SCP-2444-JP
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SCP-2444-JPの居住地域

アイテム番号: SCP-2444-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-2444-JPの居住地域は工事用フェンスによって隔離され、機動部隊こ-6"蠱毒厭魅"の巡回によって侵入を阻止します。フェンス内はカモフラージュされた監視カメラを使用してSCP-2444-JPの監視を行い、その数が変動した場合には記録と報告を行ってください。また侵入者が発見された場合は直ちに拘束、目的を確認の上処遇を決定してください。

継続的な収容のため、担当職員は四年に一度SCP-2444-JPを使用して所定の儀式的行為を遂行してください。このプロトコル以外におけるSCP-2444-JPの使用を伴った実験には、レベル4職員2人以上の許可及び実験担当者の精神鑑定を必要とします。

また担当職員は文書2444-JPに従ってDクラス職員を選出、特殊クラス記憶処理を施した上で居住地域に派遣してください。

説明: SCP-2444-JPは長野県██郡██地区に居住している、1945/09/05の収容時点で59名の個人の総称です。内48名は先天的な畸形であり、55名は軽度から重度の精神障害を患っていますが、これらの身体・精神的障害は非異常性のものとみられています。

SCP-2444-JPは蒐集院分派の残党による儀式的犯行1をきっかけとして発見されました。この事例では被害者として5~41歳・計19名のSCP-2444-JPが死体となって見つかり、そのいずれにも先天的な畸形かつ六親等以内の血縁関係がみられたことから、調査の上収容に至りました。

SCP-2444-JPを使用した儀式的行為では、その手順による効力の有無に関わらず実行者の目的が達成され、場合によっては目的以上の効力を発揮します。以下は現在判明している範囲でのSCP-2444-JPが使用された儀式的行為リストの一部抜粋です。

儀式日時 儀式目的 使用人数
1569/08/不明 洪水の鎮静 7人
1702/11/不明 流行り病の鎮静 23人
1715/01/不明 集会所の人柱 8人
1780/06/不明 風邪の予防 3人
1806/05/不明 村の発展 10人
1821/09/不明 豊作 9人
1904/06/13 蚊除け 14人
1945/09/02 蒐集院残党分派によるもの 19人
1945/11/15 財団の実験によるもの 2人
1946/02/23 財団の実験によるもの 1人
1967/08/18 財団の実験によるもの 3人
1979/05/01 財団の実験によるもの 7人
1985/10/30 財団の実験によるもの 12人
1998/12/28 インシデント-2444-JP2 26人
2002/03/01 財団の実験によるもの 1人
2006/03/01 収容のため 1人
2018/03/01 収容のため 1人

インシデント2444-JP

日付: 1998/12/28

場所: サイト-81██

説明: インシデント前日、「SCP-2444-JPを使用した実験が必要性の薄さに関わらず行われ続けている」として担当職員は未知の異常性について提言し、翌日に行われる予定だったSCP-2444-JPの追加実験は急遽中止されました。

インシデント当日、サイト-81██において複数のオブジェクトによる大規模な収容違反が発生し、SCP-2444-JPの担当職員を含めたサイト-81██の職員全員が軽度から重度の心神喪失に陥った状態で発見されました。
サイト-81██の監視カメラには職員が中止されていたSCP-2444-JPの追加実験を行っている様子が記録されており、実験として行われた儀式的行為の儀式目的が未だ判明していないことから、被害職員への治療が急がれています3

インタビュー記録SCP-2444-JP

SCP-2444-JP調査の一環として、その居住地域を管轄とする██地区の区長である瀬川 蓮太郎氏へのインタビューが行われました。氏と関係者にはインタビューの後に記憶処理が行われましたが、このインタビューの一ヵ月後に氏は自室で縊死していた所を発見されました。この死については事件性・異常性どちらも無いとみられています。
以下はそのインタビュー記録の抜粋です。

どうぞお座りください。ええ。ええ、すみませんね、お茶も出せんで、煙草の火も点けれませんで。
贄川4のもんの事ですよね。はい、あー、はい。

贄川ができたんは随分昔のことです。あー……室町ぐらいかな。もっと前かも後かもしりませんが、とにかく長いことやってきました。元々あのへんは賤業5をしよるもんの多い、まあエタ部落って呼ばれよるとこです。
エタの部落いうんは言い方を変えれば他所にとられない仕事がある訳ですから、まあ部落だけでそこそこの社会を作っとりました。ただ石投げられるようなもんの集まりの中でも、階級差別いうんですか、は起こるもんで、エタの中のエタみたいになっとったんが贄川です。

贄川ができた時は、まあ相当昔でしたから、儀式なんてもんが当然みたいに信じられとりました。
人身供犠ってもんがあるでしょう。生贄を籤なんかで適当に選ぶわけにはいきませんから、部落では生贄用の人間を育てとりました。
そういうやつを贄川と言って、あの辺り、部落の端っこに住ませよるんですよ。

ああ、勿論、元はまともに生贄用で育てようとしたわけやないでしょう。
最初に生贄用に選ばれたんは、エタ部落の中でも非人に入るみたいな人間どもです。そんなんと子供作りたがるもんもおりませんから、そいつらは部落の隅っこでこそこそと一族を生しとったわけですが、その数が増えてくと村民も不安になるわけですな。
ですから、数減らしの為に儀式の生贄にしようとなって。ついでに鬼子6や咎人もその一族に放り込めば丁度ええ口減らしになるし、そこで殺されるにしても自分らは手を穢さずに済む、いう理屈です。そうやって増えてく度にどんどん儀式をしとったもんで、生贄用の一族みたいになったんでしょうな。

その一族…贄川を生贄にする時に、神様は不完全なもんを好むってことで、最初は片目を潰して生贄にしとったようですが。一族が続いてくうちに、畸形ってんですか? 小指が無いだの多いだの、そういうもんが増えたみたいで、こりゃ神様も贄川を気に入って下さったんだ、という事になったようで。
まあ、いうても神様の気に入る一族ですから、贄川は憑きもん7のしやすくて、気味悪い事ばっか言うてたようですけど。氏神様が見えるとかなんとか。

五百年も続いた理由ですか。一番は口減らしに便利だったいう事やと思いますが、さっき言うた通り、贄川は神様の気に入った一族ですんで。儀式が無いと、神様が怒る。贄川以外に憑きもんがしたり、疫病が流行ったり、でっかい災いが起こったりするそうです。

難儀なもんですが、えー、少なくとも私の着任中は、贄川を生贄にした儀式なんて、知っとる限りはやってませんし、そんな疫病とか、災害とかも無いですからねえ。憑きもんの多い場所なんは確かなんで、まあ、関わりたくはないですが。

SCP-2444-JPのリスト抜粋

番号 対象 特記点
SCP-2444-JP-1 小指を欠損した40代後半の男性 毎週金曜日の15時30分前後に高台に登り、約4分間の哄笑の後に落下する。頭部には後天性と思われる凹みがみられる。
SCP-2444-JP-4 右目を欠損した10代前半の女性 一日に一度河辺の石を探索し、空の眼孔に入れてから取り出す行動を繰り返している。
SCP-2444-JP-8 右脚の歪曲した60代前半の男性 一日を通して仰向けに寝そべり、地面に耳をつける、土を舐める等の行動を繰り返している。
SCP-2444-JP-11 40代前半の女性 「氏神様が呼んでいる」などの言動を繰り返し、居住地域に職員が入った場合は接近しようとする。
SCP-2444-JP-20 背骨の歪曲した30代前半の男性 一日に一度15歳以下の小児を対象に[編集済]を行い、入手した血液を花壇に撒いている。
SCP-2444-JP-23 10代後半の男性 通常は居住地域の中央に直立し、一日に二度付近の花を摂食する。
SCP-2444-JP-29 両目を欠損した8歳程度の女児 一日をかけて居住地域を決まったルートで周回し、全ての監視カメラを凝視している。
SCP-2444-JP-32 20代後半の女性 精神疾患が比較的軽度である時に書いたと思われる日記が発見されたが、現在は心神喪失の状態で家事を繰り返している。

SCP-2444-JP-32の日記

以下は発見されたSCP-2444-JP-32の日記の抜粋です。

さいしょのほふり8の人は大雨で山にうもれて
まえのほふりの人はえらくなっていなくなったと言います
さいきんあたらしくほふりの人がきて十九人とっていかれました

ほふりの人がきて二人とっていかれました

あたらしい人のようでした
ほふりの人がたくさんくるので人がへります

家のまどからかりかり音がします
うじ神さまがしているのだと思います
わたしは神さまになにもとられていないのでほふりの人にとられません
せかされていると思うともうしわけないきもちです

たくさんとっていかれました

とがにん9がきています こわいです
ばさまがむかしにもどったみたいと言います

ばさまもつれられてゆきました

今日ははれでした
子どもができたのでどうにか流せないかと木の上にのぼってとんだりしましたがうまくいきません

ぶじ流れました

今日はよい天気です
じさまはうじ神さまからばさまの声がするといいました
わたしもととさまとかかさまの声するとおもいます

うじ神さまがもうすこしと言います
どのくらいがもうすこしでしょうか

まだいました

神さまがわたしの心をいただかれるころのようです
うじ神さまもおよろこびでしょうか

国木田博士の提言抜粋

1998/12/28のインシデント2444-JPを鑑み、国木田博士からSCP-2444-JPの収容手順に関する以下の提言がなされ、協議の末に採択されました。これによりSCP-2444-JPの数は2020/07/20現在41名にまで回復しています。

蒐集院残党による儀式的犯行がSCP-2444-JPの長期間における放置によるものとすれば、現在の収容手順を継続していれば凶事が起こるのは明白だ。
SCP-2444-JPを使用した儀式は定期的に行われなければならず、保護の観点や未知の事故防止も兼ね、SCP-2444-JPの血族は継がれていかなければならないだろう。

当提言はその実情を鑑み、定期的な儀式的行為の実行、またこの先の出生率に応じて、Dクラス職員を利用したSCP-2444-JPの繁殖を新たな収容手順として提言するものである。
幸いにもSCP-2444-JPはこうした収容の状態に慣れているか、もしくは反抗心を抱くほどの精神状態を保てないようだ。上記の手順変更による収容違反の可能性は低いと推測される。

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