SCP-2385-JP


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2/2385-JP LEVEL 2/2385-JP
CLASSIFIED
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Item #: SCP-2385-JP
Thaumiel

特別収容プロトコル


藤原 聡氏は研究サイト-8145の専用人型収容室に収容します。予期せぬ収容違反の可能性を鑑み、収容室には霊的実体の即時弱体化及び再収容を可能とする複数の設備1を配備してください。Thaumielクラスアノマリーとしての運用計画は補遺-3に記載されています。藤原氏が持つ異常性を無力化した上で記憶処理を施して解放し、アイテム番号を術式本体へ再割り当てする提案について議論が進行中です。

説明


SCP-2385-JPは日本人男性である藤原 聡氏が自慰行為を行う際に発現する呪術現象2です。藤原氏は岩手県 宮古市に居住していた民間人であり、異常に関連する特殊な経歴を持たない30歳の男性 です。 であると考えられていました。詳細は補遺1を参照してください。

藤原氏が自慰行為を行った場合、藤原 聡氏の周囲およそ6mの範囲内に10~45体のCクラス霊的人型実体(以下、SCP-2385-JP-1)が出現します。これらの霊的実体は全て藤原氏の祖先の魂魄であると同定されており、確認された限りでは19代前までの祖先から無作為な人物が出現していると考えられています。SCP-2385-JP-1の出現数は藤原氏の興奮状態によって異なり、より興奮している場合において出現数が増加する傾向にあります。

出現したSCP-2385-JP-1は、直立または屈んだ姿勢で藤原氏の自慰行為を注視し続けます。自慰行為の終了後はその時点の姿勢を保ったまま残存し続け、霊素3が完全に消散するまでの間4同様の姿勢で静止し続けます。

SCP-2385-JP-1の消失前に藤原氏が再度自慰行為を行った場合にもSCP-2385-JP-1は新たに出現します。この際、先に出現したSCP-2385-JP-1と重複する祖先の魂魄が再度出現する事例が多数確認されています。このことから、本質的にSCP-2385-JPは藤原氏の祖先の魂魄を召喚しているのではなく、藤原氏の祖先の魂魄を模った疑似魂魄を生成しているものと仮定されています。

また、確認されている藤原氏の直系の祖先は第一子が全て男児です。第一子以外に異常性が発現した例は現在のところ確認されておらず、異常性の起源との関連が指摘されており、調査が進められています。 調査は完了しました。補遺を参照してください。

補遺-1: 発見経緯


SCP-2385-JPは2000/07/21、観測サイト-81365にて実施された隔年霊素分布観測6の実行中に、”異様に霊体が密集している民家”としてSCP-2385-JPの自宅が注目・発見されました。


藤原氏は観測の16カ月前に離職し、それ以降は就職活動を名目に事実上の引きこもり生活を送っていました。これによって自宅から外出する機会が減少し、結果的に自慰行為とそれによるSCP-2385-JP-1の生成が著しく増加したことによって、遠距離からの詳細な位置特定が可能となるほどSCP-2385-JP-1が山積したものと断定されています。

観測結果をもとに調査を行ったエージェントの報告によると、当時の藤原氏宅周辺はSCP-2385-JP-1の連続生成によって押しのけられたSCP-2385-JP-1実体の山が形成されており、発見時のSCP-2385-JP-1個体数はおよそ████体だったとされています。

補遺-2: 調査・研究結果報告


近傍に駐留する収容チームの調査により、西暦1702年に当時の藤原家当主であった藤原 八兵衛7が執り行った呪術儀式の痕跡であるとの報告が為されました。発見された一部の文献には、儀式の目的は「子孫繁栄・家督永続」であったと記録されており、予想される儀式の効果と呪術部門の研究によって解明されたSCP-2385-JPの呪術的構造の大部分が整合しています。

呪術部門の研究により、SCP-2385-JPが持つ本来の呪術的効能として以下が提言されました。状況証拠からの予測に留まるため断定はできませんが、文献や史実によって部分的な裏打ちがなされており、現在は信憑性の高いものとして考えられています。
  1. 被影響者の第1子の性別が男性になる。
  2. 被影響者が行う性交によって、母体は確実に受胎する。
  3. 第1子の免疫力や自己治癒力等が向上し、疾患・怪我に対し強くなる。
  4. 第1子にSCP-2385-JPが引き継がれる。


SCP-2385-JP-1はSCP-2385-JPの構造的プロセスの関係上必ず出現しますが、結果として生じるSCP-2385-JPの呪術的効能は藤原家が代を重ねるごとに希釈されていると考えられます。具体的には、今代である藤原氏には上記の効果はほぼ引き継がれておらず、2番目の効果以外はほぼ作用していません。これは儀式を執り行った藤原 八兵衛の軽微な失態による術式構造上のエラーであると見做されており、現在の財団の技術による再現・無力化も可能であるとされています。

補遺-3: 運用計画


序文: 20██/██/██、SCP-2385-JP研究チーム及び財団呪術部門所属の上席研究員2名によって、「SCP-2385-JPを利用した霊的資源の安定供給を目的とした運用計画書」が提出・提言されました。これは、近年の財団において多様な霊素感知・幽体拘束・霊界検知・魂魄断定機器8が運用されつつあることによって浮上した「霊的資源枯渇への懸念」を緩和・払拭する目的で提言されたものであり、円滑に運用することで地球規模での霊的資源の減少を現在の減少率から60%~80%程度軽減することが可能であると試算されています。

この提言は財団日本支部理事会およびO5評議会の協議によって採択され、現在は下記の内容で試験的な運用が実施されています。

搾霊養棟 プロジェクト


運用施設: 研究サイト-8145

実施状況: Active

概要: 研究棟Bフロア7階全体を計画運用兼居住フロアとし、一定の防音性能を持つ居室・財団購買部と同等の設備を持つ売店・共同浴場等の設備を用意した上で、SCP-2385-JPと同様の異常性を付与したDクラス職員20名を居住させます。該当するDクラス職員にはD-2385-JP-1~D-2385-JP-20までの専用ナンバリングが用意され、軽作業とそれに応じた給与を支給し、同フロア及び設備の利用を許可した上で一定の自由行動を認めています。該当するDクラス職員は、年齢が20~24歳であり、比較的穏やかな気質を持ち、遺伝子検査から性欲が強いと断定された職員から選抜されています。

研究棟Bフロア6階および8階には霊素回収用設備が配備されています。これらは主にガゴウ式霊子変換機によって構成されており、一部がメンテナンス中であっても十分な台数9が維持されています。Dクラス職員による自慰行為を確認し次第SCP-2385-JP-1を素材として吸引し、各霊的構成要素をエクトプラズムパックA~Dとして詰め替えた上で保管庫に自動で輸送します。

成果報告: 研究サイト-8145においては他サイトと比較して多くの霊素感知・幽体拘束・霊界検知・魂魄断定機器が配備・運用されており、それに伴って霊的資源の消費も増加傾向にありましたが、現在は霊的資源が潤沢であり、飽和した霊的資源を他サイトに供出する計画も成功裏に履行されました。

設備の配備・運用コストの面では未だ複数の課題・懸念点が指摘されていますが、1つの施設で複数の施設分の霊的資源を確保可能であるとの試算も計上されており、今後の運用拡大が見込まれています。

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