アイテム番号: SCP-2389-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2389-JPが観測される家屋は不動産業者に偽装した財団フロント企業の管理下に置かれ、記録上はエージェント・佐伯が所有しています。1999年現在、Dクラス職員を起用した実験は岩場博士の許可を得た上で行ってください。職員による家屋内部への侵入も制限されています。
家屋内部は監視カメラを用いて24時間体制で監視され、内部調査の際は遠隔用ロボットを起用し実施してください。
現在、該当家屋周辺には空間固定用のスクラントン現実錨が設置されており、行方不明となっている過去の居住者23名の捜索と並行して実験記録2389-JPにて観測された空間のマッピングが進められています。
説明: SCP-2389-JPは██県██市███の住宅街に位置する、平屋建ての家屋内にて発生する異常現象です。
SCP-2389-JPの異常性は家屋内に人間(以下、被験者)が存在しかつ時刻が深夜2時に到達した際に発現します。SCP-2389-JPは被験者にのみ観測され、主に何者かによる足音として認識されます。SCP-2389-JP発生は段階的に進行し、初期段階で光源の消失(原因不明の停電など)、その後、約1名と推定される足音が観測されはじめます。この足音は約3分が経過する毎に1名分増加していき、比例関数的に増加を続けます。これは被験者が死亡する、日の出が確認されるまで継続します。また、それに合わせ被験者はより強い恐慌状態へと移行し、軽度の精神影響も発生します。SCP-2389-JP発生中に屋外に脱出した場合も一時的な現象の終息は確認されますが約10分が経過した段階で再度足音が観測され増加を再開します。なお、この際の足音は外部の環境に依存した音(コンクリートを踏んだ音、水を踏んだ音、土を踏んだ音など)に変化し、被験者の何者かに追われているという認識をさらに強めます。
これらの現象は家屋内に被験者が複数人存在していた場合も例外なく発生し、該当する被験者全員がSCP-2389-JPを観測します。現在、D-22738が参加した実験を除き、非被験者による外部からのSCP-2389-JPの観測は成功していません。また、足音の発生源も特定できておらず、観測に関しては被験者への認識災害の可能性も考慮し調査が継続されています。
SCP-2389-JPの異常性は被験者がSCP-2389-JP終了後に該当家屋を離れたとしても発現し続け、該当家屋以外のどの様な地点においても深夜2時に到達した段階で被験者は足音を認識します。現在、SCP-2389-JPの発生、またはこれらの症状を緩和させる試みは成功していません。
補遺1: SCP-2389-JPは1998年8月11日に曰く付き物件の現地調査を行っていたエージェント・小林によって発見されました。当時、SCP-2389-JPの発生が確認されていた該当家屋は計23回の入居者の入れ替わりが発生している曰く付き物件と認識されており、現地調査を行っていたエージェント・小林自身による家屋内調査が実施されました。その際、SCP-2389-JPの発生を確認。結果、エージェントは3時間に及ぶ家屋内調査を行った後、日の出と共に意識を喪失。機動部隊により救出され、該当家屋も財団の管理下に置かれました。エージェント・小林に関してはサイト-81██の人型収容室に収容されており、現在もSCP-2389-JPによる足音を認識し続けています。
調査の結果、該当家屋の最初期の所有者は██ 玄六氏という人物であった事が判明しており、1980年から██氏が絶命する1997年11月██日まで居住していたと記録されています。なお、██ 玄六氏(当時35歳)は家屋を所有する以前の1972年2月██日までは妻:奈々子氏(当時33歳)と婚姻関係にあり、娘:京子氏(当時9歳)を含めた一家で外出中に交通事故に巻き込まれ、その際に██氏は両目を失明、妻と娘の2名に関してはその時点で死亡した事実が判明しています。現在これらの事案とSCP-2389-JPとの関連が調査されています。
補遺2: 以下はD-22738が参加した実験の記録です。