SCP-2321-JP
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SNSに投稿されたSCP-2321-JP-Aの写真

アイテム番号: SCP-2321-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 新たに回収されたSCP-2321-JP-Aはサイト-8197に収容されます。インターネット上にてSCP-2321-JP-Aに関する言及と思われる投稿が確認された場合、ただちに投稿者の特定を行い、回収班によるオブジェクトの回収および関係者へのインタビュー、記憶処理が行われます。

追記(2025/9/14): SCP-2321-JP-αの遺体はサイト-8197のフロア5にて冷凍保存されています。現在、SCP-2321-JP-αと補遺2にて回収された手紙の作成者の関連性が調査されています。

説明: SCP-2321-JPは日本国内で作成された一般にてるてる坊主と呼称される物品が発話可能となる現象です。異常性を獲得したてるてる坊主(SCP-2321-JP-Aに指定)は自身を作成した人物(以下作成者と記載)に対して自身を作った目的を質問し、翌日は雨になる為その願望は叶わないと説明します。SCP-2321-JPが発生した翌日は該当地域一帯の天候が必ず雨になることが確認されています。降雨を肉眼で視認した作成者は非常に強い怒りの感情をSCP-2321-JP-Aに対して示し、刃物を使用してSCP-2321-JP-Aの首を切断します。首を切断されたSCP-2321-JP-Aは異常性を失い、これと同時にSCP-2321-JP-Aと接触した人物が有する対象に関する記憶は不明瞭なものになり、ほとんどの場合夢の中での出来事であったと認識されます。

SCP-2321-JPは2024年6月、SNS上にて「子供が作ったてるてる坊主が喋った」という投稿が相次ぎ、財団の認知する所となりました。その後、同様の投稿が1年を通して確認されるようになり、当現象はオブジェクトに指定、現在の収容プロトコルが確立されました。以下は、回収されたSCP-2321-JP-Aに行われたインタビューの記録です。

補遺1: SCP-2321-JP発生地域に関する調査の結果、全ての事例が羽山式降雨発生機によって翌日の天候が雨と予定されている地域にて発生していることが判明しました。その後、新たに確保されたSCP-2321-JP-Aへのインタビュー項目に情報の出自に関する質問が追加されましたが、全ての実例がこの質問への回答を拒否しています。またこの際、インタビューを担当した複数の職員から「SCP-2321-JP-Aが何かに怯えているようだった」という報告が複数確認されていますが、その真偽は不明です。

インシデント記録/2321-JP-α: 2025年8月13日午前5時23分、サイト-8197の管轄下に置かれている地域一帯に予定されていない積乱雲が発生、163mmの降雨が発生しました。財団所有の衛星の観測映像では、地域一帯に突如として積乱雲が出現する様子が確認されており、その原因は現在も調査中です。この際行われた、財団所有の気象観測衛星「オモイカネ」からのレーザー照射によって雨雲を消滅させる試みは、同体積の雨雲が即座に出現するという結果に終わりました。

財団はこれを未知の異常存在によって引き起こされている事象と推定。気象庁と連携して該当地域一帯に対して土砂災害警戒情報を発表、警察と連携して可能な限りの避難誘導や救助が行われました。その間もオモイカネによる蒸発作戦は継続して行われていましたが、成果を確認することはできませんでした。この間、雷と同時に生物の咆哮に類似した音1の発生が確認されています。

降雨発生から約3時間後、サイト-8197を中心とした半径およそ100mの範囲において赤色の降水が確認されました。この現象が観測された直後、雨雲の中から女性が出現し、サイト中庭に落下しました。女性が落下したおよそ1分後、サイト上空から前述の咆哮に類似した音が認められ、同時に降雨が停止が確認されました。このインシデントによって確認されている死傷者、行方不明者の人数は計37名、二次災害等によって損傷受けた家屋は約8700棟確認されました。この間に撮影された映像、写真は可能な限り回収され、地域一帯には適切なカバーストーリーが流布されました。回収された遺体は落下による身体の損傷は確認されず、死因は鋭利な刃物によって頸動脈を切断したことによる失血死であると判明しました。

またインシデント発生時、収容されている全てのSCP-2321-JP-Aが何かに非常に怯えていたとの報告があったため、追加のインタビューが行われました。

インタビューにてSCP-2321-JP-A-103の首が切断された際、全てのSCP-2321-JP-Aが未知の力によって首を切断され、異常性を失いました。これらのSCP-2321-JP-Aの残骸は低危険度物品保管ロッカーに収容されています。また以上のインタビューから、回収された遺体がインシデントの終了に深く関与していると推測されたため、遺体はSCP-2321-JP-αに分類され、更なる調査の為に冷凍保存されています。航空機による地域上空の捜査では、インシデントの際に確認された叫び声を発生させたとされる生物の捜索は失敗に終わりました。

補遺2: インシデント翌日の14日、サイト-8197周辺地域に予定されていない乱層雲が発生、降水強度3mm/hの降水が発生しました。降雨は3日間続き、オモイカネによるレーザー照射はインシデント時同様、効果を確認することはできませんでした。

降雨の停止が確認された直後、サイト入り口にて一通の封筒が発見されました。封筒には唐紙で作成された箒を持った女性の人形と、同じく唐紙に北京語で書かれた手紙が封入されていました。監視カメラの映像を確認したところ、封筒はその場に突如として出現しており、差出人は不明です。以下は、手紙の全文を翻訳したものです。

我が最愛の妻は死んだ。
我が怒りを鎮めるため、再びその身を犠牲にしたのだ。
一度人のために捧げたあの小さき体を、
此度は傲慢な貴様等なぞを守るために使ったのだ。
「貴方の怒りを鎮めるためならば、私はこの身を喜んで差し出しましょう」と笑ったのだ。
そして妻は刃を首に当て、私に別れを告げて地上へと還ってしまった。
私にはわからない。妻は何故お前らのような愚か者のために、永劫の命を投げ捨てたのか。
人よ、教えてくれ。何故妻は貴様らを救おうなどと考えたのだ?
神に近しい力を手に入れ、貴様等は一体何処へ向かおうとしているのだ?

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