SCP-2327
評価: +8+x

アイテム番号: SCP-2327

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2327はバイオサイト-34の森林生息域に収容し、SCP-2327割当の主任動物学者(現在はE・ポッター女史)の指定する餌を提供します。

SCP-2327の生息域に入る職員は、SCP-2327個体の異常効果の偶発的活性化を防止するための予防措置として、完全なHazmatスーツを着用し、皮膚の露出が無いようにしなければなりません。

SCP-2327の生息数は15~20匹を維持します。この目的のため、Dクラス職員をSCP-2327と引き合わせます。結果としてのSCP-2327-1は食道十二指腸鏡検査1を介して、少なくとも2回は観察します ― 1回目は移植の成功を確実にするためSCP-2327-1が最初の苦痛を示した後に、2回目は期待される成長水準を確実にするため35日後に行います。制酸剤の使用は有害な影響を引き起こさないと結論付けられたため、SCP-2327-1は制酸剤の服用を許可されており、敷地内のDクラス診療所でも利用できるようになっています。

説明: SCP-2327は、キタリス(Sciurus vulgaris)と外見上は殆ど同じリスの一種です。SCP-2327の各個体はキタリスと同様の振舞いを見せ、必要とする食事も同一です。通常は攻撃的でないものの、SCP-2327個体は積極的に噛み付き・引っ掻き・その他の手段を介して調教師の皮膚を破ろうとする傾向が見られます。これはSCP-2327の異常効果に関連していると考えられます。

財団の動物学者は行動の観察、およびSCP-2327が見せる性的二差と非異常性のキタリスの比較を通して、SCP-2327個体には性別があると結論を下しました。しかしながら、SCP-2327は生殖器を持っていません。したがってSCP-2327は交尾を行わず、代わりに異常な手段を介して繁殖します。

SCP-2327個体が人間(以下SCP-2327-1)の皮膚を貫通して2時間以内に、SCP-2327の胚1つがSCP-2327-1の胃の内壁に移植されます。SCP-2327胚が生成され、胃の内部に入るメカニズムは、現時点では十分に理解されていません。胚の存在は、SCP-2327-1の10%に急性胃炎の症状を引き起こします。また、全てのSCP-2327-1個体は吐き気・嚥下障害・胸やけなどの胃食道逆流症の症状を経験することになります。SCP-2327が胎児期へと進み、SCP-2327-1個体の胃を漂い出す2ようになると、これらの症状は悪化します。SCP-2327-1個体へのインタビューによって、SCP-2327胎児と胃の内壁の衝突は”苦痛ギリギリの不快感”を伴うものと判明しました3が、制酸剤と鎮痛剤の組み合わせで症状を軽減することが出来ます。

SCP-2327の懐胎は、非異常性のキタリスと同様に、平均して45日間持続します。しかしながら、SCP-2327個体は生まれた時点で体毛を有しており、目も開いており、自分自身で生きていくことが可能です(通常のキタリスは生後約12週間までこの段階に達しません)。

45日が経過すると、SCP-2327は自らを懐胎しているSCP-2327-1個体の下部食道括約筋4を通り抜け、SCP-2327-1個体の喉頭反射を刺激して食道を登ろうと試みます。反射が不十分であった場合、SCP-2327は爪を立てて食道を自力で登り始めます。その後、SCP-2327は上部食道括約筋を通って飛び出していき、口を経由してSCP-2327-1個体から離れていきます。SCP-2327-1個体には多くの場合、重度の呑酸と上部消化システムにおける慢性的な刺激が残りますが、殆どの場合はこのプロセスに耐え抜きます。

出産プロセスは92%の成功率を有しますが、幾つかの失敗例は以下の3つのカテゴリのいずれかに終わります。

  • 4%の例で、SCP-2327個体は飲食によって押し流す事が出来ないほどに爪を強く食い込ませた結果、食道内壁で立ち往生します。SCP-2327個体は外科的に除去可能ですが、死亡します。
  • 3%の例で、SCP-2327個体は下部食道括約筋を見つけることができず、胃を攻撃し始めます。この場合、個体を外科的に除去できなかった場合は重い内出血が引き起こされ、必然的にSCP-2327とSCP-2327-1は死亡します。
  • 1%の例で、SCP-2327個体は十二指腸を通過して小腸に下っていきます。SCP-2327個体は腸の内部では生存できない為、これは必然的に腸閉塞に繋がります。外科医によるSCP-2327除去と人工肛門の設置が行われれば、SCP-2327-1個体は生存できます。

補遺001 - AWPI: 最初のSCP-2327個体はイギリスの湖水地方で発見され、その左後肢には追跡ビーコンが取り付けられていました。回収チームリーダー グラハムは、SCP-2327を近隣の拠点へは帰還させず、SCP-2327の所有主が回収に来た場合はチームの記憶処理訓練官であるブルッカー氏の手でクラスB記憶処理を施させることを決定しました。しかしその後、SCP-2327の飼い主であるE・ポッター女史は”非定形林地保全研究所(The Atypical Woodland Preservation Institute: AWPI)”なる組織の一員であり、他数種のSCPオブジェクトと共に保全のためのSCP-2327繁殖に取り組んでいたことが判明しました。SCP-2327、SCP-████、SCP-████、Anomalousアイテム#█████に関する知識と収容援助のため、AWPIとその構成員14名および機材は財団へと統合されました。

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