SCP-2417-JP
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Foundation Collective
維持され続ける意識
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▶ FC Local Area Network への接続に問題なく成功しました。貴方は夢の中にいます。

アイテム番号: SCP-2417-JP

オブジェクトクラス: Euclid Nagi1

特別収容プロトコル: SCP-2417-JP-Aの周囲には2名の警備員が駐留し、状態は常に監視されます。

SCP-2417-JPが再度活性化した場合、旧特別収容プロトコルが再び施行されます。

注記

以下の説明は、SCP-2417-JPのNagiクラス再分類以前のものである事に留意して下さい。

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外部から撮影されたSCP-2417-JP

説明: SCP-2417-JPは、オネイロイ・ウエスト付近に存在し森林を模倣した形態を持つ中規模の集合意識です。その存在は中心部に存在する巨大な蛹の形状の形而上実体(SCP-2417-JP-Aに指定)に由来すると推測されています。SCP-2417-JP-Aは通常自発的な活動を行いませんが、例外的に会話を行った例も確認されています。

SCP-2417-JPから一定距離内に存在するオネイロイは、稀にトランス状態に陥りSCP-2417-JP内への侵入を試みます。当該影響は精神補強ミームへの曝露により無効化が可能であり、現在の特別収容プロトコルはこれによる対象への対処を主として策定されています。当該影響の対象となるオネイロイについて明確な基準は判明していないものの、傾向として肉体の精神が不安定な状態にある個体が対象となりやすい事が確認されています。

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SCP-2417-JP-B実例

影響を受けた対象がSCP-2417-JP内部に侵入した場合、対象を取り囲む様に濃霧が発生した後対象は消失します。その後SCP-2417-JP内部に、一般的な成体オネイロイと同程度の大きさを有した蛹の形状の実体(SCP-2417-JP-Bに指定)が1匹出現します。SCP-2417-JP-Bは移動不可性・破壊耐性を有しており、外部からの一切の刺激に反応しません。また現在まで、SCP-2417-JP-Bが羽化した例は確認されていません。

SCP-2417-JPの影響により消失したオネイロイの肉体には、精神状態の安定と共に現状からの変化を拒む傾向が見られる様になります。当該事象は単なる性格の変化と認識される程度のものであるため、変化の発生した肉体に対する特別の対応は不要であると考えられています。

文献等の情報から、SCP-2417-JPの規模は前述のプロトコルの施行までの間緩やかに拡大を続けていた事が判明しており、この事から影響を受けた対象の消失並びにSCP-2417-JP-Bの発生がSCP-2417-JPの拡大を誘発すると推測されています。SCP-2417-JP内への対象の侵入は現行のプロトコルによりそのほとんどの妨害に成功しているものの、SCP-2417-JPの広大さ等の要因から年に平均して10体程度の侵入が発生しています。

SCP-2417-JPは夢社会において一般に"クリサリス"と呼称されます。オネイロイ・ウエストから比較的近距離に存在する事、トランス状態に陥るオネイロイが頻繁に発生する事、一定の規模を有する事等から夢社会における認知度は極めて高く、情報化が進んだ現在においてはその存在は一般常識程度まで浸透しています。


補遺1: 特別収容プロトコルの施行から約1ヶ月後の20██/█/██、SCP-2417-JPの封鎖を行っていた職員に対しSCP-2417-JP-Aが発話を行いました。当該事象の連絡を受けた担当チームは封鎖の指揮を執っていたエージェント・███に対し、SCP-2417-JPとの会話を行い情報の回収を試みるように指示しました。

会話ログ2417-JP-1


SCP-2417-JP-A: お前たちは、なぜ彼らが森に入る事を阻むのか。

[担当チームへの連絡、Agt.███への指示が行われる]

Agt.███: 森に入った者たちが消失 ー 恐らくは蛹になってしまうからです。これはあなたの意思で行われている事なのですか?

SCP-2417-JP-A: 否。蛹になる事を望んでいるのは彼ら自身である。私は彼らを許しているに過ぎない。

Agt.███: 許すとは?

SCP-2417-JP-A: 彼らは蛹になる事を常に否定され続けている。故に私が彼らに許しを与えている。しかしこれは正しい在り方ではなく、持続されるべきではない。我々が正しく在るためには、世界が我々を許す必要がある。

Agt.███: [数秒の沈黙] 一度質問を変えます。あなたはどういった存在ですか?

SCP-2417-JP-A: 私はただの蛹である。私が蛹である事に意味は存在しない。私も彼らも、ただ蛹として存在するのみであり、それは自然な事である。あるいは意味があるとするのならば、それはずっと変わっていない。

Agt.███: その意味とは、何でしょうか。

SCP-2417-JP-A: 我々がただ、蛹として在るという事だ。

[以降、SCP-2417-JP-AはAgt.███の質問に反応しない]



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飛行するSCP-████-JP実例

インシデント2417-JP: 20██/█/█、SCP-2417-JP内に蝶の概念に由来するImaginanimalの群体(後にSCP-████-JPに指定)が侵入しました。SCP-████-JPは上空を飛行してSCP-2417-JPへの侵入を行ったため、FC及びオネイロイ・ウエスト警察組織はこれに対し一切の妨害を行う事が出来ませんでした。侵入後のSCP-████-JPには消失事象が発生しなかった事から、この侵入はSCP-2417-JPの異常性に起因するものではなかったと推測されています。

SCP-████-JPはその後SCP-2417-JP-Bに対し、自身の鱗粉の撒布を開始しました。鱗粉の撒布を受けたSCP-2417-JP-Bは直後に羽化を開始し、内部からはSCP-2417-JPにおいて消失したオネイロイが出現しました。後の調査により、これらのオネイロイは消失後の記憶を一切有していない事が確認されています。またSCP-2417-JP-Bの羽化に伴い、SCP-2417-JPが外縁部から徐々に崩壊を開始しました。

SCP-████-JPの上記行動開始から約1分後、SCP-2417-JP-AがSCP-████-JPに対し発話を行い会話が発生しました。SCP-2417-JP内に設置されていた固定カメラがこれを記録しています。

会話ログ2417-JP-2

注記: SCP-████-JPに対しては、便宜上発言順にナンバリングを行います。


SCP-2417-JP-A: 活動の停止を求める。我々が眠る事をなぜ許さないのか。

SCP-████-JP-1: うるさいわね、あなたが迷惑だからに決まってるでしょ。

SCP-████-JP-2: この森が有名になったせいで「蛹は孵るもの」っていう認識が揺らいでるのよ。

SCP-████-JP-3: あんたらの存在は蝶にとって正しい姿じゃないの、分かる?

SCP-2417-JP-A: 否。我々の在り方は不器用だが、しかし許容されて然るべきものだ。

SCP-████-JP-4: 孵らない蛹を認める世界がどこにあるっていうの?

SCP-2417-JP-A: 蝶になる事は絶対的な答えではない。変化とは苦しく、不透明で、常に後悔への恐怖を齎すものである。それに襲われ壊れゆく者がいるならば、彼らは蛹のままでいる事を許されるべきだ。

SCP-████-JP-5: おかしな事言ってるんじゃないわよ。ずっと蛹のままでいて、それでどうするっていうの?

SCP-████-JP-6: いずれ孵らなければいけない事を分かっていたから、この子たちも苦しんでいたんでしょう?

SCP-2417-JP-A: 彼らを見つめる瞳のために、彼らは懊悩の中に閉ざされたのだ。炎の中でもがく彼らには、羽ではなく殻が必要だった。

SCP-████-JP-3: あんたやこの子たちの気持ちなんて関係ないわ。誰しも悩み苦しんで、それでも蝶になっていくものなの。

SCP-████-JP-7: それが普通の事だし、そこから外れたなら苦しむのはあなたたちなのよ。

SCP-2417-JP-A: 否。例え理がそうであろうとも、我々は存在する。存在する以上は許容を、存在の保証を、居場所を必要とする。世界は我々を認めなければいけない。

SCP-████-JP-2: それが答えならば、あなたに与えられる居場所はないわ。蛹はやがて孵るもので、それは当然の事でなくてはならない。

SCP-████-JP-4: あなたがそこから出てこない限り、あなたが許される事はない。

SCP-2417-JP-A: ならば羽化のできない蛹は、どう在れば許されるのか。

SCP-████-JP-1: 蛹なら蛹らしく、殻に閉じこもってれば良いのよ。



SCP-2417-JP-Aは以降沈黙し、SCP-████-JPの活動は全てのSCP-2417-JP-Bの羽化及びSCP-2417-JPの完全な消滅まで継続しました。SCP-████-JPは活動の終了と共に飛び去り、現在までその行方は判明していません。

インシデント2417-JP以降SCP-2417-JPの異常性が発現した事例は確認されておらず、またSCP-2417-JP-Aは一切の活動を行っていません。これらの変化を受け、SCP-2417-JPはNagiクラスに再分類されました。

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