SCP-2306-JP
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アイテム番号: SCP-2306-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2306-JPはサイト-8123の低危険度中型生物収容チェンバーに収容されます。D-8111を用いて、一日あたり300gの内容物の空いたアルミ缶、スチール缶またはペットボトル(以下、飲料容器と呼称)を餌として与えます。D-8111には、要望に応じてペット用玩具が支給されます。

説明: SCP-2306-JPは████社製の飲料容器回収用ゴミ箱に酷似した外見を持つ知的生命体です。正面上部に2つの穴が水平に並んで開いており、左側の穴下部には「ペットボトル」、右側の穴下部には「カン」とそれぞれのイラストとともに表記されています。現在まで1体のみが確認されていますが、未収容の個体が存在するのかは不明です。

SCP-2306-JPはヒト(学名:Homo sapience)の6歳児と同程度の知性を持つと推定されます。ゴミ箱の蓋にあたる部分(以下、頭部と呼称)上部に空いた2つの穴から視覚的情報を得ていると考えられています。収容以前、SCP-2306-JPはヒトに視認されている状態で行動することを避けていたと考えられていますが、収容後財団職員に対してそのような様子は確認されていません。

SCP-2306-JPはヒトに対して友好的であり、よくみられる行動として、体を伸縮させながら飛び跳ねることによる移動や、頭部をヒトへこすりつけるようなしぐさ、初めて見るものに対して頭部を左右に曲げ首をかしげるような行動などが挙げられます。アルミ缶、スチール缶を右側の穴から投入されること、またペットボトルを左側の穴から投入されることには好意的な反応を示す一方、ペットボトルの右側の穴からの投入や、アルミ缶、スチール缶の左側の穴からの投入、またその他の可燃ごみや不燃ごみ等本来投入されることを想定されていないごみの投入に対しては嫌悪や怒りを感じたような行動をとり、投入を試みると頭部を激しく振って抵抗し、投入を試みた者へ頭部を用い、頭突きのように攻撃しました。

SCP-2306-JPの内部を観測するあらゆる試みは失敗に終わっていますが、投入した飲料容器については一日あたり約300gを、消化に似たプロセスでエネルギーへ変換していると考えられています。

2017年7月23日、静岡県██市において、警察に「奇妙に動き回るゴミ箱が人に危害を加えている」という通報がされ、当時付近をパトロールしていたエージェント・堺に捜索が命じられました。通報から10分後、特定の人物を追い回し、執拗に頭突きを行うSCP-2306-JPが発見され、収容に至りました。その後行われたインタビューで、その人物が誤ってペットボトルをカン専用の穴から投入しようとしていたことが確認されました。関係者にはBクラス記憶処理がなされ、カバーストーリー「悪質 YouTuberのドッキリ企画」が適用されました。

以下はSCP-2306-JPに対して行われた実験記録の抜粋です。

実験記録2306-01 - 日付2017/██/██

対象: SCP-2306-JP
実施方法: D-8111を用いてアルミ缶をアルミ専用の穴からSCP-2306-JPへ投入し、反応を観察する。
結果: SCP-2306-JPは数度その場で飛び跳ねたのち、D-8111のそばへ近づき、頭部をD-8111の腹部へ押し当てる。D-8111が頭部をなでると、SCP-2306-JPは好意的な反応を返した。
終了報告書: D-8111は引き続きSCP-2306-JPの実験に参加することを実験チームに要請し、SCP-2306-JPとの友好さから許可されました。

実験記録2306-05 - 日付2017/██/██

対象: SCP-2306-JP
実施方法: 前回の実験で判明した、飲料容器を投入されることへの執着を利用し、SCP-2306-JPの身体能力を測定する。
結果: SCP-2306-JPは収容チャンバーに入ったD-8111を認識すると、その場で回転しながら3度飛び上がった後、D-8111の頭へ飛び乗った。あらかじめD-8111に支給していた空のペットボトルを投げさせると、SCP-2306-JPはペットボトルを追いかけ、体で蹴りながらペットボトルをD-8111の元へ運び、頭部をD-8111へ向けた。この際の最高速度は時速20kmに達した。
終了報告書: SCP-2306-JPは明らかにD-8111を認識しており、友好的な関係を築いている。実験後、D-8111はSCP-2306-JPと意思疎通が出来るようになったと報告しました。

実験記録2306-08 - 日付2017/██/██

対象: SCP-2306-JP
実施方法: D-8111に、アルミ缶をSCP-2306-JPのペットボトル専用の穴へ投入し、反応を観察する。
結果: D-8111はアルミ缶を投入しようと試みるが、SCP-2306-JPは頭をのけぞらせるように体を伸縮させながら頭を左右に振って抵抗し、その後も投入を試みるとD-8111から逃走した。SCP-2306-JPを追いかけるよう指示したが、D-8111がこれ以上の実験を拒んだため、実験は中断された。
終了報告書: SCP-2306-JPが確保された際のような行動をD-8111に対して取らなかった点は特筆すべきです。D-8111は、SCP-2306-JPはペットボトルとカンの分別を行うことに誇りを持っているように感じたと報告しました。SCP-2306-JPの睡眠中に投入を試みる実験も計画されていましたが、D-8111の反対及び今回の実験結果を受け凍結されました。

事案2306-JP-01: 2018年██月██日、D-8111が特別収容プロトコルに基づきSCP-2306-JPへ給餌を行っていた際、SCP-2306-JPとの会話を試みたところ、突如SCP-2306-JPが一切の行動をとらなくなりました。

以下はチャンバー内の監視カメラに記録された映像及び音声の書き起こしです。

映像記録2306-JP-01-日付-2018/██/██


<記録開始>

D-8111: よう、ぴょん吉!(SCP-2306-JPの意)

[SCP-2306-JPは収容チャンバーの扉の前でD-8111を待っており、D-8111が現れると、喜んだ様子でチャンバー内を一周跳ね回って戻ってくる。]

D-8111: 元気かどうかは聞くまでもなさそうだな。

[D-8111は左手に持ったビニール袋から飲料容器を取り出し、ペットボトルとカンを区別しながらSCP-2306-JPに投入する。SCP-2306-JPは体を左右に揺らしながら頭部を上に向け、全ての飲料容器を投入し終わるのを待っている。]

D-8111: なあ、ぴょん吉。そういえばこの前研究員さんが話してるのを聞いたんだが、

[D-8111は投入を中断し、話すことを躊躇うような様子を見せる。SCP-2306-JPは頭部を右に曲げながら、2つの穴はD-8111へ向ける。]

D-8111: あー、その、お前のペットボトルとかカンとかで分かれてる穴、実は中でつながってるんだってよ。だったら最初から分けなければいいのにな。

[SCP-2306-JPは数秒動きを止めたのち、頭部を元の位置に戻すと、ゆっくりと後ろに倒れる。]

D-8111: おい、ぴょん吉?なあ、どうしたんだ!?

<記録終了>

この後、SCP-2306-JPは数時間倒れた状態でいた後、立ち上がって扉と反対の壁へ移動すると、壁の方を向き頭部を少し垂れたまま一切の行動をとらなくなりました。正面を壁の方へ向けていたためそのままでは餌を与えることができず、壁からのひきはがしを試みましたが、SCP-2306-JPは最大████kNにも及ぶ力で抵抗し、失敗に終わりました。

D-8111の処分については協議中です。下記の成果を鑑み、雇用継続となりました。

事案2306-JP-01から3日後、D-8111がSCP-2306-JPとのコミュニケーションを試みたいと研究チームに要請し、チームの6割の賛成により許可されました。

以下はチャンバー内の監視カメラに記録された映像及び音声の書き起こしです。

映像記録2306-JP-02-日付-2018/██/██


<記録開始>

[D-8111が収容チャンバー内に入る。向かいの壁には、SCP-2306-JPが壁側を向いている。]

[3分間の沈黙]

D-8111: ぴょん吉。

[SCP-2306-JPは如何なる反応も示さない。]

D-8111: なあ、ぴょん吉。分かるよ、お前の気持ち。今まで正しいと思ってきたものが裏切られるって、すごくこう、来るものがあるよな。

[D-8111がSCP-2306-JPに数歩歩み寄る。SCP-2306-JPは如何なる反応も示さない。]

D-8111: 俺もそうだった。今まで平和に住んできた世界が、実は誰かによって守られた世界だったんだと知ったときは、さすがの俺も呆然としたさ。しかも今度は守る側の特攻隊長になって、今まで見たこともないような奴らの相手をしなきゃならなくなった。

[SCP-2306-JPが頭部をゆっくりと上げる。]

D-8111: でも、俺は受け入れることにしたよ。受け入れたうえで、自分のできることをしようと思った。考えようによりゃあ、俺は世界を脅威から守るヒーローだってな。はは、かっこいいだろ?

[D-8111はSCP-2306-JPの背面を見つめている。]

D-8111: それに、聞いたところによると、この間の話には続きがあってよ。入口が分かれてるのはゴミを捨てる人に分別の意識を持ってもらうためなんだと。今までお前がやってきたことは無駄じゃなかった。ゴミを捨ててもらうだけで十分役に立ってたんだ。[10秒の沈黙]だからよ、今までみたいに一緒に遊ぼうぜ?ほんとはお前も、ペットボトルとかカンとか誰かに捨ててほしいんじゃないか?

[SCP-2306-JPがD-8111に向かって走り寄る]

<記録終了>

以降、SCP-2306-JPは事案2306-JP-01以前と同様の状態へと復帰しました。

追記: 事案2306-JP-01から1か月後、D-8111がSCP-2306-JPに、一般的にゴミ箱は左側の穴がカン専用で、右側がペットボトル専用だと誤った情報を伝えたところ、翌日の給餌の際、頭部を下に、体を上にし、上下逆向きで過ごしているSCP-2306-JPの姿が確認されました。D-8111が冗談であることを伝えると、SCP-2306-JPはD-8111の頭部に向け、時速4█kmまで急激に加速した体底面を衝突させました。これによりD-8111は頸椎捻挫を発症し、回復までは██博士が給餌を行いました。

追記2: 以降、SCP-2306-JPが体底面を衝突させる際、腹部を目標とするようになりました。

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