
SCP-2395-Aの場所。
アイテム番号: SCP-2395
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 観測拠点44は、エリア-30からの通信と支持を維持しつつ、SCP-2395およびSCP-2395-Aの監視を継続します。SCP-2395の周辺半径250mは予防ゾーンとして確立されており、観測拠点44は任意の顕著な動きや活動を監視し続けます。SCP-2395-Aの住人との更なる意思疎通は、後述するミル博士との対話以降、最早成立する可能性が低いと判断されています。
説明: SCP-2395は南極の南緯82°08'02.1"、西経16°59'05.5"に存在する巨大な値札です。観測用空中ドローンは、SCP-2395の価格が"$҉ 585.98" [原文ママ]であることを記録しています。
SCP-2395は地面に埋め込まれた小さな鉄筋の輪の部分に、長さ0.7mの麻紐で繋がれています。SCP-2395の寸法は長さ258m×幅90mであり、厚さ2.5mのポリエチレンの層がSCP-2395の価格が記された紙をカバーしています。
SCP-2395は繋がれている鉄筋の周囲において、通常は未知の力にランダムな方向および速度で操作・移動させられる形で、予測不能の遠心/求心運動を起こします。11/2/16に起きた事例では、SCP-2395は時速およそ65kmの一定速度を維持しつつ、時計回りに49秒間回転していました。研究者らは、SCP-2395を鉄筋に繋ぎ止めている麻紐が異常な引張特性を有する可能性を指摘しています。
SCP-2395-Aは、SCP-2395から0.3km東にある木造の小屋です。この建造物は概ね無人ですが、例外として一部屋のみが未知の人物 ― 恐らくは人間女性 ― によって内側から封鎖されています。部屋のドアには"L.C.E."という頭文字が刻み込まれています。この人物(SCP-2395-Bと指定)は口頭での意思疎通に応じないものの、時折、他の実体と対話しているのが記録されています。
補遺2395-Q: [1968/8/2] SCP-2395-Bとの間にインタビューを確立するための数多くの試みの後、ドアから鋸の刃が突き出して郵便差し入れ口に似通った長方形の穴を作った後、そこから紙切れが押し出される様子を監視カメラが捉えました。紙上に書かれていたメッセージは以下の通りです。
分かった、質問書いといて、休憩中に読んどく
SCP-2395-Bとの意思疎通のためにエリア-30からミル博士が呼び出され、より多くの情報を得るためにメモ用紙の継続的な使用が提案されました。SCP-2395-Bからの返答は、ミル博士のメモ送付から1~2日遅れて受け取られていることに留意してください。
ミル: では、もし貴方が対話よりもこうしてメモの受け渡しをすることを好むというのならば、貴方の状況と役割についての質問を幾つかさせて頂きたい。宜しいでしょうか?
2395-B: 単語は≤10で、時間の無駄
ミル: 何故ここに居るのかを説明してもらえますか?
2395-B: 一日中ムカつくほど寒いし、あたしには仕事があるから
ミル: 何の仕事ですか?
2395-B: 購入のオファーを待ってる。据え置き価格じゃないけど、あたしたちが利益を上げるためにはもうこれ以上下げらんない感じ
ミル: では、貴方は特定の組織のために働いているのですね?
2395-B: あんた目見えないの、ドアに名前書いてあるでしょ
ミル: 値札の動きについて説明してもらえますか?
2395-B: ここであたしは物を売ってるってさっきも言ったよね
ミル: 貴方は一体何を売ろうとしているのですか?
2395-B: 地球
ミル: もっと具体的にお願いします。
2395-B: 地球、惑星、テラ・ノヴァ、生命の青き球、肉の巣、その他いろいろ
ミル: それは値札の動きに関する回答にはなっていませんね。
2395-B: ねぇ、枯れ葉が付いた枝を拾うと何が起こるか分かる? 何かの店で値札が付いた品を手に取って軽く調べたりしたら、値札はその周りでひらひら動くよね? 値段がいくらするか確かめるために値札を直接手に取ったりもするよね? 何かが値札を見ているんだって想像してみればいいじゃない。今の忘れて、あんたたちにはどうせ無理だよね。
もう分かった? あたしたちは地球を売ってるの。それで、あたしは値段を確かめにくる乗り気な買い手との交渉で忙しいの。
補遺2395-LC: 要注意団体「ライト・クーリエ・エンタープライズ」についての更なる情報は、ミル博士に異常事態について問い合わせて下さい。さらに詳しい情報は、SCP-1920、 SCP-1940、SCP-1740及びSCP-2940からも得られます。