アイテム番号: SCP-2411
オブジェクトクラス: Neutralized (旧Keter)
特別収容プロトコル: SCP-2411は安全かつ不透明な容器内に鍵を掛けて保管し、サイト-30の高価値品保管室に収容されます。この部屋はサイト管理者のみが、少なくとも2名のレベル4研究員を伴った場合に限りアクセス可能です。SCP-2411の特注品のロックはレベル5職員の承認が無い限り除去されません。財団職員は如何なる状況下でもSCP-2411を直接取り扱うことを許可されません。2名の警備員を保管室の外部に常時駐留させます。如何なる状況でも、SCP-2411の実験に参加したことがある、もしくはその特性を認識している研究者や弁護士は、サイト-30への入場を許可されません。
説明: SCP-2411は典型的な██████モデル███短銃身リボルバー拳銃に類似しています。標準モデルとの唯一の物理的な違いは、本来シリアルナンバーが位置するところに彫り込まれた“FOR INTERNAL USE ONLY(社外秘)”という語句です。
何らかの会社または組織に雇用されている人物(以下“使用者”)がSCP-2411の銃口を口の中に入れて引き金を引いた場合、それは使用者が所属する会社/組織の他全ての従業員を即座に死亡させます。死因は額の銃創のように思われますが、負傷の原因が発見されることはありません。SCP-2411は装填されていない状態でもこの効果を引き起こすため、必ずしも使用者自身の死亡は伴いません。
回収当時、SCP-2411の異常性質の詳細は判明しておらず、財団法務部門の審査を受けるよう倫理委員会から指摘されるまでは、Dクラス職員を対象とする標準的な実験が計画されていました。法務部門は、SCP-2411に予想される影響力を踏まえたうえで、Dクラス職員は財団の従業員であると見做されるべきだと結論付けました。従って、仮に実験が予定通りにDクラス職員を用いて行われた場合、それは恐らく、現在の財団に雇用されているあらゆる人物の即死に繋がると想定されています。
Dクラスの身分を付与されていない[編集済]矯正施設の受刑者を対象とする緊急的実験が実施されました。この実験には研究者の他にも、財団法務部の代表者たちが法的に有効な雇用契約書・事業認可書・その他の書類を必要に応じて手配するために参加しました。以下のような効果が観察されました。
- SCP-2411は、使用者が無職である場合は効果を示さない。
- SCP-2411は、特注のロックで銃器の正常な機能を妨げられている場合は効果を示さない。
- 合法的に企業が解散した場合、SCP-2411は、その企業の元・従業員が使用しても効果を示さない。
- SCP-2411は、個人事業主、合名会社、企業、非営利組織、慈善団体、宗教団体、および政府機関に影響を及ぼし得る。
- 口頭での契約は、SCP-2411が効果を発揮するうえで有効であると見做される。
- SCP-2411は、使用者が引き金を引く前に自身の地位から辞任/辞職/退職している、または解雇されている場合は効果を示さない。従業員またはその雇用者による口頭での契約終了通達は、SCP-2411の致死的効果を回避するうえで十分である。
- SCP-2411は、効果を発揮するためには使用者の口中になければならない。研究者たちは、SCP-2411が他の開口部に挿入されている状態でも機能するか否かは調査しないことを決定した。
- 新入社員がSCP-2411を使用した場合、経営陣の死を引き起こす。逆もまた同様である。
- 給与支払いは従業員と見做されるうえで必要ではないが、給与未払いのインターンはSCP-2411の効果から除外される。
- 弁護士は“獲得確信疑念財団(The Procure, Certain, and Suspect Foundation)”の仮の会社定款を起草し、そこに“クラスZ”職員の徴用を可能とする規定を付け加えた。“クラスZ”職員によって使用されたSCP-2411は、“Uh-5”評議会の監督役員らをはじめとする全てのPCS財団職員に影響を及ぼした。これは、SCP-2411をDクラス職員で実験した場合の危険性の仮説を証明していると思われる。
- 実験に関与した使用者の一人は、[編集済]州の数ヶ所の刑務所内外で活動している白人至上主義ギャング[編集済]の長年の構成員だった。ギャングの全構成員(約███名)の即死は、ライバルのギャングによって画策された高度暗殺計画によるものという偽情報活動によって説明された。これはSCP-2411の一回の使用で発生した既知の最大死者数である。
- “二重スパイ”として活動している使用者は、潜入している組織には害を及ぼすものの、潜入任務を割り当てた側には影響を及ぼさない。即ち、ある使用者が企業Aに秘密の忠誠を誓いつつ、法的には企業Bに雇用されている場合、SCP-2411の使用は企業Bの従業員の死を齎す。
これが我々の職務を監査している倫理委員会が必要な理由の一つさ、諸君。我々には盲目的にDクラス実験を行うことも、それが決して我々の尻を噛み千切りには来ないと考えることも許されない。もし彼らがこれを使用していたなら…ああ、財団の存在しない世界など考えたくもないがね。これが鬱病を患った政府役員の手にでも渡ったらどうなるかと想像してみたまえ。或いはあの忌々しい█████████の誰かに。我々の安全性を確保する方法が全従業員を無給のインターンにすることしかない以上、私は可能な限りこいつの破壊申請を提出するつもりだ。
—[編集済]博士
SCP-2411の適切なオブジェクトクラス指定を巡っては幾つかの議論が交わされました。SCP-2411それ自体は収容違反の明白なリスクを提示していない“Safe”の定義と合致するものでしたが、一部の職員はSCP-2411が財団の存在に向けている脅威を考えると、本来“Keter”にのみ実施されている無力化の研究が不可欠であると主張しました。SCP-2411の主任研究者であった[編集済]博士は、基本となる収容プロトコルを、当該オブジェクトが有する異常性質の知識が広範に拡散することを防止できるように制作することを要求しました。サイト管理者[編集済]はこの要求を[編集済]に承認し、SCP-2411を無力化保留中のKeterクラスオブジェクトに分類しました。
SCP-2411の破壊申請は[編集済]を以てO5評議会に提出されました。[編集済]、評議会は全会一致でSCP-2411の破壊に賛成票を投じました。破壊は[編集済]に実施され、SCP-2411は現在、Neutralizedと見做されています。O5による審議の転写は、サイト-30を管轄する地域の監督を担当しているセキュリティクリアランスレベル5の職員1名のみが閲覧可能です。