SCP-2379
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除染が行われる前の、SCP-2379汚染を受けた区画。

アイテム番号: SCP-2379

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 米国、メキシコ、エルサルバドルの気象機関に潜伏するエージェントは、ハリケーンなど何らかの極端な気象条件が発生する可能性を監視してください。このような天候が発生する場合、エージェントは汚染が疑われる地域全てを焼却によって破壊してください。現在、サイト-19とサイト-77に研究目的のサンプルが保管されています。

トレーラーハウスに関する警察の報告やソーシャルメディアを通して、SCP-2379発生の徴候を監視してください。財団エージェントに汚染の可能性がある地域を警告するため、主要な検索エンジンには一般市民がSCP-2379汚染に対して頻繁に用いるフレーズを認識するアルゴリズムが組み込まれています。汚染地域は機動部隊プサイ-7 ("リフォーム屋") によって解体と除染が行われます。

進行したSCP-2379汚染に対しては航空攻撃による焼却措置が取られます。SCP-2379汚染は複数の管轄区域において進行中であるため、これらの地域で活動するエージェントはSCP-2379の封じ込めと除染に対する基本的な備えを整えている必要があります。

SCP-2379に曝露した一般市民にはクラスC記憶処理を施し、麻薬中毒を装って薬物依存からの更生施設に入所させてください。

説明: SCP-2379は、主に北米の人口密集地の周囲に見られる異常な菌類の一種です。SCP-2379実体は一般にトレーラーハウスに似ていますが、コテージ型の二世帯住宅や並んだ簡易トイレに似た実体も発見されています。庭飾り、足拭きマット、雑なヒト型に似た構造が追加で成長することも報告されています。

ハリケーンと同等の強風や類似した気象条件に曝されると、SCP-2379の構造は分解して数百の胞子を生成します。胞子の3%が生存し、発芽から24時間以内に成熟に至ります。成熟したSCP-2379実体は中空であり、被験者は壁や床をスポンジ状であると評しています。粗雑で形状の整っていないものではありますが、稀にテーブル、椅子、システムキッチンなどが成長することもあります。SCP-2379実体は完全な運動性を有し、無数の微小な菌糸の束を用いて移動します。

居住者を誘引するため、SCP-2379は曝露対象に幸福感を引き起こすエアロゾルの生成を始めます。このガスには依存性があり、曝露対象は提案を受け入れやすくなると同時に協調のとれた運動が困難となります。高齢者においてこの作用はより強く発現します。ガスは汚染地域から4キロメートル離れた個人に影響を与えたことが記録されています。

SCP-2379に居住する対象は頻繁に、SCP-2379に居住していないあらゆる個人を説得して移住させようとします。SCP-2379に汚染された建物への居住を選択した個人は一般的に、部外者への不信感を増大させると同時に、自らの手による食料栽培や道具の作成などの自給自足的な生活スタイルを奨励するようになります。

居住する人口がおよそ200に達すると、全ての建物は地面から自身を引き抜いて最も近い最大の人口密集地に向けて移動を始めます。到着時、住民のいないSCP-2379実体の全てが胞子に分解され、隣接するあらゆる建物を汚染します。汚染された建物は繊維状菌糸によって分解され、その素材はホテル、モーテル、寄宿舎、マンション、中小企業、住宅などのより複雑な構造の形成に用いられるようです。最終的に個々のSCP-2379実体は互いに結合し、外部と隔絶したシステムを形成します。

SCP-2379汚染地域の建築資材が使い尽くされると、その全体は次の巨大な人口密集地に向けて移動を開始し、同様のプロセスを繰り返します。SCP-2379汚染が到達可能な大きさに上限は知られていません。

歴史: SCP-2379は1982年、永続的に居住可能な住宅を菌類から作り出すために、無所属の菌類学者の一団によってプロメテウス研究所の協力の下で開発が始められました。プロメテウス研究所からは資金だけでなく、菌類研究用の資材などの物質的支援も行われました。

1991年、発芽したSCP-2379実体は独立した研究施設の形をとりました。数名の死者を出した後にプロメテウス研究所は施設から人員を避難させようとしましたが、これはスタッフの抵抗により失敗に終わりました。この行動はSCP-2379への長期曝露に起因するものだと考えられています。研究所の職員は汚染された素材の全てを焼却し、抵抗するスタッフを拘束しました。

財団がSCP-2379とプロメテウス研究所の関連に気付いたのは研究所が崩壊した後のことで、現在、これに関与した研究員数名の所在の調査が行われています。現時点で野外に存在しているSCP-2379は、研究所の崩壊後にサンプルを入手した第三者によるものと考えられています。

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