クレジット
タイトル: SCP-2427 - 物でいっぱいのやつ
翻訳責任者: Tetsu1
翻訳年: 2025
著作権者: daveyoufool
原題: A Thing Full of Stuff
作成年: 2015
初訳時参照リビジョン: 30
元記事リンク: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-2427
SCP-2427-A
アイテム番号: SCP-2427
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2427の研究と収容のため、SCP-2427-1の周囲にはエリア-2427が設立されています。SCP-2427-Aを中心に周囲500 mがエリア-2427に指定され、上流階級のプライベートカントリークラブがフロントとして用いられます。侵入者には記憶処理を施して退去させます。
全てのSCP-2427下サブ実例はそれぞれの収容プロトコルに従って収容されます。未記録の異常物体は、可能な限り速やかに探査を通じて発見されます。
説明: SCP-2427は、SCP-2427を通じてアクセス可能な、SCP-2427-Bに関連する全ての異常現象の総称です。SCP-2427-Aはオハイオ州████の10 km南東に位置する壊れた石製の階段です。地元の伝説では、アメリカツガの小枝を持って階段を登った者は、異次元空間(以降SCP-2427-Bと呼称)に到達するとされています。財団の科学者はこれを事実と認めており、またSCP-2427-Aを下ることでSCP-2427-Bを脱出でき、その際もアメリカツガが必要と確認しています。
SCP-2427-Bは直径3 kmの円形の台地です。表面的にはアメリカ中西部の森林におおわれた丘陵に類似しています。SCP-2427-B内では大陽時が午後2時から変化しません。SCP-2427の森林境界を突破した人物は、SCP-2427-5の空襲によって破壊されます。
現在まで内部で7種類の異常物体が観察されていますが、財団がまだ発見していない他の複数種のオブジェクトが、現場で発見された情報に記録されています。
SCP-2427-2の玄関ホール内で発見された文書から、SCP-2427-Bは"真鍮の心"として知られる宗教組織の、武器、道具、囚人の保管場所であると断定されています。「屋根裏部屋」と呼称されるこのような保管場所が、他にも世界中に複数隠されている可能性が示唆されています。
"真鍮の心"は以前はスペイン異端審問で滅ぼされたモロク信仰のカルトだと考えられていました。財団や人類全体に対し激しい敵意を示していますが、財団は未だ組織の構成員を自称する人物と接触していません。そのため、"真鍮の心"の現時点での活動度は不明です。
SCP-2427-1
アイテム番号: SCP-2427-1
特別収容プロトコル: SCP-2427-1の周囲には電気境界線が設置されています。いかなる状況でもSCP-2427-1を開けてはなりません。
説明: SCP-2427-1は鉛製の消火栓で、SCP-2427-B内でSCP-2427-Aに最も近い場所に位置しています。開栓されると、SCP-2427-1は多量の電離放射線を内部から放出します。放射線の正確な量は測定されていませんが、開口部付近の人間の肉を溶かすのに十分な量であると確認されています。
SCP-2427-2
アイテム番号: SCP-2427-2
特別収容プロトコル: SCP-2427-2はSCP-2427-3~51について業務を行うことが許可された職員のみ進入可能です。
説明: SCP-2427-2はSCP-2427-Bの中心に位置する建造物であり、表面的には1860年代の療養所に類似しています。SCP-2427-2は外観からは大型の、多階建ての建造物ですが、内部は非ユークリッド空間変位領域であり、中央の玄関ホール含め、1つの階層と3つの部屋のみで構成されます。1つ目の部屋にはSCP-2427-3、2つ目の部屋にはSCP-2427-4、3つ目の部屋には宗教文書、缶詰、ボトル入りの水が存在します。
SCP-2427-3の収容室、構造強化前。
アイテム番号: SCP-2427-3
特別収容プロトコル: SCP-2427-3の部屋への入口には強化鋼鉄製の扉が設置され、窓はコンクリートで覆われ、武装警備員が配置されます。SCP-2427-3には1日1回生きたヤギが与えられ、その不履行は収容違反を引き起こします。SCP-2427-3と職員との間に視線が通ってはなりません。SCP-2427-3の直接的な外見は致死的な認識災害と見做され、曝露者にはクラスA記憶処理が施されます。
説明: SCP-2427-3は、電子回路、ウシの消化管、人間男性の無毛の頭部、帽子掛け、庭用ホース数本、未知の組成の結晶構造から構成される、敵対的な生物力学的構造物です。SCP-2427-3は肉食性で、並外れた体力と移動速度を示しています。SCP-2427-3は発話が可能で、あらゆる「不純な」生命を貪り食うという願望を表明してます。
SCP-2427-3を直接観測した人物は、SCP-2427-3に自身の「純粋さ」を判定してもらいたいという圧倒的な願望を覚え、肯定的な判定が得られれば願いが1つ叶うと信じます。純粋さの基準は不明です。SCP-2427-3は現状「純粋な」生命体と遭遇していません。
SCP-2427-4の床
アイテム番号: SCP-2427-4
特別収容プロトコル: SCP-2427-4の実験は必要に応じて継続されます。その効果は危険な影響を有しないと判断されているため、被験者候補は必ずしもDクラス職員に限定する必要はありません。
説明: SCP-2427-4はSCP-2427-2の2つ目の部屋全体です。被験者がリノリウムの床に足を踏み入れると、被験者は約5分間意識を喪失し、その間に自身の否定的な性質を次々と口頭で述べます。意識を取り戻すと、被験者は自身の独白を覚えていません。
SCP-2427-4実験#23, 被験者: D-2518
ヘンダーソン博士: 部屋に入ってください。
(D-2518がSCP-2427-4に入る)
D-2518: 別に何も—
(D-2518は気絶する)
D-2518: 我が魂は蜘蛛の巣だ。我が告白を聞いてくれ。40歳になるが、清純な妻を娶ったことがない。真実の軍隊へと育てる強き息子を授かったこともない。我が見下げ果てた心の得た唯一つの慰めは、無為の空想とその他罪深き気晴らしと嘘のフィクション作品だ。自身を毀すようなことは何も為せず、それゆえに見た者全てに憎しみを抱かせた。私では足りぬと知っているが故に、私は純粋さという概念を厭悪する。私はペテンで臆病者だ。哀れな嫌悪と愚かさだ。我が魂は真鍮の心と一つとなるに値しない。これを聞く者よ、私が目覚めたら、我が肉と魂を審判の獣に与えることを躊躇うことなかれ。
(D-2518は目覚める)
D-2518: ここどこ?
SCP-2427-5
アイテム番号: SCP-2427-5
特別収容プロトコル: 全ての職員はSCP-2427-5を3秒以上続けて直接観察してはなりません。
説明: SCP-2427-5はSCP-2427-B上空に位置する静止した雲です。人間が3秒以上観察した場合、SCP-2427-5は直径約1 mの固体鉛の球体を超音速で観察者に向けて射出します。SCP-2427-5はSCP-2427-Bを退出しようとした職員にも同様に攻撃します。これにより、これまで14名の職員が死亡しています。
SCP-2427-6-14
アイテム番号: SCP-2427-6
特別収容プロトコル: SCP-2427-6が人間への感染によるものであるという仮説が排除されるまで、SCP-2427-6は独立した生物災害コンテナに隔離されます。
説明: SCP-2427-6はSCP-2427-B全体に点在する18本の小木です。レーダー分析は、その根が人体の形をしていることを示しており、頻繁にうごめいています。幹は人体の股間部から上に伸びています。各実例には「好色なる者は苦しまねばならずそれは美しい」と書かれた看板が付属しています。
SCP-2427-7
アイテム番号: SCP-2427-7
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-2427-7の実験は中止されました。財団職員はSCP-2427-7の中に立ち入ってはなりません。
説明: SCP-2427-7は「嘘吐きの揺り籠」と書かれた銘版の裏に位置する、灰色の木の山です。SCP-2427-7はSCP-21282と名称が同一なだけでなく同様に作用し、拷問装置として意図されたパラメータ内で適切に作用するSCP-2128の改良版です。実験で以下が観測されています。
- SCP-2427-7内にに知性体はいない。
- SCP-2427-7の焼却方法は完全に非致死的で、延命のため火を弱めている。
- SCP-2427-7は意図に関係なく虚偽の内容を述べるのではなく、制御範囲内で具体的に嘘をついた対象のみを焼却する。
補遺 - SCP-2427-2の玄関ホールで回収された文書抜粋:
XV編294節 - 憎しみについて:
キリスト教徒は憎しみは間違っているという。
仏教徒は憎しみは気晴らしだという。
無神論者は憎しみは不健全だという。
[データ削除済]は憎しみは享楽だという。
だが実際には、憎しみとは、創造を純粋さへと回帰させる多くの価値ある道具の一つに過ぎない。憎しみは愛と調和して働く。純粋さへ続く道の性質など重要ではない。重要なのは、未知の終わりに昇る日なのである。
誤りと正しさの間にある第三の道を忘れてはならない。真鍮の心が再び輝くとき、記されているように、楽園に反するものは何もない。
アメリカツガ屋根裏部屋の中にあるもの:
• 特に神聖性のない巡礼者の食料とデータ
• 消火栓に偽装された浄化機関1台
• 不妊の家1軒
• レベル3純粋度監督官1名
• 懺悔室1室
• 好色を宣告された者18名
• 鉛の積雲1個
• 真の嘘吐きの揺り籠1機
• 虐殺の忍耐1個
• 火葬の子ら27名
• アセンドした品種3種
• 放蕩者1名
• 至高の天使7人
• レベル7六線星形3個
• ドラゴン9体
• 屋根裏部屋ハブネクサス1個
• 真鍮の心
メモ作成者: ゴードン・マクエロイ博士、エリア-2427サイト管理官
To: SCP-2427に配属されたレベル4以上職員全員・監督評議会
私は現場で発見された文書を調べてきましたが、そのいくつか-──特に「至高の天使」や「ドラゴン」──が見つかっていないという事実は極めて憂慮すべきです。
また、この「屋根裏部屋ハブネクサス」とは何でしょうか? 真鍮の心の奴らを見たことがない理由が、彼らが異次元でのみ活動しているからだとしたら? 攻撃の機会を待ち構えている奴らの軍隊に出くわすかもしれません。この入口を見つけ、永久に封じねばなりません。メクラネズミを送り込める真鍮の球でも手に入れない限りは。
最後に、奴らのこよなく愛する真鍮の心そのものも2427のどこかにあるでしょう。恐らくは地下深くでしょう。奴らの書いていたその能力に基づけば、我々は可及的速やかに発見せねばなりません。最悪クラスののKeterクラスであることは間違いありません。
O5よ、これは追加の収容リソースの正式な要請と考えてください。とても多くのです。









