特別収容プロトコル: SCP-2417はサイト-201の標準収容室に保管されます。24時間毎にSCP-2417には0.5mLの血を満たした小瓶を与えます。SCP-2417とのインタビューの際には、インタビュー者とSCP-2417を壁で仕切り、マイクとスピーカーを使用してコミュニケーションを行います。情報の報酬として紙や血が与えられます。
説明: SCP-2417は知性を持つ白の折り紙です。SCP-2417は自身を様々な形に折り、動き回ることができます。それが好む形は7本の足を持つたこに似た姿で、高さ8cm、幅14cmです。SCP-2417は異常な手段により発話することができ、英語および「オルトサン(Ortothan)」と呼ばれる言語で会話を行います。SCP-2417の協力の下に、この言語を翻訳する作業が進行中です。
SCP-2417は紙が与えられると巧みに折り紙をし、作成したもので収容室を飾ります。それは自身の体の一部を様々な操作用の形状に折りたたむことで紙を折ります。それが作成するものには異常性質はなく、協力の報酬としてSCP-2417へ紙を与えることは安全であるとみなされています。
SCP-2417はラクマウ・ルーサン(Rakmou-leusan)と呼ぶ神を崇拝しており、「第二ハイトス教会(The Church of the Second Hytoth)」として知られる組織の一部であると主張します。SCP-2417は、ラクマウ・ルーサンは彼自身を助けるために日々血の生贄が必要であると主張します。これらの儀式はSCP-2417が人間の指や掌に小さな切開を行なうことで構成されます。その後SCP-2417は血を吸収し、血は約20秒後に消えます。儀式を行わない日数が増えるに連れてSCP-2417の不安は増大し、「ラクマウ・ルーサンの終りが近い」と主張します。およそ5日経つとSCP-2417は部屋の隅に隠れ始め、しばしば自身を立方体やピラミッドの形に折りたたみます。この期間に人間が収容室へ入ると、SCP-2417は血を求めてその人物を攻撃します。
SCP-2417は2016年9月8日、カナダ、トロントにある折り紙店のオーナーであるアリソン・██████氏のアパートにおいて、知人により発見されました。アリソン氏は発見の前日、休暇で訪れたドイツにおいて内出血により死亡していました。報告によれば知人は「生きた折り紙」に襲われた後に警察を呼びました。秘密裏に活動していた財団エージェントが電話を傍受し、警察官に偽装したMTF-ユプシロン-20("ホグタウン守備隊[Hogtown Garrison]")が現地へ派遣されました。
SCP-2417と様々な折り紙がキッチンで発見されました。これらの折り紙の中にはキッチンテーブルと戸棚へ伸びる一連の階段、7体の4本腕のヒューマノイド、槍、小さな円状のテーブルなどが含まれていました。アパートで発見されたその他のアイテムには血の入った瓶、(折り紙の)紙の山、第二ハイトス教会に関する宗教文書、SCP-2417が好む姿に似た折り紙がありました。この宗教文書に基づき、アリソン・██████氏は第二ハイトス教会のメンバーであると考えられています。その教会の存在や所在に関する調査が現在進行中です。
補遺:
[記録の開始]
ジャレッド・アキオ博士:おはようございます、SCP-2417
SCP-2417: おはようございます博士。もっと血をくれるために来たのですか?貰った分で十分でしょうが、もっとあるのならいつだって歓迎です。
アキオ博士:いや、いくつかあなたに聞きたいことがありまして。
SCP-2417:ああ、それならどうぞ聞いて下さい。
アキオ博士:始める前に、あなたには呼んでもらいたい名前がありますか?SCP-2417と呼ばれることを奇妙に感じる存在がいることを知っています。
SCP-2417:第二ハイトス教会のアイマクトの司祭(Aímact Priest)アリソン・██████と呼んで下さい。
アキオ博士:それでは…アリソン、まずはじめに、ラクマウ・ルーサンとは誰、または何ですか?
SCP-2417:ああ、高貴なラクマウ・ルーサンですか!偉大なコル・テウサ(Koru-teusa)の最後、第二ハイトス、我々の世界の7つの神聖な戦闘の神。彼らが倒れている間、ラクマウ・ルーサンは生きそして我々の領土への門を守ったのです。
アキオ博士:コル・テウサ?
SCP-2417:神聖な七神(The Holy Seven)はかつてあなたや私に似た存在であり、その人間の姿から昇華し、領土を脅かす外のウォル(Voru)からやってくる力と戦ったのです。七神は我々と我々より前に来たものを永遠にも近い間守ったのですが、1神ずつ負けていきました。第一神は我々皆を守るために自らを犠牲にしました。第二神と第三神は互いの嫉妬と憎悪に殺されました。第五神は忘れさられました。第六神は戦闘で殺されました。第七神は存在することを止めました。ラクマウ・ルーサン、第四神はただ1人で我々の領土を守っているのです。
アキオ博士:なるほど。それではなぜあなたはラクマウ・ルーサンに血を与える必要があるのですか?
SCP-2417:人間の血が失われたとき何が起こるのかよく考えて下さい。頭がフラフラし、弱くなり、気絶します。あるものが人間から神に昇華するとき、いくらかの人間の姿が残ります。コル・テウサも自身の血を保ちますが、漏れることがあります。神の姿はその内に人間の血を持ち続けることができず、その要求が我々の下に来るのです。時がすぎるに連れ、彼らは忘れ去られ、そして血がなければ彼らは倒れます。ラクマウ・ルーサンを知る者はほとんどおらず、知っている者は教会の敵に殺されます。
アキオ博士:教会の残りの人も同じように考えているということですね。
SCP-2417:重要なことは我々が真実であると知っていることを信じることではないですか?
アキオ博士:ふむ。その教会もあなたがするのと似たような儀式を行っているということで合っていますか?
SCP-2417:そうです。ただし私はラクマウ・ルーサンの下へ血を送ることができますが、他の者は血を運ぶためにコル・タウサの聖なる印のある石を血に浸す必要があります。
アキオ博士:それで、あなたは私たちの世界が第二ハイトスであると言いましたね。つまり第一ハイトスがあったという意味ですか?
SCP-2417:そうです。奇妙で全く別の世界です。現れる宇宙の実験場です。
アキオ博士:それに何が起こったのですか?
SCP-2417:それはその恐ろしい名は忘れされてしまったある獣によって貪り食われました。
アキオ博士:まだその獣はいるのですか?
SCP-2417:真実は長い間失われてしまいました。ただし領土の間の見えない隠れた場所で、静かにうろついているのだという者もいます。もしかしたらある日戻り、最終的にあらゆるものが飢えなければならなくなるかもしれません。
アキオ博士:最後に1つ質問です。もしコル・テウサの最後、ラクマウ・ルーサンが死んだら何が起こるのですか?
SCP-2417:魚でいっぱいの池に毒を放つことを考えてみて下さい。放たれた場所から毒は池全体へと広がり、中にいるすべての生命を奪います。フォルをうろつく終わることのない恐怖がその毒であり、それはもしチャンスが無ければ急いで入ってくることはありません。我々の存在はラクマウ・ルーサンにかかっており、彼は我々にかかっているのです。
アキオ博士:よく分かりました。インタビューに協力をありがとう、アリソン。
SCP-2417:どういたしまして。
[記録の終了]
[記録の開始]
アキオ博士:こんにちは、アリソン。
SCP-2417:また別のインタビューですね?
アキオ博士:その通りです。
SCP-2417:いいでしょう、でも終わったらいくらかの血をくれると約束して下さい。ラクマウ・ルーサンは彼の敵を打ち負かすために力が必要なのです。
アキオ博士:約束します。では、あなたの人生についての情報をいくらか教えてもらえますか?
SCP-2417:まず始めに、私の心は非現実のプールから実存へと持ち出されました。20- いや、19- 年の8月3日に。正しい年を忘れてしまったみたいですが、今は問題ではありません。私の家族はラクマウ・ルーサンの栄光を知らなかったために、私を教会へ連れて行くことをしませんでした。
アキオ博士:どの時点であなたは入ったのですか?
SCP-2417:私は大学2年になるまで教会について無知でした。その時私はルームメイトのダリア・オリヴィエと出会いました。彼女が私に教会、真実、そして宇宙について教えてくれました。私は初めての血の生贄の儀式を行なうまで懐疑的でした。ダイアナはナイフを取り私の左手の人差し指を小さく切りました。神聖な正七角形の描かれた石に私の血は落ちました。それが石に当たったとき、私は見ました…感じました…
アキオ博士:どうしました?
SCP-2417:すみません。今でもその瞬間のことを考えると恍惚に感じるのです。私の心は突然宇宙の隅の長らく忘れさられた場所へと連れさられました。そのとき私は聖なる第四神が、彼の栄光の中、現実の穴の上に浮かんでいるのを見ました。私の目には大量の光と暗闇のアーチが映りましたが、私の心はぼろぼろでも依然として輝いている白い防具を身に着けた1人の騎士を見ました。ほんの一瞬私の心は宇宙とつながり、そして私はもっと多くのことを学ばなければならかったことを知りました。悲しいことにこのときから私の記憶は大きく悪化し、私の過去の多くは私の心から離れていきました。
アキオ博士:ふむ。あなたは私たちに会う直前に何をしていたのか思い出すことができますか?
SCP-2417:私は同僚の家に住んでいました。彼女はアイマの司祭、アリソン- 待てよ、彼女の名前は… いや、そんなはずはない… でも彼女は… 彼女の名前は重要ではありません。 彼女は良い人でしたが、私が彼女のことをよく知る前に彼女は亡くなってしまいました。
アキオ博士:それはお気の毒でした、アリソン。
SCP-2417:そのように思わないで下さい、彼女の精神は今やより良い領土に住んでいるのですから。とにかく彼女の死後、私の古い友人であるハナエ・██████が訪ねに行きました。彼女は、動揺したようです。私はなぜ彼女がそのような行動をとったのか知りませんが、彼女はアパートから飛び出していきました。その次に起こったことはあなた達はよく知っていますね。
アキオ博士:なるほど、もしあなたが他に思い出すことができたら、何であっても教えてください。
SCP-2417:そうなればそれは我々2人にとって大きな発見となるでしょう。あなたが出ていく前に、1つお願いをしてもいいですか?
アキオ博士:あなたの滞在を改善するものならば何でもいいですよ。
SCP-2417:あなた達は教会にコンタクトを取ることができますか?近頃教会は厳しい時を過ごしており、私はラクマウ・ルーセンが継続して供給を受けられることを確実にする必要があるのです。[編集済]で教会にコンタクトを取って下さい。
アキオ博士:すぐにやりましょう。
[記録の終了]
注記:インタビューの後、示された電話番号を通じて教会とコンタクトを取る試みが行われ、次の自動メッセージが流れました:「第二ハイトス教会は現在忙しくあります。また別の日に再度電話をお願いします。第四神を崇めよ(Praise the Fourth)」その後の試みも同じ結果に終わりました。現在SCP-2417にはこの情報は知らされていません。
補遺-2: 2016年8月19日、アリソン・██████氏の居住していたアパートへ1通の手紙が届き、秘密裏に活動していた財団エージェントが手紙を受け取りました。調査では手紙には異常性質がないことが判明しました。この報告書の執筆時点、SCP-2417にこの手紙は見せられていません。
アイマクト司祭 アリソン・██████へ
儀式が上手くいったと聞いてよかったです!私たちが行ってきた多くの古い儀式の指示のように、結果が書かれたものの通りとなるのか、また意図しない副作用(例えばオーストリアで一度あったような)があるのかは決して確かには分かりません。あなたと同じくらい上手く折り紙ができるものはほとんどいませんが、私は今、他の様々な司祭を組織し準備ができたならば同じ儀式を行なうつもりです。
しかし、私たちもしかしたら計画を変更したいと思うかもしれません。もし私たちがあの折り紙の器(vessel)を野生に出してしまったら、敵がそれらを操り情報を盗み出さないと誰が言えるでしょうか?もしそれらが壊されれば(非常に高い確率でしょう)、それは時間と努力、そして血液の無駄になります。またあなたのアイデアは簡単に暴力的になるように思います。そうなれば私たちは私たちの評判を落としたダエーワと同じになってしまいます。そして、私がこれから言うことで計画が変わるわけではないことは知っていますが、私と友人の記憶喪失の器が動き回るというアイデアは奇妙に感じます。恐らくそのアイデアに慣れるためには少し時間がかかる人もいるでしょう。
究極的にはこれは教会の大きさを増し血液を獲得して送ることをより簡単にするでしょうが、これらの問題をまず始めに解かなくてはなりません。何はともあれ、ドイツでの旅行を楽しんで下さい!あなたの器に(そして他の器にも)よろしく言っておいて下さい!
アイマクト大司祭 ショーン・███████
補遺-3: 2016年8月25日、午後2時51分頃、アキオ博士は3度目のインタビューのためにSCP-2417の隣の部屋へ入りました。2つの部屋はガラスパネルで区切られており、音を通すための穴が開けられていました。部屋へ入った途端、SCP-2417は自身を折りたたむとその穴を通過し、アキオ博士を攻撃して頸動脈を切断しました。3分後にアキオ博士は失血により死亡しました。SCP-2417は血を吸収し、その染みは3時間後に消えました。SCP-2417はラクマウ・ルーサンの死を防ぐためにそうしたのだと主張しています。取扱方は更新され、またSCP-2417をEuclidへ再分類することが審議中です。完全な事件報告書は事件報告2417-A1を参照して下さい。
第二ハイトス教会の会議がバンクーバーにおいて最近開催されたことが明らかとなり、教会の存在が確かめられました。完全な調査が進行中です。このため、SCP-2417へ血液を与え、さらなるインタビューを行なうことを可能にすることが重要であるとみなされています。SCP-2417の教会の状態に関する心配が先の事件の発生に寄与したと考えられるため、SCP-2417には継続して教会の状態に関する情報が与えられます。
私はラクマウ・ルーサンが死にかけていることを感じることができました。非聖なるフォルテウト(Voruteut)が彼を囲み、傷の上に傷を与え、彼の防具の裂け目を引っかきました。私は教会の動きを待つことができましたが、もしかしたら起こらないことを私は待ちたくありませんでした。だから私は博士の生命を奪い、彼の血をラクマウ・ルーサンへ送ったのです。私はそのような恐ろしい仕事を行ないたくありませんでしたが、もし血がなければ無数の命が失われてしまうのです。心配しないで下さい、博士の精神は悲劇的な死を補うためにエイトス(Eitoth)ヘ行きました。彼が留まるのか、それとも戻ってくるのかは彼次第です。
次の日、SCP-2417は1つの突起をペンとして使用し、収容室にある紙に文を書き始めました。インクはペンの先から出てきました。その文の目的について問われると、SCP-2417は「宇宙の真実を広める」ことをしたいと答えました。下記は書かれていた文の写しであり、オルトサンより翻訳されています。
ラクマウ・ルーサンは第二ハイトスの門の前に立つ。
彼の4本の腕は、侵略者の血で汚れた勝利の棍棒を振り回す。
5回もの永遠(aeon)の間彼はこの世界を守り、これからも彼はそうする。
彼と仲間は第一ハイトスから逃げ、付いてきた者を守ることを誓った。
7神がいたとき、彼は新たな世界を主張する闇の神(One of Dark)を倒した。
6神がいたとき、彼は壊れた創造の暴動を制圧し、彼の都市を締め出した。
4神がいたとき、彼はウォンレイク(Wonlaik)、詐欺師の背信からコルノクト(Kornoct)、エイトスの監視者を救った。
3神がいたとき、彼は第一神の反乱を終わらせた。
2神がいたとき、彼はウォンレイクを屠り、ウォンレイクは今日まで再び成長している。
ラクマウ・ルーサンは第一ハイトスの調和した叫びに負けなかった。
彼は星の声の神の王に屈しなかった。
彼は仲間のように動いたり、負けを受け入れたりしなかった。
ラクマウ・ルーサンは死すまで、時が終わるまで、名もない創造主がもはや見なくなるまで、戦い続ける。
ラクマウ・ルーサンは我らを守る。
補遺-4: SCP-2417の収容に続いて、第二ハイトス協会(GoI#03088に指定)とオルトサン神話に関する複数の異常物体が発見され、これにはSCP-2742、SCP-3140、SCP-3417、SCP-2651、SCP-2821が含まれているのではないかと疑われていますが、関係性は未確認です。この組織に対する調査が進行中です。