SCP-2397-JP
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アイテム番号: SCP-2397-JP

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: Anomalousアイテム保管庫を全て監視カメラにより監視し、SCP-2397-JPの発生に常に備えてください。SCP-2397-JP発生後、出現したSCP-2397-JP-Aはナンバリングをしてサイト-8129の特別生物収容室へ個別収容してください。

追記(2020/5/17): 出現したSCP-2397-JP‐AへGPSを装着し、意思疎通の可能なSCP-2397-JP‐Aへ定期的なインタビューを行い財団への忠誠度の確認を行ってください。また事案2397-JP発生後、SCP-2397-JP-Aの収容室の壁面、天井は常に点検され劣化などを確認次第即座に修繕を行ってください。

Anomalouscaris

SCP-2397-JP‐A発生例

説明: SCP-2397-JPは保管中のAnomalousアイテムが不定期にアノマロカリス・カナデンシス(Anomalocaris canadensis)に変化する現象です。現在SCP-2397-JPはサイト‐8129のみ確認されており、他サイトでの発生例はありません。SCP-2397-JPの発生を予測することは現時点では不可能です。SCP-2397-JP発生後、出現したアノマロカリス・カナデンシス(以下SCP-2397-JP‐Aと呼称。)は宙に浮き、収容されている収容ロッカーの壁を透過し脱走します。その後ほとんどのSCP-2397-JP‐Aが収容室内上空を円形に漂い続けます。

SCP-2397-JP‐Aは変化前のAnomalousアイテムの異常性と類似した異常性を保持しています。以下はその一例です。完全版はSCP-2397-JP-A発生例一覧を参照してください。

発生例2397-JP-A-1

変化前: 装着すると右目の視力が5.0になる眼鏡

変化後の異常性: SCP-2397-JP‐Aを視認する際のみ右目の視力が0.01に変化した。

発生例2397-JP-A-12

変化前: 摂食すると「さようなら」という女性の声が胃の中から聞こえてくるチーズスフレ

変化後の異常性: 「こんにちは」という女性の声を発しながら漂うようになった。

発生例2397-JP-A-23

変化前: 接触している面にひびが発生し、修復するといった行動を繰り返すハンマー

変化後の異常性: 破損した部分に接触すると低速度で改修が行われるようになった。

発生例2397-JP-A‐37

変化前: 晴れの日に明るく発光し雨の日に内部に水が溜まる風船。

変化後の異常性: 晴れの日に発火し雨の日に足の付け根から水を発生させるようになった。

発生例2397-JP-A-43

変化前: 接触すると浅い切り傷が発生するボール

変化後の異常性: 負傷した部位に接触すると怪我が治癒するようになった。

補遺1: 2020/4/24、AO-2397-JPがSCP-2397-JP-A-93へと変化しました。変化前AO-2397-JPは紐を動かすことで筆談を行うことが可能な麻紐でしたが、SCP-2397-JP-A-93に変化後は会話を行うことが可能になりました。以下は実施されたインタビューの記録です。

インタビュー記録2397-JP-1

対象: SCP-2397-JP-A-93

インタビュアー: 国都博士

<インタビュー開始>

国都博士: こんにちは。私の言っていることが分かりますか?

SCP-2397-JP-A-93: ええ、良く分かりますよ。

国都博士: それは良かった。では、インタビューを開始します。まず、何故アノマロカリスに変身したのか、分かっていることを話してください。

SCP-2397-JP-A-93: ええっとですね……憧れですかね。

国都博士: 憧れ?何に対してですか?

SCP-2397-JP-A-93: あなた達がオブジェクトと呼んでいるもの達への憧れです。私たちはAnomalousアイテムと呼ばれていますよね。

国都博士: ええ、そうですね。

SCP-2397-JP-A-93: 私たちAnomalousアイテムはすぐにロッカーにしまわれるだけで終わりです。なかなか出してもらうことはできないし、一度しまわれたらもうそのままです。でも、オブジェクトと呼ばれるものは違う。こうやってインタビューもされるし、実験もよく行われる。

国都博士: ……どこでその情報を得たのですか?

SCP-2397-JP-A-93: えーと、確か同じAnomalousアイテムにラジオがいますよね?隣の収容室にいる。

国都博士: ラジオ……[資料を確認する]ああ、この「勝手にチューニングを行い、番組内容をトリミングすることで会話を行うラジオ」ですか。ええ、確かにあります。

SCP-2397-JP-A-93: その子が教えてくれましたよ。時々オブジェクトについて話している人がいて、私たちよりもすごいもの達が沢山いることを。それで、その、憧れたのです。そのすごい異常性を持っているオブジェクトや、なんでしたっけ、Safeとかいいましたっけ。そう言った肩書を持つオブジェクトに。

国都博士: だからアノマロカリスに?でも、いったいどうやって変身したのですか?

SCP-2397-JP-A-93: いや、私もこの変身は実は予想外だったのです。何か、外部の力が働いたというか、そう、私の思想に合致する神様みたいな、そういう何かが私を変えてくれたような。そんな感じです。すみません。それ以上は良く分かりません。

国都博士: そうですか……他にもアノマロカリスになっているAnomalousアイテムが多数存在していますが、これは何故ですか?

SCP-2397-JP-A-93: はあ。みんなオブジェクトになりたいのではないでしょうか?大体ほとんどのAnomalousアイテムが知っていることですし。憧れるのも無理はないかと。

国都博士: ふむ……あの、やめてもらうことはできないでしょうか?

SCP-2397-JP-A-93: うーん、といいましても。私そのものは頑張れば元に戻れるかもしれませんが、他のアイテムの変身を止める力は私にはないです。無理ですね。

国都博士: ……分かりました。とりあえず今日のインタビューは終了します。また定期的にインタビューを行いますので。

SCP-2397-JP-A-93: ということは。あの、収容室にいけるという事ですか?

国都博士: 行けるというか、収容されてもらいますよ。もちろん。

SCP-2397-JP-A-93: ああ、収容!かっこいい響き。嬉しいです。

<インタビュー終了>

終了報告書: インタビュー終了後、SCP-2397-JP-A-93は自発的に収容室まで向かい、収容に対し非常に協力的な態度を見せました。

事案2397-JP: 2020/5/10、SCP-2397-JP-A-93の体長が突如4m程度まで上昇し、背中から羽が出現しました。この変化によりSCP-2397-JP-A-93の収容室の天井と壁面が破壊され、周辺収容施設の破壊によりSCP-████-JPの収容違反が発生しました。以下はその際の音声記録です。

音声記録2397-JP

<再生開始>

国都博士: SCP-2397-JP-A-93!聞こえますか!

SCP-2397-JP-A-93: あ、国都博士さん!こんにちは!

国都博士: い、いきなりどうしたんですか?なんでこんなことを?

SCP-2397-JP-A-93: いやいや、実は聞いちゃいましてね。私のオブジェクトクラスとやらを。私はSafeというらしいですね!

国都博士: え、えっとそれをどこで……いや、いいです。続けてください。

SCP-2397-JP-A-93: それで、それよりも上のKeterというものがあるとも聞きました。Keter!かっこいい響きじゃないですか!

国都博士: だから大きくなって危険になったと?

SCP-2397-JP-A-93: その通りです!どうですか?これでKeterになれますか?

国都博士: あの、あなたはKeterをどう認識してるのですか?

SCP-2397-JP-A-93: え?えーっと、かっこよくて、何か今よりいい暮らしができるみたいな感じですかね?強くて尊敬されるような、すっごいものになれるはずです!

国都博士: ……いえ、むしろ今より厳重に収容されて自由が無くなるでしょうね。尊敬より畏怖の対象になり、あなたの思い描いているような存在からはかけ離れることになるでしょう。

SCP-2397-JP-A-93: え。

国都博士: それにあなたが大きくなったせいでこちらの人員も多少負傷してしまい、被害も増大しています。とても尊敬されるような行動とは思えませんが。

SCP-2397-JP-A-93: そ、そうだったのですか。それは申し訳ないことをしました……。

国都博士: ちゃんと収容手順に従ってきちんと生活をしているほうがかっこいいし私は尊敬しますよ。とても。

<再生終了>

終了報告書: 上記の会話終了後、SCP-2397-JP‐A-93の容姿が元に戻り、またそれと同時にSCP-2397-JP‐A‐23、SCP-2397-JP‐A‐43などが周辺施設、負傷した職員の治療を行い始めました。以降SCP-2397-JP‐A-93は再び協力的な態度を見せていますが、SCP-2397-JP‐Aの特殊な変身能力、潜在的な脅威度が懸念され、2020/5/17、オブジェクトクラスの再指定と特別収容プロトコルへの追記が行われました。

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