコントロールすることで行為を強制するものだとされています。この行為は殴打、薬剤などの手段で曝露者を失神させることで停止させることが可能です。失神から目覚めた曝露者が小沼氏を殺害しようとしたことに関する記憶を保持していた事例は確認されていません。曝露者が小沼氏の所在を知らない場合、曝露直後は小沼氏の所在を積極的に探しますが、一週間ほど経過すると意欲が薄れ、三週間ほどで完全に影響が消失します。この場合も積極的に小沼氏に関する調査を行っていた記憶は消失します。小沼氏は現在[編集済]3にて収容されています。

以下はSCP-2273-JPに記述されている改変された内容の抜粋です。SCP-2273-JPに記述されている文章は全て平仮名であり、漢字で記載されている下段には推測が含まれていることに留意してください。SCP-2273-JPの異常性は文章形式異常4でないため、記述による異常被害は無いことが実証されています。

識別番号: -11
改変前の内容: わすらるる みをばおもはず ちかひてし ひとのいのちの をしくもあるかな
(忘らるる 身をば思はず ちかひてし 人の命の をしくもあるかな)
改変後の内容: わすらるる みをばおもはず ちかひてし いつかなむじも ここにくるより
(忘らるる 身をば思はず ちかひてし いつかなむじも 此処に来るより)

識別番号: -14
改変前の内容: こひすてふ わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもひそめしか
(恋すてふ わが名はまだき たちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか)
改変後の内容: こひすてふ わがなはまだき たちにけり ししてなおまだ ひろがりにけり
(恋すてふ わが名はまだき たちにけり 死してなおまだ 広がりにけり)

識別番号: -19
改変前の内容: ゆらのとを わたるふなびと かぢをたえ ゆくへもしらぬ こひのみちかな
(由良の門を わたる舟人 かぢをたえ ゆくへも知らぬ 恋の道かな)
改変後の内容: ゆらのとを わたるふなびと かぢをたえ しせどわからぬ こひのみちかな
(由良の門を わたる舟人 かぢをたえ 死せど分からぬ 恋の道かな)

識別番号: -34
改変前の内容: せをはやみ いわにせかるる たきがはの われてもすゑに あはむとぞおもふ
(瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ)
改変後の内容: せをはやみ いわにせかるる さんずがは われてもすゑに あはむとぞおもふ
(瀬をはやみ 岩にせかるる 三途川 われても末に あはむとぞ思ふ)

SCP-2273-JPに曝露した人物の一部は曝露してから意識を失う5までの間に不明な人物の声が聞こえたと証言します。この声の傾向として証言されるのは暴露者ごとに異なりますが、いずれも詳細な内容を記憶していません。現在までに実験に用いられたDクラス2名及び曝露した民間人一名が証言しており、複数の検査の結果が証言が虚偽のものではないことを証明しています。この記憶が保持される理由は不明です。

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文言の意味は不明。

上の画像はSCP-2273-JPに曝露した一般人である磯谷 洋氏の自宅から発見されたメモ書きです。磯谷氏は一般人としては唯一声が聞こえた旨の供述をする曝露者です。磯谷氏はこのメモ書きを「声を聞いて書いた」ものとしていますが、磯谷氏はメモ書きを閲覧した場合も声の詳細な内容を思い出せません。磯谷氏は声を若い女性の声と形容しています。

以下は小沼氏に対して行われたインタビューの記録です。

インタビュー記録2273-JP-1

インタビュアー: エージェント・有馬

対象者: 小沼氏

<記録開始>

エージェント・有馬: それでは、インタビューを開始させていただきます。

小沼氏: よろしくお願いします。

エージェント・有馬: 早速ですが、あの異常な百人一首の札について、何か知っていることはあるでしょうか。

小沼氏: いや。あなた方に教えてもらった性質以外知っていることはありません。

エージェント・有馬: そうですか。確定していなくても良いので、何か心当たりなどは無いでしょうか。

小沼氏: あー。推測ですが、村の人たちが関わっている様な気がします。

エージェント・有馬: ほう。それはどうしてですか?

小沼氏: はい。僕の住んでた██村って、やけに閉鎖的なんですよ。土地は割と広いのに、狭苦しく感じるような。村の中で勝手にその人のイメージが決められて、それに誰かが異を唱えても聞いてもらえないんです。

エージェント・有馬: はい。

小沼氏: だから僕は早く██村から出たかったんです。そのために必死に勉強して、都心の大学に行きました。村の人たちはその時は笑うだけで何も言わなかったので、それで良いと思っていました。今になって村のことを考えろなんて言う人たちも割といますが。

エージェント・有馬: あの村のことについては良く分かりました。それで、██村とあの百人一首にどのような関係があるのでしょうか。

小沼氏: その札のことを聞くと、村の人のこと思い出すんです。本人たちが僕のことを思ってだの愛だの言っているあの歪んだ何かを思い出すんです。

エージェント・有馬: 愛、ですか?

小沼氏: 本人たちはそう言っていますが、私からすると鬱陶しいだけですがね。

エージェント・有馬: あなたを殺そうとしているのに、愛であると?

小沼氏: 彼らからするとそうなのでしょう。

<記録終了>

終了報告書: このインタビュー後、██村の住民全員に対し聞き取り調査が行われましたがSCP-2273-JPの起源に関連する人物は発見されませんでした。

補遺: ██村にて、SCP-2273-JPと類似した性質を持つ異常存在が複数発見されています。これらの発見によりSCP-2273-JPには██村の住民以外の明確な起源が存在すると考えられています。関連物品の出現場所は現状██村に限られていますが、その不確定性の高さからSCP-2273-JP及び関連オブジェクトのオブジェクトクラスはEuclidに再分類され、██村には監視要員として常時認知抵抗剤を持ったエージェント1名以上が配置されることが決定されました。██村から住民を退避させる試みはSCP-2273-JPの異常性の変化を招く可能性があるとして凍結されています。関連オブジェクト群に共通する点は以下の通りです。

・視認した場合小沼氏を殺害しようと行動する。
・SCP-2273-JPの裏面の文字と同じ筆跡で文字が記載されている。

以下は関連オブジェクト群の一覧です。

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SCP-2273-JP-A群。一部加工済。

採番: SCP-2273-JP-A-1~6

内容: ██村のレストランにて発見されたスプーン/フォーク/ナイフ。柄の部分の模様を視認すると小沼氏を殺害しようと行動する。この際曝露者からは同情の情動反応が確認される。

文字: 全てにおいて柄の部分に「きてください」と記述されている。

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SCP-2273-JP-B-9。一部加工済。

採番: SCP-2273-JP-B-1~17

内容: ██村の公園に群生していた植物群。花を視認すると小沼氏を殺害しようと行動する。この際曝露者からは怒りの情動反応が確認される。

文字: 全てにおいてがくに「はやく」と記述されている。

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SCP-2273-JP-27。加工済。

採番: SCP-2273-JP-C-1~24

内容: ██村のポスト全て。視認すると小沼氏を殺害しようと行動する。この際曝露者からは憎しみの情動反応が確認される。

文字: 全てにおいて内部に「じごくに[判読不能]」と記述されている。

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異常性を保持しないSCP-2273-JP-Dの写真。異常性を獲得する前に撮影されたものと推測されている。

採番: SCP-2273-JP-D

内容: 磯谷氏の勤務していた神社の鳥居。視認すると小沼氏を殺害しようと行動する。この際曝露者からは全ての情動反応が消失する。

文字: 鳥居の柱部分に「ころしてやる」と記述されている。

また、関連オブジェクトが出現を開始してから小沼氏は軽度の鬱傾向を示すようになりました。小沼氏は「陰口を言われている」「愛ですらない」旨の供述をしており、これがオブジェクトの未知の性質によるものか本人の精神状態の悪化による妄執かは判明していません。

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