クレジット
タイトル: SCP-2442-JP - ウィアーザワーン
著者: ShinoguN
作成年: 2021年
アイテム番号: SCP-2442-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2442-JPはサイト-81██内の標準ヒト型生物収容セルにて児童対象収容プロトコルに基づいて収容されます。毎週土曜日にSCP-2442-JPに対して心理カウンセリングを実施して下さい。
説明: SCP-2442-JPは20代の日本人男性の外見をした人型実体です。SCP-2442-JPはヒト(Homo sapiens sapiens)と同一の身体構造を有していますが、採取した体組織の分析は安定した結果を示していません。
SCP-2442-JP-AはSCP-2442-JPに付随する実体です。SCP-2442-JP-Aは物理的な肉体を持たないと考えられ、SCP-2442-JP-Aが行動した結果のみを認識できます。SCP-2442-JPは食事・排泄など、一部の生理機能をSCP-2442-JP-Aと共有しています。
SCP-2442-JPはSCP-2442-JP-Aと協力することで複数人数を要する行動を実行可能です。この際外部からはSCP-2442-JPのみが行動しているように観察され、場合によってはSCP-2442-JPの行動内容と実際の結果が矛盾します。録画等の記録においても実際の観測内容及び結果との差異は生じません。現在の研究は認識に対する改変が生じている可能性の調査に重点が置かれています。
SCP-2442-JP-Aの内訳は以下の通りです。
- SCP-2442-JP-A-1: 筑波大学3年生であった春岡 圭介。SCP-2442-JPと同一の外見であり、異常性の根源とされる。
- SCP-2442-JP-A-2~9: 筑波大学の3年生。SCP-2442-JP-A-6は過去に盲腸炎の手術を受けているが、SCP-2442-JPに手術の形跡は無い。
- SCP-2442-JP-A-10~17: 筑波大学の2年生。
実験記録2442-JP-1
目的: 単独では実行の困難な作業の検証。
実施方法: 2 tトラックに取り付けた綱を引いて5 m移動させる。
結果: SCP-2442-JPは32秒で作業を完了した。観測上及び映像記録の両方でSCP-2442-JPが単独で作業を実行しているように見える。
実験記録2442-JP-2
目的: 単独では時間のかかる作業の検証。
実施方法: 段ボール箱10個を10 m移動させる。
結果: 観測上及び映像記録ではSCP-2442-JPが一つずつ箱を移動させる様子が観察されたが、作業自体は13秒で完了した。
実験記録2442-JP-6
目的: 複数人が異なるポジションで行動することが求められる活動の検証。
実施方法: SCP-2442-JPと野球経験者の職員から選抜したチームで野球の試合を行う。
結果: 3-7でSCP-2442-JP側が敗北した。この際SCP-2442-JPはバッティングとピッチングのみを行っている。論理的には明らかに試合が成立しないが、試合の参加者や審判等の立会人、映像記録を見た人間からそのような指摘はなされていない。
補遺1: SCP-2442-JPは2014年に筑波大学で確保されました。「数日前から友人の姿が見えない」との連絡を受けた学生課の職員が講義の出欠登録が適切に行われていることを不審に思い、学生達から事情を聞く中でSCP-2442-JPに聴取を行いました。その後、当該職員による「学生が行方不明で、知人の一人がずっと一緒にいるなどと意味不明な発言をしている」という旨の警察への通報をサイト-81██が傍受し、エージェントが派遣されました。以下はSCP-2442-JP確保直後に行われたインタビューです。
インタビュー記録2442-JP-1(抜粋)
対象: SCP-2442-JP
インタビュアー: 平田研究員
<録音開始>
インタビュアー: それでは記録を開始します。あなたは春岡 圭介さんで間違いありませんか?
対象: ええ、はい。
インタビュアー: 黛 類さん(SCP-2442-JP-A-2)が今どこにいるか答えられますか?
対象: 今一緒にいますけど。
インタビュアー: であれば、こちらに名前を書いていただけますか?(メモ用紙を差し出す)
対象: (メモ用紙に「黛 類」と書く。筆跡は後にSCP-2442-JP-A-2のものと確認された)
インタビュアー: (SCP-2442-JP-A-3~8の名前を読み上げる)今申し上げた全員がここにいると考えてよろしいでしょうか。
対象: はい。
インタビュアー: ここには貴方一人の姿しか見えないのですが、どういうことなのか説明できますか。
対象: (数秒間考え込む)うーん、俺たちは一人になった!とでも言えばいいんすかね。
インタビュアー: なんで一人になろうと思ったんですか?
対象: 金のため、っすね。
インタビュアー: 金のため、ですか.
対象: 飲み会とかやると毎回金が馬鹿にならないんですよ。いつも割り勘にしてたんですけど、いつも合計見て高いなー、って思ってました。んでふと思ったんですよ、一人になればこれ一人分で済むんじゃないのって。天才かよ、ってみんな乗ってきまして。
インタビュアー: それでどうしましたか?
対象: 一塊になればいいんじゃねってことで俺の家に集まっておしくらまんじゅうやりました。そのうちに俺一人になりましたね。
インタビュアー: なるほど、分かりました。ところで、今の状態を変だと思いますか?
対象: あんまり変な感じはしないですね。ノートや過去問回さなくて済むし、便利ですよ。
<以下省略>
補遺2: 2017年2月13日、SCP-2442-JP が頻繁に吐き気を訴えるようになったため臨時のインタビューを行ったところ、SCP-2442-JP-A-7とSCP-2442-JP-A-3の間で性的干渉があったとの報告がありました。超音波画像診断によりSCP-2442-JPの下腹部に子宮が出現したことが確かめられましたが、胎児の姿は確認できませんでした。胎児もSCP-2442-JP-Aと同様の異常性を有している可能性が考えられたため、対応が協議されています。
2017年9月4日追記: SCP-2442-JPが激痛を訴えると同時に下腹部付近から大量の体液が放出されたため、直ちに医療ユニットに搬送され出産のための処置が開始されました。実際の処置は産婦人科医の経歴を有する職員より事前にレクチャーを受けていたSCP-2442-JP-A群によって行われ、最終的に男児(SCP-2442-JP-A-18)が誕生したとの報告がありました。
以下はSCP-2442-JP-A-18の誕生から数ヶ月後に実施されたインタビューです。
インタビュー記録2442-JP-23(抜粋)
対象: SCP-2442-JP
インタビュアー: 平田研究員
<録音開始>
インタビュアー: これより録音を開始します。調子はどうですか。
対象: どうもこうもないっすよ。毎日3食粉ミルクじゃ飽きますって。ああハンバーグが食いたい。
インタビュアー: 皆同じものを食べるのですから仕方ありませんよ。また舌をやけどさせる訳にはいきませんから。
対象: まさかこんなことになるとは思わないでしょ。
インタビュアー: 確かに妊娠の知らせを聞いたときはびっくりしましたが。でもまあ、自分たちで便利だと思ったからそうなったんでしょう。私も色々と便利だと思いますよ。
対象: そうは言っても今は狭い部屋で特に何もさせてもらえないしな。[数秒間沈黙する]あっ。こいつ、またやったな。
インタビュアー: 子供と一緒になるのは大変ですね。至急、オムツの用意を。
<録音中断>
ページリビジョン: 3, 最終更新: 20 Apr 2024 23:56