SCP-2338-JP
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SCP-2338-JPの水面

アイテム番号: SCP-2338-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2338-JPの400m四方には私有地である旨を記載した看板を一定間隔で取り付けた収容用フェンスが設置され、民間人の侵入を防ぎます。フェンス内に侵入者が見受けられた場合、直ちに確保されます。侵入者には必要に応じてBクラス記憶処理が施されます。1

説明: SCP-2338-JPは神奈川県██市に存在する面積約21m²の池です。最大の水深は約1.6mです。SCP-2338-JP自体は通常時いかなる異常性を持たず、ハス(Nelumbo nucifera)やニシキゴイ(Cyprinus rubrofuscus)を始めとした非異常性の水生の植物・生物が███種類生息しています。

SCP-2338-JPは不定期に"SCP-2338-JPイベント"と呼称されるイベントを開始します。"SCP-2338-JPイベント"が発生すると、SCP-2338-JPから半径150m以内のいずれかの地点にSCP-2338-JP-A及びSCP-2338-JP-Bが同時かつ瞬間的に出現します。

SCP-2338-JP-Aは外見上60代前後の男性と推測される人型実体です。身長約160cmほどで目が細く、恰幅・肉付きの良い体型で、必ず帽子を被って出現します。出現時の服装は毎回異なりますが、季節に関係なく薄着/軽装であるケースが多いです。また、必ず釣り竿やクーラーボックス等の一般的に釣具とされる物品を所持して出現します。

SCP-2338-JP-Bは外見上20代前後の男性と推測される人型実体です。身長約170cmほどで、外見については特筆すべき点はありません。SCP-2338-JP-A同様出現の度に服装が変化しますが、季節感のある装いであるケースが多いです。会話から、SCP-2338-JP-Aとは師弟関係であると推測されています。

SCP-2338-JP-Bは出現後、周囲に人物を確認するとSCP-2338-JP-Aに知らせるような行動をとり、その後すぐにSCP-2338-JP-Aと共に瞬間的に消滅し、"SCP-2338-JPイベント"が強制終了します。そのため、SCP-2338-JP-A及びSCP-2338-JP-Bの確保、意志疎通は不可能であるとされています。

SCP-2338-JP-A及びSCP-2338-JP-Bは常に共に行動し、出現次第SCP-2338-JPの存在する地点へ移動を開始します。SCP-2338-JP-A及びSCP-2338-JP-BがSCP-2338-JPに到着すると、SCP-2338-JP-Aは持参した折り畳み式の椅子に座り、所持する釣り竿の釣り糸をSCP-2338-JPに垂らします。尚、この際釣り糸に釣り針は付属しているものの、餌やルアーを取り付けることはありません。

その状況が暫く続くと、突然釣り糸が池の底の方向へ引っ張られる形で強い力がかかります。SCP-2338-JP-Aはこの力に耐え、釣り竿を放しませんが、釣り糸は耐えきれず千切れます。その後、SCP-2338-JP-Bは周辺に置かれた椅子などの物品の回収を開始し、回収が終了するとSCP-2338-JP-Aと共に瞬間的に消滅します。この消滅後、"SCP-2338-JPイベント"は終了します。

収容開始から現在までに██件の"SCP-2338-JPイベント"が確認されていますが、それぞれに特筆すべき大きな差異はありません。

20██/██/██に、SCP-2338-JP周辺に小型カメラ及びマイクを設置した状態で次の"SCP-2338-JPイベント"発生まで待機し、イベント発生次第観測を行というSCP-2338-JP観測が企画されました。20██/██/██に█件目の"SCP-2338-JPイベント"が発生した為、SCP-2338-JP観測が実行に移されました。以下はその記録です。

補遺01: SCP-2338-JPのさらなる調査の為、カメラを搭載した小型ドローンをSCP-2338-JP内部をカメラが映せる上空に常駐させた状態で"SCP-2338-JPイベント"発生まで待機し、イベント発生次第観測を行という新たなSCP-2338-JP観測が企画されました。20██/██/██に、█件目の"SCP-2338-JPイベント"が発生し、SCP-2338-JP観測が実行に移されました。以下は映像記録を元にしたSCP-2338-JP映像撮影班のコメントです。

「赤い荒野」にいた人物について映像記録を確認した結果、判別が可能であった者全員に「既に死亡しており、生前に連続殺人などの大きな罪を犯した人物と外見的特徴が一致している」という共通点があることが判明しました。以上から、SCP-2338-JPが死者蘇生の能力を持つ可能性が示唆されているため、特別収容プロトコルの改定が検討されています。

また、██件目の"SCP-2338-JPイベント"において、SCP-2338-JP-Aが所持していた釣り糸の切れ端のサンプルの回収に成功しました。検査の結果、オニグモ(Araneus ventricosus)の糸に近い組織構成であったことが新たに分かりました。

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