SCP-2309-JP
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収容前の旧██高等学校敷地

アイテム番号: SCP-2309-JP

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized

特別収容プロトコル: 現在、SCP-2309-JP・SCP-2309-JP-C群の存在は確認することができず、SCP-2309-JP-A、SCP-2309-JP-B群に指定されていた人物にも異常な点は確認されていません。特殊なSCP-2309-JP-C個体に関する調査は継続して行われていますが、現在までに有力な情報はほぼ入手できておらず、2021/3/31に調査は中止される予定です。中止されました。流布していたカバーストーリー通り、旧██高等学校1の校舎を多目的施設に改装し、財団フロント企業で運営する計画については現在協議中です。

説明: SCP-2309-JPは、██県███市に位置する旧██高等学校の正門または裏門を、旧██高等学校の敷地外から通過することで侵入が可能な異常空間です。SCP-2309-JP内には現実世界と相似した空間が広がっていますが、不明な原理により旧██高等学校の敷地外にあたる領域への侵入は不可能です。侵入者はSCP-2309-JP内の正門・裏門を通過することで本来の世界に帰還することが可能ですが、その際、SCP-2309-JP内に元から存在していた物品を持ち出す試みはすべて失敗しています。

SCP-2309-JP内に存在する旧██高等学校の設備は、廃校となる以前の十分に整備された外観を有しています。また、それらが劣化する兆候は見られていません。SCP-2309-JP内に存在するいくつかの物品や、SCP-2309-JP-A、SCP-2309-JP-B群の証言は、SCP-2309-JP内では2009/4/1から2010/3/31が繰り返されていることを示唆しています。

SCP-2309-JP-Aは、戸籍上は十河 道幸(Sogou Michiyuki)と記録されている日本人男性で、現実改変能力者です。SCP-2309-JPは、SCP-2309-JP-Aの現実改変能力によって生成・保持されていると考えられています。SCP-2309-JP-Aは、クラスAに相当する現実改変能力者であると推測されていますが、その能力の影響が及ぶ範囲は一部の例外を除き、SCP-2309-JP内のみです。SCP-2309-JP保護の観点からSCP-2309-JP-Aの終了計画は恒久的に保留されています。

SCP-2309-JP-Aは旧██高等学校の平成21年度卒業生であり、2010/4/1以降行方不明とされていましたが、調査により、SCP-2309-JP内で常に生活していたことが判明しました。現在まで、SCP-2309-JP-AがSCP-2309-JPから帰還を試みようとする様子は確認されていません。

SCP-2309-JP-Bは、SCP-2309-JP内に滞在している人物群です。SCP-2309-JP-Bは、高等学校からの卒業を経験している点、卒業式に出席した翌月の4/1に行方不明となっている点が共通しています。SCP-2309-JP-Bは全員、SCP-2309-JP-Aの現実改変能力によってSCP-2309-JP内に転移したものと推測されています。

SCP-2309-JP-Bは、SCP-2309-JP内に侵入した通常の人物と同様に本来の世界へ帰還することが可能です。しかしその際、「SCP-2309-JP-BがSCP-2309-JP内に滞在していた」という事実が、「SCP-2309-JP-Bはずっと本来の世界で通常の生活を送っており、行方不明にもなっていない」と改変される過去改変プロセスを経ることが確認されています。そのため、SCP-2309-JP-Bは本来の世界に帰還する際、自身がSCP-2309-JP内に転移する直前に存在していた時間・場所に出現すると推測されています。また、帰還したSCP-2309-JP-Bは、上記の過去改変の影響によりSCP-2309-JPに関する記憶を保持しておらず、異常性も一切確認されません。

SCP-2309-JP-Cは、SCP-2309-JP-Aが現実改変能力によって生成した、SCP-2309-JP内に存在する人型実体群です。SCP-2309-JP-Cの容姿・性格・記憶・行動は、旧██高等学校の歴代卒業生の学生時代のものか、過去に旧██高等学校に勤務していた教師のものを模していることが確認されています。

SCP-2309-JP-Bの退去などによってSCP-2309-JP内のSCP-2309-JP-A・B・Cの総数が、教師としての役割を担うSCP-2309-JP-Cを除き910人未満になると、新規のSCP-2309-JP-Cが即座に生成されます。この人数は旧██高等学校の生徒数が最多であった年度の生徒数と一致していますが、詳細は不明です。

SCP-2309-JP-A・B・Cは、老化の兆候を一切見せず、SCP-2309-JP-A・Bは、SCP-2309-JPに転移した当時と同様の容姿・身体機能を有しています。

追記: SCP-2309-JPの起源に関する情報を有していると推測されている、特殊なSCP-2309-JP-C個体(暫定)の存在が確認されました。詳細については、2020/4/1に回収されたSCP-2309-JP内監視記録を閲覧してください。

発見ログ: SCP-2309-JPは、2017/10/24に、旧██高等学校付近でのヒューム値の中規模な変動・それに伴う、現実改変現象3の多発・校舎内の空間のSCP-2309-JPへの接続が観測されたことによって発見されました。2007年頃から2010年頃まで、旧██高等学校付近ではヒューム値の微細な変動が観測されており、定期的な調査が行われていましたが、明確な異常性はこれまで確認されていませんでした。

上記の異常現象は、SCP-2309-JPの存在が希薄になり、現実世界と同化しかけたことによって発生した現象です。SCP-2309-JP-A・Bの証言から、この現象の原因としては、2017/10/16に発生した台風第21号による、現実世界の旧██高等学校校舎の一部倒壊が挙げられています。このことから、SCP-2309-JPの存在の成立にはSCP-2309-JP-Aの現実改変能力のみでなく、旧██高等学校校舎の存在も深く関連していると考えられています。

SCP-2309-JP発見後、財団はSCP-2309-JP-A・Bと協議を行い、

  • 財団が旧██高等学校校舎の補修・保全を行い、SCP-2309-JPの存在を保護する。
  • その見返りとして、SCP-2309-JP-Aは、SCP-2309-JPへの侵入口を常に開放し、財団がSCP-2309-JP内の調査を行えるようにする。
  • SCP-2309-JP-A・Bの精神衛生のため、財団がSCP-2309-JPの調査を行うのは、緊急事態時を除き、週1回まで。

といった協定を結びました。しかし、SCP-2309-JPに関連する異常、特にSCP-2309-JP-Aによる現実改変の影響の円滑な調査のため、財団は長時間駆動可能な小型監視機器をSCP-2309-JP内の24箇所に秘密裏に設置しています。

以下は、旧██高等学校校舎補修工事後、SCP-2309-JPについてSCP-2309-JP-Aに行なわれたインタビューの記録です。

補遺: 2020/4/1以降、SCP-2309-JPの存在が確認できなくなり、侵入が不可能となりました。また、SCP-2309-JP-AとSCP-2309-JP-Bの全てがSCP-2309-JP外に退出したことが確認されました。様々な調査により、SCP-2309-JP-Aの現実改変能力は消失しており、全てのSCP-2309-JP-Bと同様に、SCP-2309-JPに関する記憶も消失していることが判明しています。SCP-2309-JP-Aには3ヵ月の監視期間が設けられましたが、その間、異常な点は一切確認されなかった為、一般社会に解放されています。これによりSCP-2309-JPに関連する異常な存在は全て消失したと見なされ、オブジェクトクラスはNeutralizedに修正されました。

以下は、SCP-2309-JPが消失した経緯に関連していると考えられているSCP-2309-JP内の監視記録の抜粋と、SCP-2309-JP消失後、2020/4/6にSCP-2309-JP-Aに行なわれたインタビューの記録です。

文書:2309-JP/監視記録の抜粋を閲覧する。

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