SCP-2288
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特別収容プロトコル: SCP-2288はサイト-███((: 収容プロトコルの補遺を参照))の特殊居住空間に収容します。この部屋にはクッション入りの壁を配備し、天井には吸入麻酔薬の導入を可能にするため2ヶ所に通気口を設けます。対象には寝具・ソフトカバー本の形式を取っている読み物・防護カバー付きで壁にボルト止めされたテレビが提供されています。凶器として使用不可能な軟化材料で作られた特殊なリモコンが提供されます。

対象は常に監視します。SCP-2288-A実例が出現し始めた場合、SCP-2288および/またはSCP-2288-Aの生存している実例が無力化されるまで、セボフルランおよびデスフルラン麻酔薬を収容室内に放出します。この場合、SCP-2288-A生存実例は終了し、SCP-2288は収容室が修復されるまで麻酔下に保ちます。収容違反のリスクがあるため、SCP-2288を必要以上に長期間の麻酔下に置くことは出来ません。

SCP-2288には、器具の使用を必要としない持ち運びの容易な食事が1日3回提供されます。提供される食物・飲料は1人分に適切な量を維持します。SCP-2288は食事を終えるのを監視されるべきであり、食料を貯め込むことや、1日に500mL容器1個以外から水を飲むことは許可されません。

SCP-2288-A死亡実例は禁制品を所持していないかどうかスキャンした後、現地の遺体保管所に配置します。SCP-2288-A実例がSCP-2288やその他の人物に生物学的、放射線学的、もしくは異常な脅威を齎す場合、その実例は標準的な解剖および/または毒物学的報告が行われた後に焼却します。

補遺: 2014/08/21現在、SCP-2288はサイト-299に再配置されています。サイト-███はNK-クラスシナリオを阻止するため、継続的な大規模死体処分プロセスの対象となっています。関連する詳細は、現地に割り当てられた職員に制限されています。

説明: SCP-2288はかつて████████大学の学生だった19歳の白人女性であり、生命が脅かされる状況下において、死亡した自身の複製体を出現させる能力を持ちます。SCP-2288のコピー(SCP-2288-A)は、出現当初はSCP-2288と同じ時間・空間的位置を占めているように思われ、SCP-2288の位置が動くと分離します。また、SCP-2288-A実例は、SCP-2288が接触した可能性のある無生物オブジェクトのコピーを所持していることがあります。この時複製されるオブジェクトは、最後にSCP-2288が触れてから推定12~18分経過したと見做されている物品です。複製されたオブジェクトは異常ではなく、あらゆる点で“オリジナル”と同一であることが判明しました。

SCP-2288にはこれら複製体の出現を己の意思で制御している様子が無く、複製体の出現は対象の命を危険に曝す物理的刺激が関連しているようです。SCP-2288の全面的な協力や追従にも拘らず、現時点では対象の異常効果停止を確実なものとする手法は存在していません。

この異常特性はまず、SCP-2288が大学キャンパス内で重傷を負い、他の学生が対象を助けて場所を移動させようとした際にSCP-2288-A実例が出現したことによって発見されました。地元当局に通報が入り、事件は警察に潜入していた財団エージェントの注意を引きました。治療を受けた後、SCP-2288は財団の拘留下に置かれ、記憶処理が学生や教職員に施されました。SCP-2288は激しく動揺しており、自らの異常特性に関する知識は持っていないと主張しました。

収容中、SCP-2288は財団職員に抵抗し始め、拘束のために武力行使を必要としました。対象は重傷を負ったままで乱闘をしていたため、医師の診察が必要となりました。治療中、SCP-2288-A実例が対象から出現しました。解剖の結果、SCP-2288-A実例はSCP-2288が負ったものと同一の傷を有しており、SCP-2288-Aの場合はそれが致命傷になっていたと断定されました。これ以降のSCP-2288-A実例も引き続きSCP-2288が負った外傷と同一の負傷痕を帯びており、かつその傷は複製体にとっては致命的なものです。

SCP-2288-A死亡実例に対して実施された検死は、実例の出現元や、SCP-2288自身と矛盾する異常な特徴を特定できませんでした。SCP-2288-A実例は遺伝的および肉体的にSCP-2288と同一であることが示されています。傷跡や長引く怪我は、複製時のSCP-2288と一致する形式で、SCP-2288-A実例の身体にも蓄積されます。

実験ログ: 数名の研究者(公式報告書には名前を掲載しません)は懸念を表明したものの、以下の点を判定するためにSCP-2288へ一連の実験を行う許可が下りました。

  • 対象がその異常効果を直接的に制御しているか否か。
  • 対象がその異常効果を間接的に制御しているか否か(例として、SCP-2288-A実例を出現させるために自傷行為を行うなど)。
  • 対象が無生物オブジェクトだけを出現させることができるか否か。
  • —生存しているSCP-2288-A 実例が出現するか否か。 — 決定的結果は得られず

実験-01: SCP-2288は肉体的に収容室内で拘束され、続く6時間はそのままで放置された。対象は食物を与えられ、テレビを視聴することが許可された。スケジュールが4日間継続した後、対象は非協力的になったため強制的に鎮静され、特に問題なく9日間続けられた。対象はその後解放され、治療を受けた。
予後: SCP-2288-A実例は実験終了後に出現。死後硬直と変色から、死亡したのは実験終了の6~18時間前であると示された。SCP-2288は痛みと痺れを訴えているが、実験中のどの段階においても死の危機に瀕してはいない。

実験-02: SCP-2288に██████社製の防弾チョッキを装備させ、██████9mm拳銃で狙撃。対象は地面に倒れ、痛みに悲鳴を上げた。SCP-2288-A実例は出現せず。命中地点からは対象のものと断定された血液が発見されたが、対象の皮膚に貫通痕は発見されなかった。
予後: 対象は胸と尾骨に打撲傷を受けた。医療処置中にSCP-2288-A実例が出現。対象は完全に回復する見通し。

実験-03: SCP-2288を医学的昏睡状態に置き、注意深く監視。[データ削除]。浄化の試みが数週間続いた。医療棟へのダメージは██,███件と見積もられている。
予後: 対象は、更なる人材の損失を招くことなく、大量の死体の中から回収された。

実験-04: SCP-2288にヒ素を定量投与し、監視。対象は急性ヒ素中毒の兆候を示し、即座に治療を受けた。対象が容器に嘔吐しようと横を向いた際、明らかに窒息死したSCP-2288-A実例が出現した。キレーション療法によって対象の容態が安定するまでに██体の実例が出現した。
予後: 出現し続けるSCP-2288-A実例が拘束された対象を圧迫し、手術台を転倒させかねない状態になったため、対象の容体安定までには若干の困難を伴った。対象は職員によって直立させられ、実例が対象を圧迫することなく倒れるようにした。

実験はこの時点で終了した。

補遺-1: 2014/██/██、以前の例と異なり、民間の服を着てリュックサックを背負った、生きているSCP-2288-A実例が出現しました。生存実例は自らの周辺状況を認識しておらず、攻撃的になったため、物理的に拘束されました。

生存実例(SCP-2288-Bと再分類)の健康診断では、これまで回収された過去の実例に一致する肉体的外傷の痕が見られませんでした。対象のリュックからは教科書と筆記用具、個人的[編集済]、対象の名前と現在の学年を明記した████████大学の学生証が発見されました。

SCP-2288-BはオリジナルのSCP-2288と同じ能力を見せることから、心理的健康を確保するためにSCP-2288と共同で収容・居住させることになりました。対象間の全ての会話は監視し、今後の娯楽機器の要求は、更なる追従や模範的行動を考慮しつつ、より前向きに検討すべきです。

SCP-2288-Bのリュックから回収されたアイテムのリストには以下が含まれています。

  • [編集済]から出版された歴史の教科書2冊、第6版。
  • ファイブ・サブジェクト・ノート1、1冊。各分割には異なるクラスのシラバスが含まれていた。クラス名はそれぞれ“1650年までの世界史”、“熱力学概要”、“車輪の再発明”(絶版)、“紅き龍: 1644年から今日までの清帝国”、“流血と女と無法者: 西ヨーロッパにおける中世の生活”。
  • おそらくSCP-2288-Bによる、“アナ”宛の手書きの手紙。

補遺-2: 2014/08/21、SCP-2288-BはSCP-2288との話し合いを要求し、許可されました。会話中、SCP-2288-Bは自身の死亡したコピーを出現させ始めました。SCP-2288はこの状況を利用し、SCP-2288-Bに暴行を加えて殺害しました。本体の死亡にも拘らず、SCP-2288-Bの死亡実例は死体から出現し続けました。死体が積み重なっていく問題の階層は一時的に避難措置が取られました。2014/██/██現在、SCP-2288-B本体は回収されておらず、全ての職員とSCP-2288は近くのサイト-299に再配置されています。復旧チームによるサイト-███でのSCP-2288-B死体の捜索活動が続けられています。SCP-2288の尋問の一部が添付されています。

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