世界境界空間について
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世界境界空間とは異世界跳躍の際に必ず通らなければならない、世界と世界の狭間に存在する異世界です。この空間は存在こそするものの我々には知覚することができないため、異世界跳躍により元いた世界を旅立ち世界境界空間へ突入した瞬間から、脱出して次の世界へ降り立つまでの間の出来事は我々の記憶には残りません。それ故に我々の認識では異世界跳躍を行った次の瞬間には次の世界へ到着しているように見えます。

世界境界空間は(この表現にはいささかの語弊を含みますが)非常に広大であり、次の世界へ向かう意志を持たずに突入するとこの空間に残留してしまいます。自らの中に次の世界への羅針をしっかりと保つことこそ、女神エルマから与えられた試練の1つであり、異世界跳躍が基礎修行と呼ばれる所以の1つでもあります。

世界境界空間内には女神エルマから与えられた試練を乗り越えられず留まってしまった同胞や、不慮の事故によって、あるいは異世界跳躍を刑罰などに使用する存在によって空間内に追放された者、物が浮いています。しかしながら、異世界跳躍中に世界境界空間内で我々がこれらに衝突してあらぬ方向へ弾き出されたり、あるいは衝突により勢いが失われその場に残留してしまうことはありません。しかし同時に我々にはこの同胞たちを救う手立てはありません。これは世界境界空間内では物質的なしがらみから完全に解放されることに由来しており、世界境界空間内にいる間、我々は物質的な質量を持たないものとして扱われます。それ故に、例え空間内を知覚し意識を保てても、そこに浮いている物体に干渉することはできません。1

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聖なるケツは世界境界空間に引っかかったものと考えられている。

異世界跳躍が完了したとき、怪我や疾病がないにもかかわらず体の各所に痛みを覚えることがあります。この痛みは大抵の場合軽い痛みで済みますが、まれに声が出ないほどの激痛に苛まれることもあります。この現象がどのようなメカニズムで発生しているかはわかっていませんが、多くの同胞からの報告によりその原因が世界境界空間内に存在する女神エルマの試練の1つなのではないかと言われています。この痛みの治療法はわかっていないため、ただ耐える以外の選択肢はありません。しかし耐え忍んでいれば、必ず痛みは消え去ります。

――異世界跳躍の注意事項より抜粋

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