SCP-2441-JP
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アイテム番号: SCP-2441-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2441-JPはサイト-81██の収容用小型チャンバー内で管理しています。当該オブジェクトに関する実験を行う場合、クリアランスレベル3以上の職員の許可が必要になります。チャンバー内部に設置されている臭気検知器が数値の異常を検知した場合、自動噴霧器が内部で起動します。自動噴霧器が起動する事で、SCP-2441-JP用に調整された霧状の液体鎮静剤が内部に充満し、当該オブジェクトの鎮静を完了します。SCP-2441-JPの管理担当は、定期的にチャンバーの洗浄と自動噴霧器のメンテナンスを行い、液体鎮静剤の補充を行なって下さい。

説明: SCP-2441-JPは██県██市██村周辺の山奥に立地する██神社で祀られていた御神体です。確保前のSCP-2441-JPは桐箱に収納した状態で██神社境内にて安置されていました。SCP-2441-JPの元の形状は、経年劣化の影響によって判別出来ません。

当該オブジェクトを御神体とする土着信仰は███年前から██村で信仰されていたと知られ、現在も周辺住民から根強い信仰を集めています。聞き取り調査によってSCP-2441-JPは、およそ5年程前から異常性を発揮していたと推定され、時間経過によってその影響を強めていると考えられます。オブジェクトが安置されている██神社は、本来の管理者である██氏が5年前に病死1しているため、現在では██市が管理しています。しかし、██氏の行っていた正確な管理方法を██市は全て把握していなかったため、SCP-2441-JPが異常性を発揮するに至りました。

SCP-2441-JPは異常性によって、██神社を中心に約半径6kmの範囲を悪臭で満たしつづけ、周辺住民の判断能力低下や生息している野生動物の凶暴化を引き起こします。SCP-2441-JPは物理的な接触を試みる人間に異常な現象を加える事で、様々な破壊行動や搬出行動から自衛します。現在、報告が認められる異常現象の中では空間転移が最も多く、次いで視覚阻害や運動機能の低下などが確認されています。また、後述のインタビュー記録から時空間転移が行える可能性が示唆されます。

インシデント記録2441-JP_1: 19██/06/22、██村の伝承からオブジェクトの異常性に言及する記述を発見した財団は、██神社に調査班を派遣しました。調査班は██神社に接近するにつれて異常な臭気指数を検知した為、異臭対策として特殊防護スーツ着用の後に神社境内に侵入しました。

██市関係者から事前に入手していた間取り図に従い、異常性の発生源と目されるSCP-2441-JPが安置されているポイントの捜索を開始しました。数十分の内部捜索の末にSCP-2441-JPが納められているとされる桐箱を発見しましたが、確保に向かわせたD-92873が桐箱を持ち上げたタイミングで、当該オブジェクトが箱に収納されたままの状態で浮遊を始め、確保に対して抵抗しました。浮遊の他に瞬間移動や放電・発火現象を発揮して確保に抵抗していました。なお、各現象の発揮中もD-92873は桐箱を放さずにいました。

その後、当該オブジェクトは浮遊を止めて確保に抵抗を見せなくなりましたが、その直後からD-92873が異臭を放ち始めました。D-92873は、この時に深刻な股間の痒みを訴えていました。そして、D-92873は約2分間にわたる悶絶を繰り返した後に、奇声を上げながら桐箱を所持した状態で神社境内から近隣の雑木林へ逃走しました。調査班はD-92873とオブジェクトを追跡しましたが、発見に至らず日没を迎えました。

付録2441-JP_1: 逃走していたD-92873が、インシデント発生から██時間後の早朝5時20分頃に、無力化されたSCP-2441-JPを所持した状態で調査班のもとに戻りました。以下は逃走直後の状況をD-92873に対して聴取したインタビュー記録です。

対象: D-92873

インタビュアー: 梶尾博士

<録音開始>

梶尾博士: D-92873、貴方に聞きますが逃走後は何処に身を隠していたのですか?

D-92873: 逃げた訳じゃない。痒みに耐えかねて混乱していたんだ。あと、隠れてなんかいない。直ぐに戻ってきたじゃないか。

梶尾博士: いいえ、貴方が逃走してからほぼ、丸1日経過していますよ。それと、貴方が所持したままだったターゲット(SCP-2441-JPを指す。)は、異臭を発しなくなっていますが何か知りませんか?

D-92873: そんなに時間が経っていたのか…?夜を明かした記憶は無いが。あと、臭いが無くなった事については俺が洗ったからだと思う。

梶尾博士: 洗ったとは?

D-92873: そうだ。気付けば俺は森の中で1人だった。そして、猛烈に股座またぐらが痒くてしょうがなかった。それで、辺りを見回すと近くに川が流れていたから、川で身体を洗えば痒みも和らぐかも知れないと思って……手の届く距離まで枝を伸ばしていた木が丁度あったから、そこに脱いだ服を掛けてさ。身体を洗った。丁寧に川の中で身体を擦ったら、痒みも酷い臭いも綺麗になくなっていて驚いたよ。だから、持ってきた箱の中身も洗えば臭いがしなくなるんじゃないかって思ったんだ。

梶尾博士: それで洗ったのですね。

D-92873: そうだな。それで、桐箱から取り出したボロ布は思った通り、川の水で丁寧に洗えば洗うほど段々と臭いが取れて、しかも良い匂いがしたんだ。……でも、今思えば得体の知れない桐箱を開けようなんて普通は思わないよ。身体を洗っていて任務の緊張が解けたからかも知れない。

梶尾博士: そういえば、私達の前に全裸で現れたのはどうしてですか?

D-92873: それが……川で洗っている最中に誰かが来たから、慌てて靴と持てるだけの服を咄嗟に持って逃げたんだ。相手は猟銃を持っていた様に見えたから。しかも、逃げた後を追ってくるんだ。それで怖くなって全力で走っていたら、辺りが眩しくなって思わず目を閉じたよ。次に目を開けた時は調査班の皆んなが居た。

梶尾博士: そうでしたか。ひとまずはターゲットを回収出来たので任務は終了となります。不可解な点が幾つかありますので、今後また何度かインタビューを行います。

D-92873: それは構わないが……ただ、1つ頼みを聞いてくれるか?大した事じゃないんだけど。

梶尾博士: なんでしょう?

D-92873: 新しい下着を頼んでもいいか?枝に掛けていた下着を置いて来てしまって…いつも使っている型で頼む。形の名前は何だったかな、えっと……そうそう、ブリーフだ。白色のやつ。

梶尾博士: サイトに戻ったら支給しますので、それまで辛抱して下さい。

<録音終了>

補足: D-92873の発言を元に、衣服を置いて来たとされるポイントを調査しましたが、D-92873の衣服は見つかりませんでした。このインタビュー後、D-92873の発言から当該オブジェクトの収容に利用できる可能性を考慮して██山の川から水を回収しました。

補遺: SCP-2441-JPとの関連性が疑われる伝承が、██村で確認されています。

ある猟師が山で強い光を見た。恐る恐る光の方へ向かうと、川で身を清める男が居た。人か妖怪か分からないと思った猟師は思わず銃を構えた。すると、銃を向けられたのを悟ったのか身を清めるのをやめて男は逃げ出した。

直ぐ後を追ったが、男は眩い光の中に消えてしまった。仕方なく猟師が川まで戻ると見たこともない布があったので里に持ち帰った。その後、里は豊作に恵まれたという。里の者たちは、██山の神様が恵みを齎すために、依代を里に与えてくれたとして感謝を込めて神社を建て、██山の神様に毎年祈りを捧げた。

これが毎年、██神社にて行われる██村祭の発端と言い伝えられている。

██市役所20██年発行 広報みちのく34号より抜粋。

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