SCP-2408
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アイテム番号: SCP-2408

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 財団はGoI-0432の活動が疑われる地域の法執行機関への潜入・統制を行うことになっています。GoI-0432の異常な活動に関する情報は隠蔽されます。機動部隊プサイ-13("魔女狩人")はGoI-0432構成員(SCP-2408-1)の捜索及び抹殺任務を課されています。構成員が生け捕りされた場合、終了する前に(必要と見なされた任意の手段を用いた)徹底的な尋問が行われます。;遺体は解剖され、有害廃棄物プロトコルに基いて処分されます。

機動部隊プサイ-9("深淵を見つめる者")は、SCP-2408-3の研究員の警備を担当することになっています。SCP-2408-3に進入しようとする人物は発見次第終了されます。潜在的なアクセスポイントの捜索のために巡視を行い、ポイントは発見され次第安全に封印されます。

SCP-2408-3の収容・研究のため、武装遺物・生物収容エリア-06がモスクワの地下に建造されています。

説明: 主にソ連崩壊後に成立した国々において、異常犯罪組織およびサーキック・カルトとして活動するGoI-0432("ハンターの黒きロッジ")に関連したいくつかのアノマリーがSCP-2408に指定されています。SCP-2408-1は、総体的な肉体変容能力を有する遺伝的には正常な人間です。既知の変化箇所は以下の通りです。

  • 2倍、時には3倍の質量増加(主に筋肉)。
  • 骨密度の増加。
  • テストステロン産生の増加(標準的な成人男性の約6倍)。
  • アドレナリン産生の増加(標準的な成人男性の約4倍)。
  • 肉体の質量増加に比例する精巣・副腎、脳を除く臓器の増大。精巣・副腎は質量増加との比例を遥かに超えるサイズになるが、脳には大きさの変化は見られない。
  • 様々な非ヒト生物の身体的特徴の発現(例として、オオカミ、ヤギ、ブタ、クマ、シカ、タコに類似する特徴が記録されている)。
  • 二脚運動、ないし四脚運動へ移行する能力。
  • 感覚機能の増幅(視覚、聴覚、味覚/嗅覚は人間の知覚的限界を越えている)。
  • 筋力、敏捷性、再生能力の増幅。

プロテウス-クローネンバーグ症候群とは異なり、SCP-2408-1個体は細胞安定性を維持しながら可逆的な変化を行うことが可能です。こうした変形がいつまでも維持できるものなのかどうかは分かっていません。完全な変身は10~30秒以内に遂げられます。

SCP-2408はオペレーション・ファルケンラス中に発見されました。

オペレーション・ファルケンラスはGoI-0432の潜入を含んでいます。"ハンターの黒きロッジ"(あるいは単に"ブラックロッジ")として知られるGoI-0432は、恐喝、殺人、盗難、賭博、売春、人身売買、薬物売買、武器売買、非合法な闘技場と関係しています。これらの活動は本質的には異常なものではありませんが、GoI-0432の異常能力は彼らの活動に常軌を逸した影響を与えてきました。そのような異常案件は以下の通りです。

  • 異常な医薬品の密売・流通、主にアナボリック・アンドロジェニック・ステロイド "Гнев"1として販売されていた。 Гневの静脈注射は、筋肉と骨の異常なレベルでの成長を引き起こす。継続摂取及び(または)過剰摂取はプロテウス・クローネンバーグ症候群及び(または)死をもたらす。分析はこの物質が未確認の動物種の副腎から採取されたものであることを示唆しており、そのためSCP-2408-2Aに指定されている。
  • 強度の麻薬であり、流行しつつある2"クラブ・ドラッグ""である Похоть"3の密売・流通。通常はガラスの小瓶に入れて売られ、副鼻腔への通気を通して体内に摂取される(注射は例外なく致命的であることが判明している)。当該物質は多岐に渡る幻覚、動悸の強まり、性的興奮の増大、幸福感をもたらす。研究によりヘロイン以上の中毒性を持つことが明らかになっている。これらの効果は非異常性(当該物質は恐らく利益を生み出すために製造されている)であるものの、物質それ自体は未確認の種の髄液に由来すると思われ、そのためSCP-2408-2Bに指定されている。
  • 財団によって異常性があると見なされた病原体や毒素を含む生物兵器の密売・流通。"Красная Смерть"4の製造・流通は非常に高レベルの脅威に相当する。既にSCP-███に指定されており、"赤い死"に関する情報は現在、最小権限の原則の下でのみ入手できる。
  • GoI-0432による犠牲者は巨大な有機体の棘5に貫かれるか、バラバラに引き裂かれた状態で発見されている。血による蹄跡、角か牙を持つ動物による刺突と一致する傷、大型のオオカミのような生物を示唆する歯型といったように、死体は複数の異なる動物による襲撃を示唆する損傷を示している。

ソ連の崩壊を契機として、多くのアノマリーやそれに関する文書がGRU"P"部局の管理下から財団へ譲渡された際に、財団はGoI-0432の存在を認識しました。GoI-0432の実在は、GRU"P"部局の元局員によって更に裏付けられました。彼らはGoI-0432によってもたらされた脅威や関連するアノマリーを完全には収容、あるいは無力化できなかったようで、ある情報源は当該組織が何度か明らかに壊滅したこと - 数カ月後にはどうやらより強化されて再び姿を現したことを記述しています。

オペレーション・ファルケンラスの一環として、機動部隊プサイ-13("魔女狩人")のエージェント ████ S████は1994年4月11日にGoI-0432への潜入任務を正式に課されました。機動部隊プサイ-13はプロジェクト:シトラ=アキュラの一環として結成された、財団・GOC共同の高機密指定部隊です。機動部隊プサイ-13はサーキック6組織への潜入と脅威度の高い構成員の終了を目的としています。

プロジェクト:シトラ=アキュラの一環として、機動部隊プサイ-13の隊員は対オカルト欺瞞戦略(Counter Occult Stratagems,COS)及び腐食性/焼夷性の武装運用についての訓練を受けています。各エージェントは焼夷弾及び腐食性の弾薬が使用できるように改造されたSIG Sauer P226を装備しています。

犯罪者としての名声を高め、最終的にGoI-0432の目を引くために、エージェント S████は雇われの殺し屋 "ドミニク・ムイシュキン"としてモスクワで活動しました。1995/01/20、エージェント S████はGoI-0432構成員からの連絡を受け、Красные фонариに訪れるよう指示されました。

Красные фонари("レッド・ランタンズ")はゴルヤノヴォ地区に存在する人気のナイトクラブ/性風俗店です。ブラックロッジのフロント組織として用いられており、強制売春・人身売買・違法な(大部分が異常な)麻薬の流通への関与が疑われています。現地の法執行機関は汚職やGoI-0432による脅迫のために介入していないと考えられます。

任務の繊細な性質のため、エージェント S████は記録装置を装備していませんでした。その代わりに、情報はデッド・ドロップ7を通じて、財団に伝達されました。SIG Sauer P226を携行したエージェント・S████は、1995/01/25の午後9時にナイトクラブへ進入しました。エージェント・S████は近づいてきた用心棒に観察され、短い会話の後に彼の後に付いて行きました。ナイトクラブにいたエージェントは、S████がメインフロアを見下ろす2階のVIPスイートへ送り届けられる様子を報告しています。エージェント・S████は、1995/01/29の午前8時までナイトクラブから退出しませんでした。その後、およそ午後9時にデッド・ドロップ地点へメッセージが送り届けられました。

以後、財団はエージェント S████からのミッションレポートを隔週で受け取ることになります。


1995/05/28、エージェント S████のMIAが宣言されました。

1995/06/04、多くの審議の後に、レッド・ランタンズを含む複数のブラックロッジ拠点に対する強襲が行われました。襲撃中、変身を遂げるSCP-2408-1が直接観察されました。彼らの攻撃と異常に増幅された戦闘能力にも関わらず、SCP-2408-1の脅威は焼夷兵器の使用によって徹底的に無力化されました。(財団側は思いがけない被害によって負傷者が僅かに出た程度でした。)作戦の継続につれて、ブラックロッジが最小限の人員 - 区域内における構成員のごく一部だけを配備していたことが間もなく明らかになりました。

ミッションはSCP-2408-3の発見をもたらす結果となりました。

SCP-2408-3は、モスクワ市の地下深くにある巨大洞窟内部に位置する巨石神殿複合体です。およそ3000年前に建造されたと推測されており、これはロシアにおける最古の構造物であると同時に、サーキック文化集団の標式遺跡です。SCP-2408-3の構成物には、無機的構造と有機的構造という2つの形態があります。無機的部位は外側を取り囲んでおり、斑れい岩(一般に"黒御影石"として知られています)の積み重ねられた巨石によって構築されています。異常な有機的部位は内部を満たしており、骨や筋肉、内臓から構成されています。

複合体の「地表」の中から、闘技場と大祭壇が発見されました。洞窟の天井からは12人の年老いた女性の死体が吊り下がっていました。 - どうやら腹部から腸を取り出され、自らの腸管で縛り首にされたようです。床に設置された鉄格子は食肉加工工場で見られるものと類似しており、おそらくは血液や大まかな臓器を捕えるべく設計されています。

第一幕: 見よ、蒼ざめたる馬来たりて | 追憶のアディトゥム

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