SCP-2379-JP
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██村の住民に撮影されたSCP-2379-JP。

アイテム番号: SCP-2379-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2379-JPの出現地域である長野県██市██村は財団の監視下に置かれています。SCP-2379-JPの出現時期には██村周辺を標準地域隔離手順に従って封鎖し、周囲の上空から撮影された写真及び映像は適宜介入・編集する事でSCP-2379-JPの存在が一般社会に露呈する事を防いで下さい。

また、SCP-2379-JPは日本各地に伝わる『羽衣伝説1』との間に見られる多数の共通点から未発見個体が存在する可能性が高いと判断されており、フィールドエージェントによる捜索が続けられています。

説明: SCP-2379-JPは白い着物を着用した人型実体です。現在まで出現したSCP-2379-JPは全て同一個体であると結論付けられており、共通して20代前半のモンゴロイド系女性の外見をしています。SCP-2379-JPは外部からの呼び掛けや接触に対して手を振る・微笑むなどの反応を示しますが、会話の試みには成功していません。

SCP-2379-JPの出現及び地表への到達は、毎年2月12日~17日の期間内に長野県██市██村上空のランダムな地点にて以下の過程を経て進行します。

事象2379-JPの進行過程 内容
1 ██村の上空が直前の天候状態に関わらず晴天となる。
2 高度約300mの地点が黄金色に発光2し始め、██村内の人間は微弱なウメ(Prunus mume)の匂いを認識する。
3 光が着物を纏った女性の形状に収束し、強く発光したSCP-2379-JP実例へと変化する。
4 実体化したSCP-2379-JPが足元に薄紫色の雲を生成し、その上を歩く事で██村への移動を開始する。この時発生した雲はSCP-2379-JPの通過後に霧散する。
5 SCP-2379-JPが高度約150m地点に到達した段階で放出される光が弱まり、実体の外見を明瞭に観測する事が可能となる。
6 SCP-2379-JPが高度約100m地点に到達した段階で村内の人間が認識するウメの匂いが増大し、発光するウメの花弁が上空から降り始める。これらの花弁は地面に触れると即座に崩壊・消失する。
7 SCP-2379-JPが高度約50m地点に到達した段階で周囲に█羽のメジロ(Zosterops japonicus)が集まり、SCP-2379-JPの移動速度に合わせて囀りながら飛行する。
8 SCP-2379-JPが地表に降り立ち、ウメの匂い及び花弁の発生が停止する。

地表到達後のSCP-2379-JPは██村内を徘徊し、以下の条件が満たされた民家に侵入します。

  • 戸口が施錠されていない。
  • 室内が清潔に保たれている。
  • 室内に神棚が置かれており、塩を盛った杯が供えられている。
  • 玄関先にウメの花と注連縄、12本の破魔矢が飾られている。
  • SCP-2379-JPの存在を知る人間が滞在している。

侵入後のSCP-2379-JPは地表到達から24時間が経過するまで民家に滞在し続け、最終的に肉体が同体積のウメの花弁に置換されて崩壊・消失3します。調査の結果、残留した花弁には異常性が見られませんでした。また、SCP-2379-JPに対する暴行、強引な拘束、及び確保を目的とした接触は実体の瞬間的な崩壊・消失を招きます。

SCP-2379-JPは財団製の人工衛星が撮影した上空写真に写り込んだ事で発見されました。付近のサイトから現場に急行した機動部隊はSCP-2379-JPの収容を試みましたが、実体が即座に消失したため失敗しました。その後の聞き込み調査によって、SCP-2379-JPは村内で『天女様』として信仰の対象となっており、村民達が当該実体に関する一連の事象を伝統行事として違和感無く受け入れていた事が明らかとなりました。

SCP-2379-JPの性質上財団施設への輸送・収容が困難である事、信仰の一環として『SCP-2379-JPの存在を村民以外の者に伝えてはならない』という規則が設けられ、SCP-2379-JPに関する情報が外部に伝達されにくい環境が形成されていた事、及び財団に発見されるまで村内でSCP-2379-JPの自己収容状態が長年に亘り維持されていた事実を鑑みた結果、██村住民への記憶処理は実施されていません。

以下は██村住民へのインタビュー記録の抜粋です。

補遺: 後に行われた調査の結果、██村では住民同士のトラブルの発生件数が不自然な程少ない事が判明しました。しかしながら、██村住民を対象とした検査では彼等が精神影響を受けた痕跡は確認されておらず、これは共通の対象を信仰するが故の同族意識に起因する物であると推測されています。

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