SCP-2360-JP
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財団記録・情報保安管理局より通達

以下の文書は記録のため保存されたものです。

この文書は現在使用されておらず、情報は更新されていません。 そのため不正確な情報が含まれている可能性があります。

— RAISA管理官、マリア・ジョーンズ

アイテム番号: SCP-2360-JP 

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: インターネット上の手順/SCP-2360-JPに関する正確な情報は不自然でない形で虚偽の情報と差し替えてください。

手順/SCP-2360-JPが実行されようとした際にSCP-2360-JPを緊急停止させるプログラムが全世界のSCP-2360-JPに仕組まれます。当プログラム発動時にはカバーストーリー「エレベーターの故障」を流布し、再発防止のため実行者には記憶処理を行って手順/SCP-2360-JPに関する記憶を削除してください。プログラム発動に失敗した場合は同様にカバーストーリー「エレベーターの故障」を流布したうえで、そのSCP-2360-JPのカゴ部分は取り外して放射能汚染物品用コンテナに収容し、その後は標準異世界実体侵入防止プロトコルに従ってください。低危険度物品収容コンテナに収容してください。実行者は行方不明として取り扱ってください。

実験を行う際はDクラス職員に対異常空間用生命維持スーツを着用させ、体をSCP-2360-JP内に固定してSCP-2360-JP-M内に入ることがないようにしてください。また、手順/SCP-2360-JPに関する記憶は実験後に記憶処理を行い削除してください。実験に使われたSCP-2360-JPは放射能の除去を行ってください。

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SCP-2360-JP-M-31を撮影
内部は白い光で満たされているように観測されるが実際はこの宇宙には光子は存在しておらず、この宇宙内の未知の素粒子が基底宇宙に侵入した際に光子に崩壊しているためにそう見えている。

説明: SCP-2360-JPは乗用エレベーターとして定義可能な全てへの指定です。

人間が乗ったSCP-2360-JPがエレベーターホールに到着した際に異常性が発現します。この際SCP-2360-JPのカゴ内部の扉、及びエレベーターホール側の扉にそのサイズに合わせて双方向空間連結ポータルが出現します。(以降、SCP-2360-JPのカゴ内部の扉に出現した方をSCP-2360-JP-P1、エレベーターホール側の扉に出現した方をSCP-2360-JP-P2とする。)通常時はカゴ内部とエレベーターホールを繋いでいるSCP-2360-JP-P1とSCP-2360-JP-P2の2つのポータルは1.000×10-7mほどの超至近距離に位置します。入口と出口がほぼ同じ位置にあるため通常はそこを通っても自分がポータルを出入りしたとは気づくことはありません。精細な調査が行われましたがそれらのポータルは特に観測可能な影響を及ぼさないことが確認されています。そのため通常時は問題なくそのポータルを通ってエレベーターを出入りすることが可能です。この2つのポータルの存在意義については現在議論中です。

しかし、後述の動作をエレベーター内で行った場合はSCP-2360-JP-P2はエレベーターホールではなく別宇宙(以降SCP-2360-JP-P2が出現した宇宙をSCP-2360-JP-Mとする)に出現し、SCP-2360-JPのカゴ内部からはSCP-2360-JP-P1を通してSCP-2360-JP-Mに行くことが可能になります。

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上部は通常時のSCP-2360-JP、下部は手順/SCP-2360-JP実行時の模式図

SCP-2360-JP-P2を別宇宙に出現させる動作(以下手順/SCP-2360-JP)は以下の①から⑦までの動作です。
①12階以上の建物に設置されているエレベーターに乗る。⑦を完了する前にエレベーターを出た場合は何も起こらない。
②4階に移動、4階から始めた場合はそのまま③を行う。
③8階に移動。この時閉ボタンを押す。
④5階に移動。この時開ボタンは押さない。
⑤3階に移動。
⑥12階に移動。
⑦1階のボタンを押す。扉が閉まった時点で完了。

同一人物が以上の手順を終えると、平均して3分後にSCP-2360-JP-P2はSCP-2360-JP-Mに出現します。⑦を実行した時点でカゴは異常な気密性、電磁波遮断性の発生により外部から干渉することはできなくなりますが、カゴ自体はそのまま基底世界に存在しており、カゴを移動させることは可能です。また、SCP-2360-JP-Mと接続中のみカゴ及び照明やボタンなどの備品は破壊耐性を獲得します。SCP-2360-JP-Mによる直接の影響はその破壊耐性、遮断性により外部に露出しません。実行者1が閉ボタンを押すことで手順/SCP-2360-JPは終了され、同時に破壊耐性も消失し、SCP-2360-JP-P2はエレベーターホールに再出現します。

この一連の現象の原因については現在研究中ですが、「手順/SCP-2360-JPを行うと宇宙移動三大基礎性質に何らかの不具合が発生し、結果として別宇宙にSCP-2360-JP-P2が出現する。」という仮説が立てられています。宇宙移動三大基礎性質については下記を参照してください。

財団内部研究資料 エリシャ・オーチス博士著「空間接続ポータルにおける多元宇宙論的矛盾について」より抜粋

宇宙移動三大基礎性質、つまりL型-多元宇宙判定機構2、宇宙高度検索-座標入力機能、慣性系適応能力3という三つの用語は異常存在としての空間接続ポータルのほとんどにおいて観測される、

  • 物理法則が全く異なる宇宙には接続しない
  • 真空崩壊を起こした宇宙や生まれたての超高温の宇宙に接続しない
  • 接続先の殆どが地球と同じような惑星である
  • ポータルの入口が地球の自転に合わせて動いている
  • 接続先においてポータルやポータルを通った物体が天体と衝突したような事例がない

といった宇宙論的矛盾に対する説明として考案された仮説上の存在です。

これらの性質によって宇宙間を移動する異常存在は極端な物理法則を有する宇宙を避けて生命に適した環境を選び、移動先で相対速度が0になるよう座標や運動量を変えているとされています。今のところ実証には至っていませんが、これらの概念は空間接続異常ポータルを上手に説明するとして広く取り入れられています。

そしてこの性質には大きい利点と大きい欠点があります。利点としては、この性質のおかげでポータルが超高エネルギー状態の別宇宙と接続して地球が焼き払われたり、通行者が空気も何もないような宇宙の辺境に放り出される悲惨な事態が防がれています。欠点としては、財団による別宇宙探査の際にはこのようなポータルが利用されることが多いのですが、L型-多元宇宙判定機構の存在によりこういったポータルが生命が存続不可能な宇宙に接続していることは殆どありません。大抵の場合接続先の宇宙は似通ったものばかりで、得られる成果もありきたりなものとなってしまいます。このように別宇宙探査という側面からみるとかなりの欠点です。

SCP-2360-JPは財団による空間構造地図化技術開発により発見されましたが、手順/SCP-2360-JPが発見されるまで重要性は低いと考えられていました。手順/SCP-2360-JPは電子掲示板に怪談の形式で投稿された文章が財団に認知されたことで発見されました。 この投稿はクラスC占術技能保持者4によるものであり、発見時には既にエレベーターで異世界に行く方法として一般に知れ渡っていたため完全な隠蔽は困難と判断されました。代わりにカバーストーリー「都市伝説」の流布、手順/SCP-2360-JPについての誤った情報5の拡散、無意味な情報への差し替えなどの対応が取られました。それらの工作により現在、手順/SCP-2360-JPについての正確な情報を述べている文書は一般には存在しなくなったと思われます。当該クラスC占術技能保持者は、投稿した情報以外には重要な情報を有していないことが確認されたため記憶処理の後解放されました。

多元宇宙11次元位置座標データの分析から、SCP-2360-JP-Mは存在する多元宇宙のどれかが完全にランダムに選出され、接続されていると考えられています。現在67個のSCP-2360-JP-Mの調査に成功しており、その全てにおいて基底世界と異なる物理法則が確認されました。以下はその一例です。
SCP-2360-JP-M-41 基底世界を基準としたときの主な観測された差異
重力定数 1089倍 、素粒子は全てブラックホール化すると思われる
電磁場 存在しない
未知の量子場 電子の10−10〜10−45倍程の質量の粒子を生成すると考えられているが重力定数の強さにより観測には成功していない
宇宙の膨張率 極めて重力が大きいにも関わらず、基底世界の約3倍ほどの値が確認されている

前述の通り手順/SCP-2360-JP実行時のSCP-2360-JP-P2は一般的な空間遷移オブジェクトに見られるL型-多元宇宙判定機構や宇宙高度検索機能、慣性系適応能力を有していません。そのため特殊な対策なしに手順/SCP-2360-JPを実行した場合の生還はほぼ不可能であり、民間人により実行された手順/SCP-2360-JPは実行者の死亡により終了できなくなっていると考えられています。そのため放射能汚染や異世界実体の侵入による危険はないと判断され、収容中のカゴは低危険度異常物品収容コンテナに再移送されました。 

注記: 報告書SCP-2360-JP 旧版/2009-10-21は以上です。

最新版の報告書には こちらからアクセスできます。

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