SCP-2371-JP
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アイテム番号: SCP-2371-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2371-JPは種子の状態でサイト-8172の植物種子保管ロッカーに最低10個保管されます。

SCP-2371-JP-1は同サイトの低脅威度物品収容ロッカーで保管されます。

説明: SCP-2371-JPは家畜種のウシ(学名: Bos taurus)に近い特徴を持つ、マメ科に分類される植物です。SCP-2371-JPは体色が緑色であることを除けばウシの身体と酷似した構造のシュート系1を持っています。体色は葉緑素によるものであり、SCP-2371-JPの身体はすべて植物細胞によって構築されています。SCP-2371-JPのシュート系内はウシの体内を模していますが、神経系、血管系、リンパ系が存在せず、消化器系以外の器官に相当する部位は、脳や心臓を含めて機能していません。また、脳波や心拍が確認されていないにも関わらず、SCP-2371-JPは発芽直後から不明な原理でウシと同様の習性、行動をとります。SCP-2371-JPのシュート系を調理した際の味や食感について、摂食実験に参加したすべてのDクラス職員から「牛肉そのものである」との感想が確認されました。

SCP-2371-JPはダイズ(学名:Glycine max)に酷似した形状の種子から発芽します。この時種子を植える土壌には特殊な肥料(以下、SCP-2371-JP-1と呼称)が配合されている必要があります。発芽直後にSCP-2371-JPは地面から完全に離脱し、根は成長と共に退化します。発芽後は栄養を摂食によって摂取するようになり、SCP-2371-JP-1を含んだ土と水を餌として通常のウシと同程度の体高まで成長します。十分に成長したSCP-2371-JPの乳頭に相当する部位を圧迫すると同部位から豆乳と成分的に同一の液体が排出されます。

SCP-2371-JPは通常のダイズと同様に雌雄同株2であり、単体で受粉が可能です。受粉したSCP-2371-JPはシュート系内の子宮に相当する器官で種子を生成し、なんらかの外部要因で種子が取り除かれない限り発芽までの間当該器官で自己栽培します。SCP-2371-JPのシュート系内で発芽したSCP-2371-JPはその後、産道に相当する経路を通って外部へ排出されます。また、なんらかの外部要因で取り除かれた種子も前述の土壌に植えた場合は問題なく発芽します。

SCP-2371-JP-1は茶褐色の固形肥料のように見える物体です。SCP-2371-JP-1は非異常性の植物に使用する実験から一般の肥料に含まれるナトリウム塩やカリウム塩のほか、数種のアミノ酸などを含有すると推測されていますが、成分分析に対して同じ条件の測定にも関わらずまったく矛盾した分析結果が現れるなどの、原材料を特定させないための異常性を有しており、詳細な成分は判明していません。

補遺: SCP-2371-JPは、機動部隊し-13("御用改め")による"黒服のアンチカーニズム"3の拠点摘発に際して発見されました。

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    対象: 愛川氏

    インタビュアー: エージェント・見ル野(以下、Agt.見ル野)

    付記: 愛川氏は捕縛された"黒服のアンチカーニズム"メンバーのひとりです。

    <録音開始>

    [重要度の低い内容のため省略]

    Agt.見ル野: では、あなた方は組織の中でも穏健派であったと……?

    愛川氏: はい、あの家に残っていたメンバーは皆そのように評されてはいました。事実、私たちの活動の中でも動物を使ったものに関しては反対していましたので。

    Agt.見ル野: なるほど。当該拠点に残っていた資料はSCP-2371-JP……えー、例の牛についてのものだけだったのですが、あの拠点は例の牛に関する研究専用として使用していたものなんですか?

    愛川氏: 元々はそうではなかったんですが、先日、私たち以外のメンバーは私たちに『ソイタウロス』4の開発を任せて出ていってしまいまして、その時に他の計画についての資料やらはすべて持って出てしまいました。多分、目障りだったんでしょうね。なりふり構わず動物たちを助けようとしてる彼らにとって、手段を選ぶような真似をしている私たちは。

    Agt.見ル野: 財団による摘発の動きを察知していて、あなた方を捨て駒にしたと?

    愛川氏: ……はっきりと言うのは嫌ですけど、そう考えるのが自然かな、と。あぁ、それと、『ソイタウロス』は牛ではなく、大豆です。あなた方にとっては些細なことかもしれませんが、私たちにとってはそれは非常に重要なことですので。

    Agt.見ル野: 参考にさせていただきます。5えーと、あなた方がその、大豆を開発した目的は、カーニズムへの対抗と言うことで間違いありませんか?

    愛川氏: えぇ、その通りです。日本国内では1日に4700頭のウシが切り刻まれて殺されています。乳牛として搾取されているウシを含めれば更に被害を受けているウシは多くなります。『ソイタウロス』がそんなウシたちの代わりとして広まれば、それほどの命が助かるんです。

    Agt.見ル野: なるほど……あの肥料についての資料が見当たりませんでしたが、それも退去したメンバーが持ち出したのですか?

    愛川氏: いえ、元々『ソイタウロス』は私たちだけで開発したものではないんです。開発に難航していたとき、他の団体が私たちの理念に賛同して支援を申し出てくれたので、そちらの方々に委託しました。ここに残っていた『ソイタウロス』の資料もその時点までのものです。肥料の方はその団体の企業秘密を製法として使っているとのことなので、都度購入するという形になっていたんです。なので、その方々が持っていると思います。

    Agt.見ル野: その団体とは?

    愛川氏: えーと……一応協力してくださった団体なので、相手方を売るような真似はしたくないのですが……

    Agt.見ル野: 協力していただけたなら、あなたを含め今回摘発されたメンバーの拘留中の生活水準改善をする用意があります。

    愛川氏: (悩む素振りを見せる)……確か、日本生類、そうけんだったかと。"そうけん"の漢字をどう書いたかは思い出せませんが……

    [以降、重要度の低い内容のため省略]

    <録音終了>

    補遺: 愛川氏を含めた捕縛されたメンバーからはおおよそ共通した証言を得られたこと、残されていた資料との齟齬もなかったことから、これらの証言、及びGoI-8101"日本生類創研"の関与は確証性の高い情報であると推測されます。

追記: 20██/██/██、機動部隊し-13("御用改め")による日本生類創研の研究所摘発の際に、SCP-2371-JP、及びSCP-2371-JP-1に関連していると推測される資料と、SCP-2371-JP-1の試作品と推測される類似物体が発見されたことで、日本生類創研の関与が確定しました。

また、これらの資料からSCP-2371-JP-1の主な材料として、一般的な固形肥料の材料の他に牛肉が使用されていることが判明しました。SCP-2371-JPを畜牛の代替品として完全に置換した場合に消費するSCP-2371-JP-1の作成に要する牛肉の量を試算した結果、1日に平均的な体格のウシ約6000頭分の牛肉が必要であるとの結果が算出されました。

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