
初発見時のSCP-236-KO
アイテム番号: SCP-236-KO
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-236-KOは、サイト-103の冷凍倉庫で強化アクリル板製の水槽に入れて冷凍保存されます。対象に関する研究および観察活動はセキュリティクリアランス3以上の人員の許可を受けなければならず、サイト以外での対象の気化、昇華は徹底的に防止されます。財団以外の場所で対象が確認された場合、直ちに報告し、回収してください。
説明: SCP-236-KOは、常温で液体状態の植物体です。淡い黄緑色を帯び、透明度が非常に高い液体で対象はメロンのフルーツドリンクと似たような香りをしており、顕微鏡で拡大してみると、ほとんどが微細な植物の細胞で構成されています。その植物細胞は、それぞれ別々に離れており、細胞の核を分析した結果では現存する植物とは対応しませんでした。対象の蒸発点と密度などのいくつかの特性は生物であることを除いて摂氏4度の水とほぼ同じでした。
SCP-236-KOは、ガラス、金属のように表面が滑らかか、内外の隙間がほとんどないものを除いてすべての物体に対して浸透力が強く、対象を物体に投入した後約6時間が経過すると、物体から植物が発芽し始めます。この時、発生した植物は、毎回異なる形態を帯びており、多数の実験で調べた限りではその物体の性質と周囲の環境に合わせてその形状が決定されることが明らかになりました。その形態は従来の植物と同じで、生態系やDNAも同じく存在しており生命力も高い方である事が確認されています。発芽以降の繁殖過程はその種類の植物と同じように進行されます。もし物体がある環境が日照量が多い場合は発芽する時間がさらに短くなり、物体の内部に栄養分が豊富であれば、植物の大きさはさらに大きくなります。物体が生物である場合、生命活動が停止してから約3時間後にその生命体は溶けて対象と同じ液体に変化します。生きている生物の体は対象を水分として扱い、吸収して栄養素として利用されたり、尿及び汗で一緒に排出されます。 ただし一度に大量に摂取した場合、本体の一部が植物に変化することもあります。

第14区で行われた実験の結果
前述したようにSCP-236-KOはごく一部を除いて水と特性がほぼ同じに見えますが、沸点と凝固点が同じでありもし温度を氷点下に下げた場合凍結してしまいます。逆に100度以上の熱を加えると浸透することなく、すべて蒸発したように見えます。固体や気体の状態の対象は、植物細胞が全く破壊されず、休眠期に入って再び液体に変わった際活動を再開します。
SCP-236-KOは12月24日████の███山のキャンプ場で初めて発見され、当時その場所は、周辺が緑色の雪で覆われており、下りたところで空のテントと動作を停止した除雪機がありました。除雪機の中には、液体状態の対象が含まれており、緑の雪を分析してみると、ターゲットのような物質であることが判明しました。空のテントには、対象に関する資料が並んでおり、研究書の一つ一つの片側に「B.E」と緑の文字が書かれていました。研究書の内容上、その日のターゲットを除雪機を利用して、緑の雪にして実験をする、との計画が書かれておりなお今回の実験で満足のいく結果が表示される場合、より範囲を広げて、ターゲットを使用するとのことでした。(補遺2参照)テントの所有者は、対象を発見してから3時間が経過しても発見されておらず、対象を回収して財団で調査した結果、テントから約500m離れたところでパディングジャンパーおよび登山ズボンがひっくり返っており両方の服はすべて対象で濡れて凍結した状態でした。パディングジャンパーは銃創による二つの穴があいており、ポケットの中に対象のサンプルが入っている試験管がありました。その人物の足跡の動線や周辺の木の銃創、そしてパディングの中に隠されていたレコーダーの内容から見て、不意の襲撃を受けたものとみられます。財団では、ターゲットを回収した後B.Eでは大きな動きはありませんでしたが、観察要員の送信内容上はまだその団体が対象の一部を所有して実験を続けている途中であると推定しています。
補遺1: 発見場所の近くで取得したレコーダーの記録
(サウンドレコーダーの所有者は、B.Eの研究員で状況から見て除雪機を稼動し、周辺約3mを固体状態の対象で覆わせた後、経過を見てみようしたものと見られる。)
研究員: 2012年12月23日。現在の気温5度。実験体の温度2度。除雪車は稼働しています。
(雪を踏む音。機械に触れる音と除雪機を引っ張ってくる音が聞こえる。)研究員: (短くため息) 今度はうまくいくはずだ。
(2分間の機械音のほか何の音もなし。時々研究員の足音が聞こえる。)
研究員: 現在「リーフウォーター」は2分間、人工雪形態で2m先に北緯0度から30度間で噴射中。 2分追加噴射してから停止し、経過を見守ります。
(以後1分40秒ほど経過した後研究員が機械に向かって歩いていくような足音が聞こえる。それから約50秒後足音が急に切れた。レコーダーには捕捉されなかったが、除雪機の横にある木の銃創から見て弾丸のために急に停止したものと推定される。その後急に機械を停止させた。)
研究員: (かなりあわてた様子で) 何…何が(ノイズ)ゴクッ!
(身体の一部に銃弾が当たったと見られる。レコーダーでは銃声と研究員ではない他の足音は録音されなかった。その後すぐに研究員はうめき声を一度出してから走る。この時、微かだが銃声と研究員ではない他の足音が聞こえ始める。約4分程で雑音が大きく発生して倒れる音が聞こえる。)
研究員: うっ..(擦れる音とガラスが割れるような音が続いて何かを飲む音がしばらく録音される。)装置を直されなければ-
(最後の言葉を言い終え呼吸が停止。10秒後に別の足音が聞こえ始め、徐々に近づいてきて止まり研究員の服にあるチャックを開けるような音が聞こえる。その人員の身元は確認ができていない。少なくとも2人以上が同行したものと推定される。トランシーバーを介して相互に交信しているが音が非常に小さく、また発音が良くなく解読がほぼ不可能だった。約5分の間の交信後、その人員は他の場所に移動した。)
(録音記録終了)
補遺2: 最初の発見時、テント内にあった文書の一部とメッセージ
(作戦)
..様々な植物が生存に厳しい地域で実験した結果を総合してみると、この液体は、今後の「緑の革命」に大きな助けを与えると信じて疑わない。ロシアの████湖、中国の██地域の河川付近、サハラ砂漠を除くすべての砂漠では、この液体は、優れた生命力を持つ植物を作り出して、その周辺の植物にも生命力と栄養素の含有量などの様々な要素を向上させてくれた。その植物は、私たちはもちろん、他の生命体に一切被害を与えることはなかった。液体が吸収される場所は、大きく限定されていない。その表面が多孔質であり、最小の栄養素がある場合はどこにでも可能なようだ。汚染された土地及び河川でも問題がなく、むしろその周辺を浄化した。現在、雪原地帯での実験のみを残した状態であり、次回の実験で満足した結果が現れたらサハラ砂漠、各国の主要都市にある公園及び一部の建物、放射能の影響が残っている████や█████に大量の液体を注入するなど本格的な大型プロジェクトに取り掛かる予定である。
(中略)
…実験中、時々初めて見る人が声をかけてくる時があった。彼らは突然こっそり現れて「その霊薬はあなたが無闇に関わるものではない」と言いながら実験体を持っていこうとする。その都度、周辺にいた警備員がうまく対処してくれたが、何か釈然としない気持ちがあった。彼らは自分の情報をほとんど話さなかったが、会話中に「放浪者」や「図書館」という言葉が頻繁に出てくることから、それらに関連していると推定して個人的に調べてみたが、何の情報も手に入れることができなかった。
(以下省略)
これは世界の誕生以来、驚異的な大発見になるだろう。ペットボトルの山でもタンポポが満開なんて想像もできなかった。さて、すべての問題解決はあいつ次第だ。灰色の工場が緑色の光に包まれた温室に変わる日はそう遠くない!