SCP-235-JP
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撮影されたSCP-235-JPの一部

アイテム番号: SCP-235-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-235-JPはセクター-8192の大型脅威物体収容庫にて保管され、すべての個体は強化プラスチック製コンテナに収容されます。対象との接触の際にはガラス、宝石などを含む鉱物類を持ち込んではいけません。実験を行う際は可能な限りSCP-235-JPを直接視認は避け、必要最低限の監視人員のみで行い、カメラによる録画映像などを用いるようにしてください。また、実験室内に入るすべての人員は私物の持ち込みを厳禁とし、特殊防護服に着替えた上で入室してください。

説明: SCP-235-JPは一般にステンドグラスと呼ばれる着色されたガラスと鉛製のリムからなる構造物です。成分分析において特異な点は見られず、一般に作成されているステンドグラスとの相違点は確認できません。収容状態では肉眼では通常のガラスと見分ける事はできませんが、1400 ℃以上の高温下においても融解せず現在の所、融点は不明です。

SCP-235-JPの異常性は、オブジェクトをコンクリート、アスファルト、ガラスなどの加工状態、または粉砕された砂状態や土、鉱物などを含む、岩石類と直接接触させる事で発現します。接触部分から毎秒約100グラムずつ周囲の岩などを吸収し、同質量分オブジェクトは成長します。接触が解除された場合、成長はそこで停止します。形状は殆どの場合は縦に長い長方形を示し、その場に直立した状態を保ったまま成長を続けます。周囲に障害物があった場合はそれに合わせて避けるように変化します。通常、ステンドグラスは酸化鉄などを用いて着色する他、鉛などのリムや支持するための構造が使われますがSCP-235-JPはそれらを必要とせず同様の構造を生成させ、かつ直立状態を保ちます。

質量が8458.2キログラム、面積にして563.8 m2に達した時点で前触れ無くオブジェクトは崩壊しバラバラに破砕し周囲に飛散します。砕けたオブジェクトの大きさ、重さなどにより飛散距離はまちまちですが、微細な破片であれば百メートル以上の距離に達すると見られます
飛散したオブジェクトは7時間後に破片がそれぞれに再び上記の異常性を示します。コンクリートやアスファルト、岩盤なども吸収し自己増殖を続けるため収容違反が発生し、早期収容が出来なかった場合、致命的な被害の発生が予想されます。これは金属、ゴム、プラスチック、木などでオブジェクトを覆う事によって防ぐことが可能です。財団ではこれまでに3500トンのSCP-235-JPを収容しています。

オブジェクトの成長途中段階を目撃した人物は一様に聖歌のような幻聴を訴えます。これは間接的、直接的観測に関係なく発生しますが、記録映像などでは起こりません。専門家による再現では19世紀ごろのグレゴリオ聖歌に見られる特徴を有しているものの、知られている楽曲と一致するものは無く、歌詞も未知の言語であると見られています。また、一部の人間は恍惚状態となり、オブジェクトを所有したいという願望に駆られます。記憶処置により影響が除かれることが分かっていますが、実験コストが高いこと、収容違反リスクの高まる可能性のためサンプル数は少なく、発生条件は今のところ不明です。

オブジェクトが成長限界を迎えて破砕が起こった場合、あるいは人為的に力を加えて破砕した場合、大勢の人間が嘆き悲しむような幻聴を引き起こします。これに発露した者の中には体調不良、意識の混濁、軽度の欝症状などを呈する場合がありますが、いずれも時間経過によって治癒されます。
一般的に見られるステンドグラスと同じく、SCP-235-JPにも様々な意匠が施されており、生成された構造体は全てに違う図柄が描かれます。


SCP-235-JPは日本の神奈川県██市内の教会にて発見されました。発見当日はミサが開かれており十数人の参列者が居りましたが、そのうちの一人が突如投石を行い、窓にはめられていたステンドグラスを破砕。破砕されたガラスが異常性を示しました。偶然参列していた財団エージェントにより情報がもたらされ、オブジェクトは確保されました。関係者および目撃者全員に記憶処置がされたほか、教会への徹底的な調査が行われました。なお、投石した人物は特定できていません。
調査の結果、教会に設置された他のステンドグラスおよび施設には異常性は発見できず、ステンドグラスはイギリスのケント州███市より贈られたものである事が判明しましたが、それ以上の成果は上がっておりません。

補遺: 19██年█月██日、SCP-235-JPの収容違反が発生しました。オブジェクトへの特性研究実験中、██研究員が破砕されたオブジェクトの破片のひとつを所持していた腕時計内部に隠し持ち収容を突破。13時間後に監視カメラによってオフィス内で成長途中段階のSCP-235-JPと付近にいた██研究員が発見されました。SCP-235-JPはリノリウムの床やコンクリート製の壁などを吸収して既に百キロ以上にまで成長していたため、特殊な樹脂を吹きかけ、飛散を防いだ上でいくつかのブロックに分けて再収容されました。捕らえられた研究員は「世界に伝えなくてはいけない。これはこんな所にあってはいけない物だ。」などと供述、精神鑑定の後、記憶処置を施して別施設へと移送されました。
詳細はインシデントレポートKO-235-A2を、██研究員の精神鑑定結果は特殊レポートME-235-A1を参照してください。

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