SCP-2360-JP
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財団記録・情報保安管理局より通達

あなたが現在閲覧している文書は最新版/2040-07-24です。

旧版との変更点はで強調されています。

— RAISA管理官、マリア・ジョーンズ

アイテム番号: SCP-2360-JP

オブジェクトクラス: Thaumiel

特別収容プロトコル: インターネット上の手順/SCP-2360-JPに関する正確な情報は不自然でない形で虚偽の情報と差し替えてください。

手順/SCP-2360-JPが実行されようとした際にエレベーターを緊急停止させるプログラムが全世界の該当するエレベーターに仕組まれます。当プログラム発動時にはカバーストーリー「エレベーターの故障」を流布し、再発防止のため実行者には記憶処理を行って手順/SCP-2360-JPに関する記憶を削除してください。プログラム発動に失敗した場合は同様にカバーストーリー「エレベーターの故障」を流布したうえで、そのエレベーターのカゴ部分は取り外して低危険度物品収容コンテナに収容してください。実行者は行方不明として取り扱ってください。

Dクラス職員をSCP-2360-JP-M内部で活動させる際は多元宇宙探査用r-534現実維持スーツを着用させてください。また、手順/SCP-2360-JPに関する記憶は実験後に記憶処理を行い削除してください。実験に使われたエレベーターは放射能の除去を行ってください。

エレベーター部門職員は早急に手順/SCP-2360-JP-βを解明してください。解明された場合は即座にその手順の実行を防止するプログラムをSCP-2360-JPに仕組んでください。(詳細は補遺4を参照)

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SCP-2360-JP-M-31を撮影
内部は白い光で満たされているように観測されるが、実際はこの宇宙には光子は存在していない
この宇宙内の未知の素粒子が基底宇宙に侵入した際に光子に崩壊しているためにそう見える

説明: SCP-2360-JPは乗用エレベーターとして定義可能な全てへの指定です。(詳細な定義についての最新研究は補遺2を参照)

人間が乗ったSCP-2360-JPがエレベーターホールに到着した際に異常性が発現します。この際SCP-2360-JPのカゴ内部の扉、及びエレベーターホール側の扉にそのサイズに合わせて双方向空間連結ポータルが出現します。(以降、SCP-2360-JPのカゴ内部の扉に出現した方をSCP-2360-JP-P1、エレベーターホール側の扉に出現した方をSCP-2360-JP-P2とする。)通常時はカゴ内部とエレベーターホールを繋いでいるSCP-2360-JP-P1とSCP-2360-JP-P2の2つのポータルは1.000×10-7mほどの超至近距離に位置します。入口と出口がほぼ同じ位置にあるため通常はそこを通っても自分がポータルを出入りしたとは気づくことはありません。精細な調査が行われましたがそれらのポータルは特に何も観測可能な影響を及ぼさないことが確認されています。そのため通常時は問題なくそのポータルを通ってエレベーターを出入りすることが可能です。この2つのポータルの存在意義については現在議論中です。

しかし、後述の動作をエレベーター内で行った場合はSCP-2360-JP-P2はエレベーターホールではなく別宇宙(以降SCP-2360-JP-P2が出現した宇宙をSCP-2360-JP-Mとする)に出現し、SCP-2360-JPのカゴ内部からはSCP-2360-JP-P1を通してSCP-2360-JP-Mに行くことが可能になります。

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上部は通常時のSCP-2360-JP、下部は手順/SCP-2360-JP-α実行時の模式図

SCP-2360-JP-P2を別宇宙に出現させる動作(以下手順/SCP-2360-JP)は以下の①から⑦までの動作です。
①12階以上の建物に設置されているエレベーターに乗る。⑦を完了する前にエレベーターを出た場合は何も起こらない。
②4階に移動、4階から始めた場合はそのまま③を行う。
③8階に移動。この時閉ボタンを押す。
④5階に移動。この時開ボタンは押さない。
⑤3階に移動。
⑥12階に移動。
⑦1階のボタンを押す。扉が閉まった時点で完了。

同一人物が以上の手順を終えると、平均して3分後にSCP-2360-JP-P2はSCP-2360-JP-Mに出現します。⑦を実行した時点でカゴは異常な気密性、電磁波遮断性の発生により外部から干渉することはできなくなりますが、カゴ自体はそのまま基底世界に存在しており、カゴを移動させることは可能です。また、SCP-2360-JP-Mと接続中のみカゴ及び照明やボタンなどの備品は破壊耐性を獲得します。SCP-2360-JP-Mによる直接の影響はその破壊耐性、遮断性により外部に露出しません。
実行者1が閉ボタンを押すことで手順/SCP-2360-JPは終了され、同時に破壊耐性も消失し、SCP-2360-JP-P2はエレベーターホールに再出現します。

これらの一連の事象はエリシャ・オーチス宇宙接続理論2により説明可能です。

SCP-2360-JP-P1やP2がそれぞれエレベーターのカゴやエレベーターホールと同位置にあるためには、その二つの物体を位置座標の基準とする必要がある。そのため宇宙移動三大基礎性質はその二つのポータルの位置を規定する際に、エレベーターのカゴが何階にあるか、エレベーターが来ているエレベーターホールは何階かという情報を参考にしていることが判明している。手順/SCP-2360-JP(エリシャ・オーチス宇宙接続理論においては(4,8,C,5,3,12,1)という値で表される)はこの判断機構における特異点3であり、この値を代入されるとエレベーターホールの位置座標を定義できなくなり、P2の出現座標も規定されなくなってしまう。
P2の出現座標が不完全な状態のまま宇宙移動三大基礎性質が実行されることで、P2は存在する全ての多元宇宙のどこかにランダムに出現する。
またP2の位置座標不明化の影響はP1の位置座標の基準であるSCP-2360-JPカゴ部分にも及び、それによって物理的な変化に関する変数が0に収束し物理的情報が固定される。
結果としてSCP-2360-JPカゴ部分に破壊などの物理的変化を加えられなくなる。

SCP-2360-JPは財団による空間構造地図化技術開発により発見されましたが、手順/SCP-2360-JPが発見されるまで重要性は低いと考えられていました。手順/SCP-2360-JPは電子掲示板に怪談の形式で投稿された文章が財団に認知されたことで発見されました。この投稿はクラスC占術技能保持者4によるものであり、発見時には既にエレベーターで異世界に行く方法として一般に知れ渡っていたため完全な隠蔽は困難と判断されました。代わりにカバーストーリー「都市伝説」の流布、手順/SCP-2360-JPについての誤った情報5の拡散、無意味な情報への差し替えなどの対応が取られました。それらの工作により現在、手順/SCP-2360-JPについての正確な情報を述べている文書は一般には存在しなくなったと思われます。当該クラスC占術技能保持者は、投稿した情報以外には重要な情報を有していないことが確認されたため記憶処理の後解放されました。

多元宇宙11次元位置座標データの分析から、SCP-2360-JP-Mは存在する多元宇宙のどれかが完全にランダムに選出され、接続されていると考えられています。現在15,067,898,156個のSCP-2360-JP-Mの調査に成功しており、その全てにおいて基底世界と異なる物理法則が確認されました。以下はその一例です。
SCP-2360-JP-M-41 基底世界を基準としたときの主な観測された差異
重力定数 1089倍 、素粒子は全てブラックホール化すると思われる
電磁場 存在しない
未知の量子場 電子の10−10〜10−45倍程の質量の粒子を生成すると考えられているが重力定数の強さにより観測には成功していない
宇宙の膨張率 極めて重力が大きいにも関わらず、基底世界の約3倍ほどの値が確認されている

前述の通り手順/SCP-2360-JP実行時のSCP-2360-JP-P2は一般的な空間遷移オブジェクトに見られるL型-多元宇宙判定機構や宇宙高度検索機能、慣性系適応能力を有していません。そのため特殊な対策なしに手順/SCP-2360-JPを実行した場合の生還はほぼ不可能であり、民間人により実行された手順/SCP-2360-JPは実行者の死亡により終了できなくなっていると考えられています。そのため放射能汚染や異世界実体の侵入による危険はないと判断され、収容中のカゴは低危険度異常物品収容コンテナに再移送されました。  

補遺1: SCP-2360-JPを利用した多元宇宙探索の提言について

以下の文書はSCP-2360-JPの多元宇宙探索への利用についてのエリシャ・オーチス博士の提言の一部を書き起こしたものです。

発表者 多元宇宙部門 エリシャ・オーチス博士

[前略]

財団内部での科学力は基本的に一般に比べ大きく進歩しています。しかしながら物理学という分野においては他分野ほど財団外部との差がありません。これはなぜでしょう。その理由は物理とは宇宙の根源に迫る学問でありながら、どちらも基本的には我々のいるこの1つの宇宙だけからしか手がかりを得ることができないからです。内外の違いといえば、こちらの方にはいくらかパラテック技術を利用した望遠鏡や過去観察鏡、粒子加速器がありますがこれらを利用しても、宇宙の外や宇宙が始まる前は見れませんし、宇宙の真理を直接観測するのに要るエネルギースケールにも届きません。結局の所わかるのはあくまでこの宇宙の、それも限られたことだけです。物理学上の大きな謎、宇宙はいかにして始まったのか、時空間とはそもそも何か、暗黒物質や暗黒エネルギーの正体は何か、宇宙の終わりはどんなものか、超ひも理論は正しいのか、など他にもたくさんの謎がありますが、この宇宙は私達のために生まれたわけではないので、これらの謎すべての手がかりがこの宇宙にあるとは限りません。そのためこの1つだけの宇宙だけを追い求めていたら、永遠にわかる日は来ないかもしれません。そしてこの状況を打開するために財団は最近別宇宙の調査に力を入れ始めました。ここまでは皆さんも知っているでしょう。しかしここにもいくつか問題がありました。

それを解説しましょう。まず、現在財団による多元宇宙探索の95%は異常存在を利用して行われています。それは「密室のジレンマ」が原因です。これは何かというと、科学的な手法では宇宙間連結ポータルを異なる物理法則を有する宇宙に繋ぐことは不可能であるという理論的な帰結です。またこれは、数えることすら困難なほど別宇宙は存在するのになぜ数えられるほどしか別宇宙文明がこちらの宇宙に来ないのか、なぜ彼らの宇宙の物理法則は皆こちらとほぼ同じなのかという謎への回答でもあります。

ではなぜ「密室のジレンマ」は存在するのでしょうか。それは宇宙間連結ポータルは異なる宇宙同士を接続するものであるという構造上、それは入口と出口の両方がそれぞれの宇宙の物理法則に適応していなければならないからです。行きたい宇宙がこちらとほとんど同じものであるのなら入口も出口も同じように作れば良いだけですが、そうでないなら出口は向こうの宇宙の物理法則に合わせたものに変える必要があります。例えるなら、今我々が持っている1つの鍵で開けられるのはそれに対応した扉だけであり、違う鍵がかかった部屋を開けたいならを違う鍵を使わないといけないということです。

問題なのは、その物理法則を知るにはその別宇宙に実際に行く必要があるということ、つまり鍵を得るには扉の向こう側でということです。密室の中にある鍵をどうやって鍵無しに取り出せばいいのでしょう。フィクション小説なら密室にはトリックがありますが、宇宙の話ではトリックも何もありません。つまり不可能です。そしてそれは将来的にも変わらないでしょう。

しかし、これはあくまでこの世界の物理法則に反しない科学的な方法では不可能というだけであり、物理法則に反した挙動を行う異常存在になら、これらの問題を無視して別宇宙を繋ぐことも不可能ではありません。しかし、そうは言ってもそのようなオブジェクトは宇宙移動三大基礎性質により、結局の所移動できる宇宙は限られていました。

しかしSCP-2360-JPにはそのような制限がなく、存在する全ての宇宙に対し接続する可能性を有します。それだけでなく別宇宙による影響はすべてカゴ内部に封じ込められます。

別宇宙に行くことさえできればその他の障害は財団が保有するパラテック技術で解決できるでしょう。そうすればどんな極端な環境の宇宙でも問題はありません。SCP-2360-JPを利用すれば長年実現してこなかった、完全に物理法則が異なる宇宙の探査にいよいよ手を伸ばすことができます。そしてそうやって別宇宙から得られる学術的知見や発見はとても価値のあるものでしょう。

以上の理由により、我々の研究チームはSCP-2360-JPの本格的な利用を提案します。

補遺2: 財団エレベーター部門の設立について

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エレベーター部門徽章

エレベーター関連技術による多大な利益、そしてさらなる成長への見込みから、エレベーター関連技術専門の部門が2030年に設立されました。エレベーター部門の活動は主にエレベーターの研究、利用、発展を軸として展開されることが決定されました。以降エレベーター応用研究はエレベーター部門の管轄下に置かれ、多元宇宙探索は多元宇宙部門と、物理学研究は素粒子物理学部門及び宇宙物理学部門との共同で行われています。

以下はエレベーター部門の現在の主な業務の一例です。

  • SCP-2360-JPの異常性発現の対象となるエレベーターの条件の定義の研究。現在判明していることとして、
    • 人間を輸送することを目的に作られている
    • 動く
    • ボタンがある
    • 人間の意志で移動方向を変えられる機構を有する
    • 生きていない
    • 死んでいない
    • エレベーターである(これがどのようなことを意味するのかは研究中)
    • エスカレーターではない
    • 動く歩道ではない
    • 電車ではない
    • 車ではない
    • 人ではない
    • 物理的に存在している

     などの条件が判明している。

  • 手順/SCP-2360-JP-αにおける「〜階」の定義の研究。現在判明していることとして、
    • 地面に最も近い地上にある階層が1階となる。
    • 海上にある建物のエレベーターの場合、海抜0メートル地点に最も近い階層が1階となる。
    • エレベーター移動中に地面の高さを変えた場合、エレベーターが到着した瞬間にその階が何階になっていたかが基準となる。
    • 無重力下など、建物が地面に接していない場合も最も地面に近い階層が1階となる。この時すべての階層が地面と同距離にあった場合は全ての階が1階となる。
    • 別宇宙など他の物体が一切存在しない条件下では、全ての階が「0階」となる。この現象については現在も研究中。

     などが判明している。現在、虚数空間では階がどう定義されるかの実験が予定されている。

  • さらなるエレベーターの小型化の研究。1ナノメートルにまで小型化に成功しており、現在1ピコメートルのエレベーターの作成と研究が進められている。
  • 手順/SCP-2360-JP-α実行中は破壊耐性がエレベーターに付与されることを利用した、エレベーターの防御壁・防護素材としての利用。
  • SCP-2360-JPを緊急時の別宇宙退避装置として利用するため、簡易的に持ち運びできる宇宙環境保護スーツの作成。
  • SCP-2360-JPの異常性の土台となるエレベーターをさらに発展させ、異常性をさらに活用していくため、一般企業と合同で宇宙エレベーターの開発を行っている。

 
補遺3: SCP-2360-JPを活用するための技術、及びSCP-2360-JPによる利益について

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MHfE細胞

関連技術、関連物品 詳細
MHfE細胞 [編集済] を応用し、物理的、意味論的、存在論的、数学的、法的、倫理的、生物学的、認識論的、超越論的、社会学的な相互作用は全て、当該細胞が"人間"であるという結果を示す異常性が付与されている。全長0.05mm。SCP-2360-JPの異常性を発現させるには内部に人間が搭乗している必要があるため、Dクラス職員の消費を抑えつつSCP-2360-JPの異常性を研究、利用するのに欠かせない存在となっている。
M8000多元宇宙探索ユニット 全長30cm。重量2kg。基部と探査部の2つから構成される。基部は扉付きの箱とそれを上下させるための機構で構成される。箱の中に探査部とMHfE細胞を入れ手順/SCP-2360-JP-αを実行することで、箱の扉をSCP-2360-JP-Mに接続させる。探査部は1つの宇宙につき30秒ほどで物理法則・空間曲率・量子的状態などの調査を完了することができる。また周囲の空間の現実性を低下させて現実改変を行い、多元宇宙の様々な過酷な環境による破損を防ぐ機能を有する。2030年以来、運用が開始されている。現在3,250,000基が運用されている。
多元宇宙探査用r-534現実維持スーツ 着用者を多元宇宙の様々な過酷な環境から保護するスーツ。SCP-2360-JP-M内部において人工知能での自律駆動が難しい機器を人力で操作するために開発された。基本的な機構はM8000多元宇宙探索ユニットと同じく現実改変によるものであるが、着用している人間の意思が現実に影響することを防ぐため、こちらはスーツ自身の現実性を向上させて改変を行う方式を採用している。
SCP-2360-JPによる利益・成果 詳細
Keterクラスオブジェクトの収容 収容が困難であり、かつ人類を滅亡させる可能性を大きく有するオブジェクトを適切な条件を満たす別宇宙に収容、隔離することが承認された。その条件には、宇宙間接続ポータルの自然発生率が0.01%以下であり他の宇宙に異常存在が流出する危険が低いことなどが含まれる。
素粒子物理学部門、宇宙物理学部門 様々な多元宇宙の調査とその研究により素粒子論・宇宙論分野の発展に貢献。初期の宇宙の成長過程やダークエネルギーの正体に関する重要な発見、誕生直後のGUTスケールの超高エネルギー状態の別宇宙の観測に成功したことによる大統一理論の完成6などの成果が上がっている。さらに、プランクスケールエネルギー7の宇宙を観測することで重力を含めた超大統一理論、一般相対性理論と量子力学の統一においても大きな進展がもたらされるという予測から、M8000多元宇宙探索ユニットの大幅な追加運用が予定されている。
多元宇宙部門 さまざまな宇宙から収集されたデータにより、宇宙間接続ポータルに関する理論が飛躍的に発展した。エリシャ・オーチス宇宙接続理論もその影響を受け完成した理論である。また、多元宇宙論的観点から見た宇宙生成のプロセスや宇宙を誕生させる背後にあるものについての研究も進展。

これらの成果、財団内部での物理学の著しい発展及びそれによる異常存在収容への貢献を評価され、SCP-2360-JPはThaumielに分類されました。

補遺4: 手順/SCP-2360-JP-βについて

空間接続ポータルに関する理論の発展の結果、一般相対性理論と宇宙間連結ポータルに関する複数の理論から導き出される帰結として、SCP-2360-JP-P2に干渉する手順/SCP-2360-JPの反対の存在である、SCP-2360-JP-P1 の方に干渉する手段が存在すると判明しました。
これを受け、超常現象記録2031/11/4のSCP-2360-JPの関与が指摘されました。

超常現象記録2031/11/4概要

2031/11/4 13:14 にアメリカ合衆国████州のビル内部において、財団保有重力波観測式監視カメラが局所的なクラスⅧ空間収斂および最大1.3m2の事象の地平面を観測した。発生から2.1秒後に異常現象は終了した。しかしながら、現象発生時ビル内に居た████ ██氏が行方不明になったこと以外に、その空間的異常から想定されるような被害は発生していなかった。

当時は注目されていませんでしたが、現象の中心点にはエレベーターが存在していたことが後の調査で明らかにされており、超常現象記録2031/11/4はSCP-2360-JP-M内部の重力定数・光速度・宇宙のサイズ・膨張速度などの物理定数の差異により、SCP-2360-JP-M内部に流入した物質(████ ██氏の肉体や大気など)がブラックホール化したことによるものであると考えられています。また物理定数の偶然により、それがビッグクランチを発生させたことで、ポータルが短時間で強制的に遮断され大きな被害も発生しなかったのだと思われます。

それにより、手順/SCP-2360-JPは手順/SCP-2360-JP-αとして再指定され、存在が予言されているもう一つの手段はSCP-2360-JP-βとして指定されました。 以下は手順/SCP-2360-JP-βについての説明です。

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上部は通常時のSCP-2360-JP、中部は手順/SCP-2360-JP-α実行時、下部は手順/SCP-2360-JP-β実行時の模式図

SCP-2360-JP-αにおいて、破壊耐性や遮断性はSCP-2360-JPのカゴ全体に付与されます。そのためSCP-2360-JP-Mへの入り口は完全に包囲され、SCP-2360-JP-Mの影響は外部に露出しません。しかし手順/SCP-2360-JP-βでは建物の構造上、SCP-2360-JP-P2は破壊耐性を持つ物体で包囲されることがありません。そのため、SCP-2360-JP-Mの影響が直接露出してしまいます。
現在、手順/SCP-2360-JP-βが実行されることによるRP-クラス:全球放射能汚染シナリオ、GB-クラス:重力破壊シナリオ、EB-クラス:素粒子物理学的不可逆性物質転換シナリオ8、IQ-クラス:理想的量子状態遷移シナリオ、HE-クラス:高エネルギー焼滅シナリオ、ħE-クラス:プランクスケールエネルギー顕現シナリオ9などの発生が危惧されています。現状を鑑みるに、世界におけるエレベーターの移動手段としての重要度は大きく、エレベーターそのものを一般社会から除去することは困難であるため、対策は手順/SCP-2360-JP-βに対して行われます。

以上の理由により手順/SCP-2360-JP-βの解明と防止は最優先事項とされました。 その解明のためにクラスA占術技能保持者10や数式処理アノマリーの利用が許可されています。

補遺5: 2040-07-24現在、手順/SCP-2360-JP-βの発見の目処は立っていません。その理由は手順/SCP-2360-JP-αと手順/SCP-2360-JP-βにおいて情報量の対称性の破れ11が発生していることにあります。エリシャ・オーチス宇宙接続理論における手順/SCP-2360-JP-αを構成する情報量は約2.7GBであるのに対し、手順/SCP-2360-JP-βを構成する情報量は7.8×1034YB 程度であると見積もられています。このような大量の情報はクラスA占術技能保持者でも解析には成功せず、数式処理アノマリーでは解を算出することには成功しましたが、膨大な数の解が導き出される結果に終わりました。それらの解の中から基底宇宙の手順/SCP-2360-JP-βを記述しているものがどれかを探すには、実際に実験を行う必要があり、また手順/SCP-2360-JP-βにより生じうる危険を封じ込めつつ、実験を安全に実行するための環境が実現できていないということにより、手順/SCP-2360-JP-βの調査は現在停滞しています。

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