SCP-2348-JP
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非活性時のSCP-2348-JP

アイテム番号: SCP-2348-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2348-JPは、サイト-81██の低脅威度物品収容ロッカー内に収容してください。実験の際はSCP-2348-JPの担当である██博士の許可の元、SCP-2348-JP-1に貸し出してください。また、SCP-2348-JP-1は同じくサイト-81██の人型収容室に収容し、非異常性の人間と同様に管理してください。

説明: SCP-2348-JPは、深さ4cm、直径15cmの陶器の器1です。SCP-2348-JPは非活性時には普遍的な陶器の器と比べ差違はありませんが、以前の所有者とみられる斉藤幸雄氏が触れることにより活性化し、異常現象を発生させます。以降、斉藤幸雄氏をSCP-2348-JP-1と呼称します。SCP-2348-JPは活性化すると、器の内部に斉藤信子氏2の作っていた料理と同じレシピで作られた料理を生成します。この際、生成される料理の献立によっては自身の形態を変化させることが確認されています。また、出現した料理に異常は一切なく、問題なく摂食することが可能です。

発見経緯: SCP-2348-JPは、ネット上に「ヤバい皿手に入れたんだけどw」という投稿3とSCP-2348-JPが活性化する動画が載せられており、発見へと至りました。

補遺: 以下はSCP-2348-JPが発見された際にSCP-2348-JP-1に取ったインタビューの記録です。

対象: SCP-2348-JP-1

インタビュアー: ██博士

<録音開始>

██博士: それではインタビューを始めます。よろしくお願いします。

SCP-2348-JP-1: はい、よろしくお願いします。

██博士: ではまず、あの陶器の器に異常性が発現していることを知ったのはいつですか?

SCP-2348-JP-1: 母の葬儀が終わってすぐだったと思います。三ヶ月くらい前だったかな。女手一つで自分を養ってくれてた母が死んでしまって、これからどうしようかって途方に暮れてたところだったんです。で、遺品整理をしてた時あの皿を見つけて……。

██博士: 触ったところ異常性が発現したと。

SCP-2348-JP-1: えぇ。最初はいきなり料理が出てくるもんだから気が動転して……。でもその日は何も食べていませんでしたので、どうしても我慢できなくて……。

██博士: その料理を食べたのですか?

斉藤氏: はい。何か怪しいものではと警戒していたのですが、それでも空腹に負けてしまって……。でも一口食べて、その考えを恥じました。だって味付けから盛り付け方まで、何から何まで母の料理と一緒だったのです。もう食べられないと思っていたので、思わずかきこんでしまいました。

██博士: なるほど、ありがとうございます。では、あの器は我々の方で管理させていただく───

SCP-2348-JP-1: は、はぁっ!?[声を荒げる]

██博士: 如何しましたか?

SCP-2348-JP-1: あれは母の大事な遺品なんです!母の温もりを感じられる唯一の品なんですよ!そんなものを取り上げるなんて、あまりにも酷いとは思いませんか!?[興奮気味に]

██博士: わ、わかりました。ひとまず落ち着いてください。

SCP-2348-JP-1: 落ち着けるわけないじゃないですか!

██博士: で、では我々の施設にあの器と共に移り住んでいただくというのは如何でしょう?我々もあの器について深く知るため、実験を重ねたいところですし。もちろん、身の安全や衣食住、最低限の娯楽などは保証させていただきます。

SCP-2348-JP-1: なるほど……。それならば、こちらも了承できます。異常な存在をさらに理解するためですからね。自分も喜んで協力させていただきます。

██博士: ありがとうございます。では、現在の職場などには我々の方から連絡させていただきます。他に親族などいらっしゃれば、そちらの方々にも連絡を取りたいのですが。

SCP-2348-JP-1: あ、いえ、それは大丈夫です。

██博士: なぜですか?

SCP-2348-JP-1: 実は、人間関係が問題で前の会社をやめてしまっていて……まだ再就職の目処も立っていないのです。思えば、あの頃からずっと母は私のことを支えてくれていました。書類選考すら通らず、自暴自棄になって部屋に籠もる自分に、母は温かい料理を置いていってくれていました。自分のことを理解して、支えてくれたのは母だけでした。

██博士: 優しいお母様だったのですね。

SCP-2348-JP-1: はい。だからこそ、亡くなった後も器になって自分のことを見守ってくれているのかもしれません。

<録音終了>

終了報告書: インタビュー終了後、SCP-2348-JP-1をサイト-81██に移送し、現在のプロトコルを制定しました。

実験記録: 以下はSCP-2348-JPを使用した特筆すべき実験記録を掲載します。

実験記録001 - 日付20██/██/██

実施方法: SCP-2348-JP-1にSCP-2348-JPを活性化させ、出現した料理をSCP-2348-JP-1に摂食させる。

結果: SCP-2348-JPは大皿、小鉢、茶碗、汁椀に変化し、それぞれ焼き鮭、小松菜の和え物、白米、ネギと豆腐の味噌汁が出現。SCP-2348-JP-1は「とても美味しい。昔の味そのものだ」とコメントした。

実験記録008 - 日付20██/██/██

実施方法: SCP-2348-JP-1にSCP-2348-JPを活性化させ、出現した料理をD-367854に摂食させる。

結果: SCP-2348-JPは形態の変化は見せず、内部にカツ丼を出現させた。D-36785は「美味いが俺はもっと味が濃い方が好きかな」とコメントした。

分析: SCP-2348-JP-1と同年代、同性の人間に摂食させたが、あくまでレシピはSCP-2348-JPの好みを基準にされていると思われる。

実験記録025 - 日付20██/██/██

実施方法: SCP-2348-JP-1にSCP-2348-JPを活性化させ、出現した料理をD-491275に摂食させる。

結果: SCP-2348-JPは形態の変化は見せず、内部にスープパスタを出現させた。D-49127は「雑味が多く、細かい点で手が抜かれているように感じる。具材もバランスがいいとは言えない」とコメントした。

分析: 以前のSCP-2348-JPは栄養にも配慮した料理を出現させていたため、今回の結果は特筆すべきものである。

実験記録029 - 日付20██/██/██

実施方法: SCP-2348-JP-1にSCP-2348-JPを活性化させ、出現した料理をSCP-2348-JP-1に摂食させる。

結果: SCP-2348-JPは一枚のお盆に変化し、██████社から販売されているものと思われるチーズバーガーセットを出現させた。SCP-2348-JP-1は「これはこれで美味しい」とコメントした。

分析: 今回の実験では、前例のないファストフードの出現が見られたため、予定していた実験を取りやめ、SCP-2348-JP-1に摂食させた。しかし異常は一切見られなかった。

実験記録030 - 日付20██/██/██

実施方法: SCP-2348-JP-1にSCP-2348-JPを活性化させ、出現した料理をSCP-2348-JP-1に摂食させる。

結果: SCP-2348-JPはそれぞれ1つの包丁とメモ用紙を出現させた。

分析: これを受けてSCP-2348-JP-1に再度インタビューを行ったところ、前の会社をやめてから就職活動はほとんど行っておらず、斉藤信子氏の年金や遺産をソーシャルゲームの課金などの娯楽に費やしており、 無料で食料を手に入れる目的でSCP-2348-JPを毎日使用していたことが判明。

SCP-2348-JPの更なる異常性変化を避けるため、現在SCP-2348-JPを用いた実験は中止されています。またSCP-2348-JP-1は過度な娯楽の要求、職員に対する高圧的な態度など様々な問題行動が散見され、実験が中止となり収容の必要性も低くなったため、記憶処理を施し解放しました。

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