SCP-2318
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アイテム番号: SCP-2318

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2318は常に、サイト-17の確保済アイテム保管ユニットにある、一般的なゴルフボール用展示ケースに収容されます。SCP-2318割当のサイト職員1名が6時間ごとに当該オブジェクトを点検します。SCP-2318が展示ケース内に見当たらない場合、発見・回収のために、ダンリービーおよびマクラーレン主任研究員に即時報告してください。

説明: SCP-2318は、2011年初頭に製造された、カスタムモデルのナイキ社製トーナメント規格1ゴルフボールです。外層の材質分析で、表面構造は標準的なゴルフボールのそれと同一だと断定されました。しかしながら、内核は約25 dBaで可聴域のホワイトノイズを発し続ける未知の材質で構成されています。SCP-2318は初期回収以来、新品同様の状態を維持しています。消失した場合の回収を支援するため、財団はSCP-2318に微細な追跡装置を埋め込みました。

人間が製造元不問のゴルフクラブを使ってSCP-2318を打った場合2、SCP-2318は地球上の何処か1ヶ所を目掛けて即座に発射されます。SCP-2318を打った人物が最後に想起していた場所と、SCP-2318が着地する場所は、完璧な精度で同一だと断定されています。一旦打たれたSCP-2318を止める事は不可能であり、必要であれば目的地へ到達するために物理法則に違反します(事案記録2318-1参照)。

注: 2013/01/29現在、SCP-2318の更なる実験には、主任研究者ダンリービーとマクラーレンからの管理者承認が必要です。

SCP-2318は2012/06/14、毎年恒例の全米オープンゴルフトーナメントにおいて、アメリカ人ゴルファーのタイガー・ウッズがトーナメント第8ホールで“ホールインワン”を得点した際に財団の注目を集めました。このショットは極めて稀なスポーツイベントに対する標準的な財団の解析を受け、ウッズの当該ショットは統計的にありえないことが発覚しました ― ウッズのスイングの角度とパワーに加え、ショット時の風速を組み合わせると、財団研究者による[編集済]回のシミュレーション試行でもホールインワンの起こり得る可能性は導き出せませんでした。トーナメント終了後、ウッズは財団職員によって拘留され、オブジェクトに関する知識があるか否かを断定するためのポリグラフ検査が実施されました。尋問開始から14時間後、ウッズは、自身の主要スポンサーであるナイキ社のために働いていると主張する人々の一団から問題のゴルフボールを譲り渡され、これによって“[彼の]栄光を保つ”ことができるだろうと伝えられたことを認めました。ウッズにはクラスC記憶処理が施されました。ナイキ社に潜入している財団エージェントはSCP-2318の原点を発見する使命を帯びています。現在までに得られた情報は補遺2318-Aに記載されています。

事案記録2318-1: 2013/01/26、SCP-2318の性能テスト中、研究員らは対象が物理法則に違反していることを発見しました。SCP-2318は封鎖状態にあるファルハーン博士の部屋の内部で打たれ、この間ファルハーン博士は実験エリアから4.7km離れたサイト-17の駐車場を思い描くように指示されていました。SCP-2318は壁に命中するまでは予想通りの軌道を描いたものの、その後、厚さ2mのコンクリート壁・漆喰および木壁の層・鉄筋・ポリカーボネイト製防弾ガラス・ケイン博士の胴体左上部3など6種類の異なる材質を貫いて飛行し続けました。SCP-2318が各材質を通過した軌道上にはゴルフボールサイズの穴が残され、また速度は突破した材質に関係なく当初の予想を維持していました。

補遺2318-A: 以下は、オレゴン州ビーバートンのナイキ本社に潜入している財団職員の、特筆に値する経験を全てまとめたものです。研究はまだ進行中です。

イベント-A:

日時: 2013/07/06
関与した職員: エージェント█████、高位管理職。
事案概要: エージェント█████は、ナイキ社が有しているタイガー・ウッズとSCP-2318についてのあらゆる情報を見つけ出すように指示されていました。会社のアーカイブを精査していたエージェント█████は、SCP-2318が“完全無欠の”スポーツ用品の製造ラインを作成するための全社的な事業の一部であることを発見しました。全ての収集された情報に基づくと、SCP-2318はこのラインからリリースされた唯一の製品です。

イベント-B:

日時: 09/23/2013
関与した職員: エージェント██、製品デザインエンジニア。
事案概要: エージェント██はSCP-2318の作成に関する情報を回収する使命を帯びました。施設をくまなく探索する中、エージェント██は“[編集済]”というラベルが貼られた扉と遭遇し、開けるように指示されました。扉を開けたエージェント██は、約165 dBaの音響ホワイトノイズを伴う、推定500,000ルーメンの発光に直面しました。全ての記録装置は即座に機能を停止しました。イベント-B以降、財団はエージェント██と再度接触できていません。

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