アイテム番号: SCP-2349
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 1組のSCP-2349コロニーがサイト-86の人工生息域で飼育されています。この生息域を収容する部屋はファラデーケージの内部に配置されます。生息域への入場にはレベル3研究員1名の同意書が必要です。定期的な給餌以外では、腕時計やその他の装身具も含め、金属製の物品を生息域に持ち込むことは認められません。SCP-2349コロニーには2ヶ月ごとに、鉄とアルミニウムから成る廃品6kgと、殺虫剤を使わずに処分した昆虫の死骸0.5kgを供給します。全てのSCP-2349-1実例は除去し、実験目的での使用が許可されていない場合は、段階に関係なく破棄します。
説明: SCP-2349は表面的にオオアリ属の Camponotus alboannulatus に類似します1。全てのSCP-2349個体は金属を消費し、自然の栄養を殆ど必要としません。SCP-2349個体の大顎はアルミニウム銅合金を多く含有しています。唾液は腐食性が強く、効果的に金属を掘り進むことが可能になっています。更に、働きアリ階級に生まれた個体は大顎の根元に特殊な器官を有しており、噛み付きによって鉄を含む金属同士を溶接するのに十分な量の電気を生成できます。SCP-2349の子育て担当階級は金属製の卵を作り、その内部に組成不明の懸濁液を流し込む習性が観察されています。これらの卵は女王アリ無しで繁殖するための非効率的な手段だと想定されています。

働きアリの死骸
最初のSCP-2349コロニーはシンガポールで発見されました。電気系統の故障、金属の消失、不審な無線信号についての報告が財団の調査を促しました。コロニーの巣から1km以内では、電磁妨害による多数の機器の故障が引き起こされました。この影響圏内でSCP-2349が作成した金属製ビーコン、以下SCP-2349-1実例が、巣に近いほどに高密度で発見されました。回収されたSCP-2349-1実例群を測定した結果、高さは平均189.4cm、有効放送範囲は[編集済]kmでした。これは現在までの最大の記録例です。
SCP-2349のコロニーが — 概して鉱石が豊富で標高の高い領域に — 確立されると、ほぼ即座にSCP-2349-1の建設が始まります。SCP-2349-1はSCP-2349が作成する任意のビーコンの指定名称です。これらのビーコンは、ほぼ全体がSCP-2349を介して精錬された金属廃棄物から作られており、形状のパターンはごく限られています。
SCP-2349-1実例の中継網が構築されると、各実例は現時点でまだ解読されていない信号を送出し始めます。それぞれの放送は発見された全てのSCP-2349コロニーごとに唯一無二です。これらの放送の目的は現在不明です (補遺2349-Bを参照)。
サイト-86のコロニーが二分割され、SCP-2349-1の構築を放任された際には、2組のコロニーは互いに意思疎通するかのような様子を見せました。この説を検証するために、片方のコロニーに派遣されたDクラス職員は、近くのSCP-2349個体を踏み潰して、SCP-2349-1の構築を全般的に妨害するように指示されました。同じDクラス職員がもう片方のコロニーに移動すると、彼は現在までに観察された唯一のSCP-2349戦士階級から攻撃を受けました。これらの個体は、Dクラス職員が第1コロニーを離れた際の移動方向から考えて、その到着が予想される方角のコロニー周辺に境界線を形成していたことが注目されました。
この後、2組のサイト-86コロニーは再び1つに統合され、外部コロニーとの通信を防ぐためのファラデーケージが生息域の周囲に建設されました。ファラデーケージが建設された後、飼育下のSCP-2349個体群の繁殖周期は顕著に遅くなり、ケージの構築から3週間は呆然としているかのような動き方をする個体が観察されました。サイト-86コロニーの繁殖率の低下は、機密情報の外部漏洩を防ぐための許容範囲と見做されています。
最初のコロニーの発見と捕獲以来、確認されたSCP-2349個体群の蔓延は██件のみです。これは、財団飼育下におけるSCP-2349個体数の停滞も併せて、SCP-2349の繁殖率が低いことを証明しています。複数の異なるSCP-2349コロニーが最初のコロニーと同規模のSCP-2349-1実例群を作成した場合に何が起こるかは不明ですが、生成される電磁場は中核的なビーコン密集地帯の███km圏内に存在するあらゆる電力系統の完全な破綻を招くと想定されています。
補遺2349-A: 全てのSCP-2349-1実例は2、初期接触時に発見された実例に比べて隙間が多く、小さめです。これは提供されている餌よりも、むしろサイト-86の標高の低さと強く関係するものと想定されています。
補遺2349-B: 9█/██/██、アルゼンチンの████ ██████に存在したコロニーが、現在までに唯一解読されている信号 — 暗号化された初歩的なスペイン語 — を送出しました。残念ながら、このコロニーは更なる調査が実施される前に山火事で破壊されました。放送内容の書き起こしは以下の通りです。
通信開始
コロニー ██-██ 通信中
所在地に危険迫る
巣の破壊が間近。
女王の行方未だ不明。
どうかお戻りください。
通信終了。