
休眠状態のSCP-2373。
アイテム番号: SCP-2373
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2373は現在サイト-19のクラス-A収容室に封じ込めされ、エアロックで284番通路と隔てられています。室内に通じる各ドアは入室時のみ連続して解放されます。SCP-2373の収容室には、非Dクラス職員が少なくとも2名、Dクラス職員は1名のみが入室することになっています。
説明: SCP-2373は栄養失調の毛深いヒト型生物に類似しています。表皮は黒色の剛毛に覆われており、下半身は腹部の位置で切断されています。SCP-2373の目は常に開いた状態です。SCP-2373の直接的な視線上に人間の対象者が存在しない限り、SCP-2373は収容室の床で休眠状態を保っています。
SCP-2373の直接視線上に人間の対象者1名のみが入った場合、SCP-2373は念動力で自身の身体を吊り上げることによって活動を開始し、対象者のすぐ後ろに素早く移動します。この動きは非常に高速です ― 活動時の動作速度が人間の視覚的な運動知覚能力を上回っているため、対象者は活性化状態に入ったSCP-2373の存在に気が付きません。SCP-2373はその後、対象者の背後でぐったりと吊り下げられたままの状態となり、時たま痙攣します。
SCP-2373は対象者を追跡し、前足の位置を変化させつつ対象者の動きに合わせて速やかに身振りを行うことによって、自身の存在を完全に気付かれていない状態に保ち続けます。この効果は、SCP-2373が第三者によって外部から観測されるか、攻撃を受けるか、固体物質によって移動を妨害されるまで継続します。前記条件を満たすと、SCP-2373は人間が一人しかいない、または全く存在しない環境へと移動します。これが不可能である場合は、SCP-2373は再び休眠状態に入り、最も近くにある壁に向き合った状態で、あらゆる人間の対象者に背を向けた状態になります。
SCP-2373は影を落とさず、如何なるものも反射せず、物体表面との直接接触で4デシベル以上の音を立てることが出来ません。活性化しているSCP-2373の動きは、電子機器、透明な固体物質を経由した状態、または非ヒト存在によってのみ観測可能です。
活性化状態において、SCP-2373は時折後ろへと身を引き、切断された腹部を一瞬だけ苦しげに掴む事が知られています。切断の原因は不明ですが、断面は回転刃または帯鋸によるものと一致しています。真皮上の切断傷の中心部は、過去に収容されていた霊的かつ不可視および/または無形の異常実体と類似する、微かな無形態の透明性を帯びています。現在の仮説は、SCP-2373がタイプ4G1の幻像実体(もしくはかつてそうだった物)であり、何らかの理由で部分的に肉体を再構成させられた後、自身の外形を制御する能力を封じられたことを示唆しています。