SCP-2377-JP
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3/2377-JP LEVEL 3/2377-JP
CLASSIFIED
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Item #: SCP-2377-JP
Keter

特別収容プロトコル: SCP-2377-JP及びその痕跡を目撃した人物には記憶処理がなされます。SCP-2377-JPの異常性を隠蔽するための情報改竄・カバーストーリー流布・偽情報キャンペーンを、SCP-2377-JPの痕跡が完全に崩壊するまで平行して実行して下さい。

SCP-2377-JP-Aは現在プロトコル・カーママーラによる管理下にあります。

説明: SCP-2377-JPは地球外領域を含む不特定多数の地域に対して断続的に発生する確率論的異常現象です。SCP-2377-JP発生時、対象となった地域では複数の偶発的な事象・自然現象が一貫性を持つ形で発生することによって最終的に様々な方法で言語不定の文字列が形成されます。この文字列は対象地域を鳥瞰した際に最も判読が容易であるよう構成されており、完全な形成後は一般的に予想されるものと同等の速度で自然崩壊します。

SCP-2377-JPはアメリカ中西部の中央平原における大規模な"ミステリーサークル"の報告によって初めて発見されました。この現象は「下草が一定方向になぎ倒されることによってラテン語で"偉大なる者の誕生"という文字列が形成されている」という異常な様態から即座に財団によって捕捉され、類似事象の追跡が開始されました。

その後10年間に渡りSCP-2377-JPに関連する異常現象が断続的に発生していますが、その頻度と規模は年々増加・増大傾向にあります。特に近年の一般社会における天体観測精度の向上やGoogle Earthを代表とする衛星写真技術の発達と普及も相まって、直接的な人類種に対する脅威では無いもののSCP-2377-JPの収容はLV-ZeroKクラス"捲られたヴェール"シナリオに関する喫緊の財団重大課題となっています。

以下は過去に発生したSCP-2377-JP実例記録の抜粋です。

実例# 発生地域 現象
58 モンゴル、ゴビ砂漠の約1620m2の一区画 突風により砂が堆積し、ドイツ語で"友こそ彼の宝になるだろう"と形成された。
94 ロシア、バイカル湖北西山域 小規模な崖崩れが発生、瓦礫はヘブライ語で"真の強者とは、転んでも泣かず立ち上がる者"と形成した。
605 インド洋海面 漂流ゴミの集合により中国語で"学問への道を登り始める"と形成。
1941 ルーマニア、ホイア・バキュー森林 一帯において大規模に濃霧が発生し、ギリシャ語で"一位おめでとう!"と形成。
2399 月、静かの海 小隕石の落下により3m四方にインダス文字と思しき12文字のシンボルが形成された。意図は不明。
5507 ポーランド、マウォポルスカ県一帯 上空に予測されていなかった雷雲が発生、複数の集中的な落雷によって発生した焼け焦げた跡がタイ語で"100点満点"と形成。
8256 太陽表面 黒点に████████████太陽風██████████、███████████。なおこれにより、複数の観測機器が日本語で"最高!"となるメッセージを記録した。
17672 木星大赤斑1 渦のパターンにより英語で"██████ █████、世界一の子。"と形成。

補遺1: 実例17672で形成された"██████ █████"について、日本に在住する10歳の若年男性(SCP-2377-JP-Aと指定)の氏名であることが特定されました。SCP-2377-JP-Aの出生日時はSCP-2377-JPが初めて発見された日時と前後しており、複数のSCP-2377-JP文字列で"偉大なる者"などとして言及される人物はSCP-2377-JP-Aを示唆しているものと推測されています。

財団によるその後の追跡調査によって、SCP-2377-JPはSCP-2377-JP-Aが何らかの分野(主に学業)において賞賛されるような成績を収めた直後に発生していることが判明しました。SCP-2377-JP-A本人は学業への高い意欲を示しているもののSCP-2377-JPを認知しておらず異常な素振りを見せる様子も無いため、SCP-2377-JPはSCP-2377-JP-Aが非自覚的に行使している異常性による現象、もしくはSCP-2377-JP-Aの行動を常時監視している未特定の異常な存在に起因するものであるとの仮説が唱えられています。

SCP-2377-JPを恒久的に停止するため実行されたSCP-2377-JP-Aの直接収容試行は、実行直後に発生した"SCP-2377-JP-Aの救助を求める"旨の[レベル4クリアランス制限]に渡る前例の無い大規模なSCP-2377-JP現象により即時中断されました。また、SCP-2377-JP-Aの成績評価システムへの介入・改竄の試みについても"SCP-2377-JP-Aへの不当な扱いを糾弾する"旨で同様のSCP-2377-JP現象が発生しています。

これらの試行とその度に発生したSCP-2377-JPに対する広域隠蔽工作が複数繰り返された後、現時点ではSCP-2377-JP-Aの直接的な収容を伴わないSCP-2377-JPの効果的な抑制方法が模索されています。

補遺2: 20██/01/22、変則的なSCP-2377-JP現象が発生しました。当時SCP-2377-JP-Aは通常の学力テストにおいて平均点を大きく下回る100点中23点を記録した旨を教室内で通達されており、その後日、月の裏においてその点数数値の反復と思われるSCP-2377-JP文字列がごく小規模な形で形成されている様子が発見されました。

また20██/04/12にはSCP-2377-JP-Aが同種のテストで100点中41点を記録し、同様のSCP-2377-JP現象が発生したことが確認されました。財団の調査によって、両事例の共通点が"テストを受ける数日前からSCP-2377-JP-Aがゲームや遊戯などの娯楽に注力し過ぎた結果、勉強を疎かにしていた"ということが判明した後、プロトコル・カーママーラが実験的に立案・開始されました。

プロトコル・カーママーラ

LEVEL 3/2377-JP CLASSIFIED


概要: プロトコル・カーママーラはSCP-2377-JPを間接的に抑制する目的で、SCP-2377-JP-Aの成績状況悪化を誘発するためにSCP-2377-JP-Aの行動・思考リソースを勉学では無く他の娯楽に占有させることを目標としています。プロトコル・カーママーラの実行要素にはSCP-2377-JP-Aの周囲人物(両親・親族・隣人・担当教員・友人など)のEクラス職員としての一時的雇用を必要とし、その協力の下で具体的には以下の行動が取られます。

  • ゲーム機器など娯楽用に特化されたコンテンツの積極的供与。
  • (主に友人による)遊戯・外出への頻繁な勧誘。
  • (主に両親・親族による)旅行やテーマパークへのSCP-2377-JP-Aを伴った遊覧。
  • 趣味嗜好に合わせた多様な分野の活動への誘惑。

プロトコル・カーママーラが効果的だと判断された場合、SCP-2377-JP-Aの成長及び趣味嗜好の変化に合わせこれらの実行要素を継続的に更新していくことが必要となるでしょう。

プロトコル・カーママーラが開始されてから、SCP-2377-JP-Aの成績及びSCP-2377-JPの発生件数は緩やかな低下傾向にあります。このまま効果的に発生抑制が可能と判断された場合、SCP-2377-JPはEuclidクラスオブジェクトに再分類される予定です。

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