アイテム番号: SCP-235
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 現在、SCP-235の4つの個体が回収1されています。SCP-235の全ての個体は聖遺物研究収容サイト-76のロッカーに保存してください。研究や試験のためにSCP-235を取り出すには、クリアランスレベル2の職員2名からの許可が必要です。
説明: SCP-235は、1920年代後期に広く生産されたシェラック製レコード盤のように見えます。SCP-235の各個体には黒い文字で曲のタイトルが書かれた白いラベルが付属しています。各レコードには、以下のようにいずれも異なる曲が収録されています。
個体名 | 曲のタイトル | アーティストと製造年 | 再生中の"飛び"の回数 |
SCP-235-1 | "After You Get What You Want, You Don't Want It" | Van & Schenck, 1920 | 4 |
SCP-235-2 | "Dark was the Night" | Blind Willie Johnson, 1927 | 5 |
SCP-235-3 | "Who's Sorry Now" | Marion Harris, 1923 | 7 |
SCP-235-4 | 不明 | 不明 | 15 |
SCP-235-4にラベルはなく、収録された曲は判別されていません。歌詞がなく、ゆっくりとした悲しげな曲です。
SCP-235の各個体は、RPM77から79の間の速さで再生したときに特異な現象を示します。レコードから特定の距離以内にある物体(距離は再生中の音量に相関)は、レコードが"飛んだ"り、セクションを再生できなくなったときに静止します。この"静止"はしばらく持続し、持続時間は飛んだ時間の約1█倍となります。この効果の影響下の物体は静止を認識せず、効果がなくなった後も外部の情報から時間のずれを知覚しない限り静止前と変わらない動作を続けます。静止の間、効果の範囲内では全ての動作が完全に止まります。投げられたり落下していたりした物体は中空にとどまり、人物は呼吸や瞬きをせず、火のような化学反応でさえ、途中で停止した映画を見ているかのごとく止まります。
静止の間、効果の範囲外の人物(「観測者」とする)は、効果の範囲内に入り静止中の物体に干渉2できます。観測者から(直接または間接を問わず)干渉を受けた物体または人物は、通常の動作を再開します。すなわち、物体の落下、人物の動作、呼吸、思考、そして化学反応が再開します。ほかのものは全て、観測者から干渉を受けるか効果が終わるまで静止し続けます。この"解凍"効果は、完全に主観的作用に見えます。すなわち、観測者が意図的に触れたり影響を与えた対象だけが、通常の動作を再開します。雨や風などの一般的な現象は静止に影響を与えず、また静止中の全ての物体や人物は硬質でありかつ吸水性が見られなくなります。
静止の間、SCP-235の個体やそれを再生している機材は外部からの影響を受けません。どのような力も、たとえプラスチック爆弾であっても、静止中は曲を再生している機材にさえ影響を与えないことが示されています。
SCP-235のコピーやその内容の録音媒体では、SCP-235に見られる特異性は生じません。SCP-235の効果はレコード自体の特異性に起因し、レコードの内容には起因しないと考えられています。
SCP-235-1は194█年に発見されました。当時[編集済]社の社長であった[編集済]の殺害現場で、レコードプレーヤの上に置かれているのを発見されました。SCP-235-2は[削除済]の結婚式で再生中の状態で発見されました。花嫁と花婿はどちらも頭部の銃創により死亡していましたが、両者とも披露宴の最中にダンスフロアで遺体を発見されたにもかかわらず、殺害の目撃者はいませんでした。SCP-235-3は"時間旅行の曲"に関する報告を追う中で、数人の大学生(クラスB記憶処置を実施し釈放)が保持しているところを発見されました。SCP-235-4は、[編集済]の一員と考えられていた█████ ██████を財団のエージェントが調査している際に発見されました。彼の死体は、明らかに自らに発砲したと思われる状況でエージェントに発見されました。彼のデスクにはSCP-235-4とともに、"これは我々の役に立ったが、もうたくさんだ。好きにしてくれ3。"と書かれたメモがありました。
補遺 235-001: ██████博士によるSCP-235の効果の精査により、更なる特異性が発見されました。██████博士はSCP-235の効果の影響下にあるDクラス職員を、両者の距離を保ったまま射殺するよう命じました。この際、その前まで問題なく再生されていたレコード上の箇所に針の飛ぶ部分が発生する、といった現象が確認されました。更なる試験により、SCP-235による静止中に人物が死亡する毎に、静止効果を発生させた個体はわずかに傷つき、曲の中に針の飛ぶ箇所を新たに生じさせることが分かりました。一度の静止中に起きた複数の死亡は、新たな針の飛びの時間を長くするように見えていますが、恒常的な規則は示されていません。