SCP-2419-JP
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アイテム番号: SCP-2419-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2419-JPはサイト-81██の電磁波遮断措置が施された大型生体収容セルに収容します。収容セルは収容セル設備要件-2419-JPを満たし、メタン含有処理済みの塩化ナトリウム濃度17.8%人工海水で浸された状態を維持してください。

SCP-2419-JPの湿重量が600kgを超えた場合、解体作業を伴う廃棄手順-2419-JP-Aを実施します。担当職員は36時間毎に収容セルを駆水してSCP-2419-JPの湿重量を計測してください。廃棄手順後のSCP-2419-JP-Aはサイト-81██浄水設備で生分解処理が施されます。

インシデント2419-JPを契機に、1998/11/██より収容セル内外への試料の携持を禁止する。これはセキュリティクリアランスレベル4/2419-JP承認によってのみ解除される。

―サイト-81██ 初代管理官 レニー・ギャビン

説明: 特別収容プロトコルが機能している限りにおいて、SCP-2419-JPは直径0.8m×0.5m~直径1.2m×0.6mの白色の細胞集合体です。ゲノム解析の結果からミズヒキイカ(Magnapinna pacifica)を近縁種に持つことが判明していますが、既知の真核細胞にない下記の特徴が見られます。

  • C-H活性化エネルギーからATPを合成するオルガネラを有す
  • 3.4Osm/kgの細胞内浸透圧2を示す細胞内基質の組成(高濃度のcAMP・AMPなどに由来)
  • ネクチンと酷似した四次構造を有する未知の細胞接着分子による細胞-細胞間接着
  • エクソソームを介在しない細胞間mRNA/miRNA伝達を実現する細胞膜構造

SCP-2419-JPは周囲の脊椎動物の脳機能障害を引き起こします。(補遺2419-JP-1参照)この異常性の機序として微弱な磁場が発生することが確認されています。異常性の影響範囲はSCP-2419-JPの体積と細胞密度の積3におおよそ正比例し、特別収容プロトコルにおける影響範囲は最大6m程となります。

1974/██/██、青森県太平洋沿岸崖下に漂着しているSCP-2419-JPが発見されました。青森県道八戸港線4にて、自動車の自損事故3件が連日発生したことに加え、事故当事者以外も含めた計14名5が事故現場での体調不良を訴えたことを不審に思った財団エージェントの調査によりその存在が明らかにされました。発見時のSCP-2419-JPは直径約5.0m×約2.0mであり、SCP-2419-JPを中心として約200m半径が前述したSCP-2419-JPの異常性の影響下にあったと推測されています。機動部隊ろ-0(“あやふやな太っちょ”)による確保手順が実行され、発見から34時間後にSCP-2419-JPはサイト-81██に収容されました。

SCP-2419-JPには、別個体(SCP-2419-JP-aotに指定)の存在が想定されており、(補遺2419-JP-2参照)早期確保プロトコルSCP-2419-JP-aotが施行中です。日本領海を対象としてSCP-2419-JPの異常性に起因する複数の現象6を人工衛星が捉えた場合、SCP-2419-JP-aotの探査を伴う確保手順が機動部隊ろ-0により遂行される手筈となっています。

16 Apr 2024 06:37現在、SCP-2419-JP-aotの発見には至っていません。

サイト-81██の初代管理官として提言する。

早期確保プロトコルSCP-2419-JP-aotは継続されなければならない。SCP-2419-JPが民間人に致命的な被害を与えず、その存在が露呈しなかったのは運が味方についたからに過ぎない。時間が経過するほどに異常性による被害はより広範でより凶悪な結果をもたらしうる。

重ねて提言する。早期確保プロトコルSCP-2419-JP-aotは継続されなければならない。

May your souls rest in peace, Ken, Louis, Anton, Laurie.
―サイト-81██ 初代管理官 レニー・ギャビン




インシデントレポート2419-JP: 1998/10/██、主任研究員であった清水博士によるSCP-2419-JP-Aの不正利用が確認されました。薬品処理9を施したSCP-2419-JP-Aの小断片を経口摂取した後、1分程で昏倒した清水博士の姿を実験室のカメラが捉えています。執務室から遠隔で実験に立ち会っていたギャビンサイト管理官の通報により、清水博士は医務室に運ばれて救命処置を受けました。意識を取り戻した清水博士は重篤な前向性健忘の兆候を示していましたが約8時間後には十分に回復したものと診断されています。

インシデント発生の翌日に行われたインタビュー10において、清水博士は明確な動機を回答できないこととインシデント発生時には負の感情11に支配されていたことを証言しています。SCP-2419-JPの未知の異常性12に曝露して人格の変性を伴う脳傷害を負った可能性があったため、清水博士の一時的な隔離収容13が措置されました。

1か月に及ぶ隔離収容措置に並行して実施された脳機能検査および精神鑑定検査で正常値を示し続けたため、Cクラス下級研究員相当への職位降格処分がなされたうえで清水博士はサイト-81██に復帰しました。現在、インシデント2419-JPの再発防止のために清水博士はSCP-2419-JPの担当割り当てから除外され、SCP-2419-JP-Aを用いた研究そのものが禁止されています。

清水博士の行いは厳罰を科されて然るべきものだ。しかし、20年以上に渡るSCP-2419-JP研究の功労、および汚点のない人事評価を踏まえて職位降格処分に留めるのが妥当との結論に至った。この決定に異議ある職員は私の執務室まで来るように。

関連して、1998/11/██より収容セル内外への試料の携持を禁止する。SCP-2419-JP担当職員が持ち出しを請願する場合も私の執務室まで来るように。その際には申請書と正当な理由を両脇に抱えている必要がある。

―サイト-81██ 初代管理官 レニー・ギャビン


インタビューログ2419-JP: セキュリティクリアランスレベル4/2419-JP要求

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