SCP-2456
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アイテム番号: SCP-2456

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-2456のミーム的性質、並びに感染が疑われる人物が数多く存在することから、SCP-2456の完全収容は現時点における財団の技術では不可能です。財団の研究は現在、野生環境にいる全てのSCP-2456実例を無力化する手法の開発に向けられています。過去のSCP-2456-α個体が記した文書へのアクセスは、現在プロジェクト・モンタギューに関与しているレベル3以上の職員に制限されます。

活性状態のα個体が野放しであることは稀ですが、SCP-2456はクラスIIIミーメティックハザードに分類され、高い優先度を持って対処すべき物と見做されます。WebクローラGH739U(“ロレム・イプサム”)は様々なソーシャルメディアサイト、カルト教団データベース、ドメインにおいてSCP-2456-1関連キーワードを走査するように設定されています。特定された場合、α個体を適切なフィールドエージェントによって回収し、サイト-33へ連行します。研究中のα個体はクラスIII MKHC1の内部に留めておかなければいけません。Dクラス職員を伴う実験の実施はレベル3職員に制限されます。 活性化したSCP-2456に対する全ての実験は停止されます。実験はα段階のSCP-2456に制限され、レベル4職員の監督下で行われなければいけません。如何なる状況でも活性状態のα個体同士を互いに会わせてはいけません。収容違反が起こった場合、サイト-33は封鎖プロトコルを開始し、施設全域にクラスIIIミーム殺害エージェントが拡散されます(詳細は事案2456-Cを参照)。

SCP-2456が流行レベル2に達した場合、プロトコル・モバブを最終形式またはプロトタイプ形式で実行する事が既に承認済みです。機動部隊ψ-10(“塩撒く者たち”)に事後の浄化作業とメディアの完全抑制が割り当てられています。

説明: SCP-2456は、人間人口の推定0.7%に存在するミーム的な寄生体であると考えられています。SCP-2456は感染者の大半において休眠状態であり、その初期段階においては伝染性を有しません。SCP-2456感染の兆候と捉え得る症状には以下が挙げられます。

• 占星術、天文学、および/または様々な擬似科学への親しみ
• 外国の方言、とりわけバルト・スラヴ語族とアフロ・アジア語族を話す能力の向上
• 急性の精神病およびパラノイアの長期間に及ぶ発症
• “5”という数字に関連した幾何学形状、パターン、連続性に対する強迫症(OCD)および高い注意持続時間
• 解離性同一性障害(DID)

SCP-2456は幾つかのストレストリガーに反応して休眠から活性化し、対象者はα事象を経験します。対象者は3~4日にわたって続くREM睡眠の進行状態に入ります。覚醒後、α個体と指定されるこれらの対象者は、鮮明かつ謎めいた一連の夢を見たと主張します。これらは様々な神学における過去の予言者たちがサーベルまたは剣によって処刑され、天体が空に“踊る”光景の幻視によって構成されています。この段階では、α個体に見られるSCP-2456株はクラスD記憶処理で排除可能です。

α事象に続いて、α個体は6日~6年間の休眠期に戻り、その後にβ段階に入ります。β段階に入ったα個体は、SCP-2456の唯一既知の伝染経路である抽象的神学、通称SCP-2456-1の伝道を開始します。SCP-2456-1を通して影響された人物をβ個体とします。観察された例において感染率は高く、成功率は最大70%、減衰率は最大4%です。SCP-2456-1とその中核的構成要素の知識は伝染性を持ちません。感染にはα個体またはβ個体との直接的な聴覚接触が必要であり、また被害者はそれ以前から既存の宗教に対する強い信仰を抱いていなければいけません。

SCP-2456-1は常に本質的には一神教であり、幾つかの区別可能な性質で特徴付けられます。

• SCP-2456-1は既存の神学の変形として始まる。
• “5”という数字が教義を記した文書に頻繁に現れる。
• 神格とされる存在は太陽と同義であり、将来的に黙示録を引き起こすと信じられている。
• 存在しない“ぐずぃむむとぷるひぃ海”Gzymmtprhic Seaへの言及が稀に聖典に現れる。財団は現在、SCP-████との相関関係について調査中。
• その時点での天文学の既存知識を基にした、天体への数多くの言及。
• 宗教的な聖画像やシンボルにおける、手や一般的な四辺形の描写。
• 太陽の宗教的シンボルは、数学的な意義を持つ幾つかの限られた形状で描写される。

SCP-2456-1は各事例ごとに異なる微弱な現実歪曲効果を帯びていますが、初期段階では事実上無害です。新たなβ個体が作られる度に、この効果は影響範囲と強度を指数関数的に増していきます。加えてSCP-2456-1は暴力と攻撃性を煽り、往々にして感染者の自発的な身体切断や戦争的な行動を引き起こします。β個体は積極的に非感染者を捜索し、SCP-2456感染を広めようとするか、もしくは殺害を試みます。

休眠期のSCP-2456-α個体はSCP-2456-1による感染への耐性を持っており、曝露した場合には攻撃的な拒否反応を見せる可能性もあります。しかしながら、SCP-2456-1への曝露はα個体へのストレスとなり、SCP-2456が活性化する可能性を増大させます。もし活性状態のα個体2体が接触した場合、[データ削除済](事案2456-Cを参照)。

既存の地球人口の5%以上を感染させることに成功したSCP-2456-α個体は存在していません。現在の財団によるシミュレーションは、SCP-2456感染率が7%を越えた場合、伝染強度が治療不可能な域に達するCK-クラス世界終焉シナリオが発生することを示します。加えて、この段階に至ったSCP-2456-1の現実歪曲効果は、時空間の完全性を破壊する可能性があります — 感染率が96%を越えたSCP-2456-1は[データ削除済]が予想されます。

発見: SCP-2456は、オレゴン州ユージーンにあった蛇の手の基地に対する予定外の襲撃で最初に発見されました。2016/10/06、MTF タウ-9(“本の虫”)は放棄された産業倉庫に保管されていると思われるSCP-████のコピーを取得する任務を帯びました。強制突入時に倉庫内部で蛇の手の構成員が発見され、銃撃戦が行われました。財団側の死者は総計11名でした。SCP-████とその他関連する異常物を回収した後、側面に“精神ノ第五円環”と刻印された木箱が炉の隣から見つかりました。箱の中からは、もう1冊のSCP-████を始めとする数多くの第五主義に関連する文書と、風雨に曝された以下のメモが発見されました。

ジョージ、これが私たちの一番最近手に入れた分です。あたな(原文ママ)の裁量で可能な限り早く燃やしてください。馬鹿どもにこれを見付けさせないで。 —L.S.

箱の底には、過去のSCP-2456-1実例について詳述した数冊の古い写本が隠されていました。この後、財団の歴史家たちに未発見SCPの可能性があるとして通知が送られました。



以下は過去のSCP-2456-1実例のリストです。現時点ではSCP-2456-1には6種類の派生が知られていますが、研究によって他█種類が存在する証拠らしき物が示されています。新たな情報が得られ次第、以下の説明は追加・変更される可能性があります。

2456とは全く関係ない最近のサーバー故障によって、何らかの形でファイルが破損してしまった。修復のために出来る限りの事はしたが、システムがまだおかしい事に気付いた人は私に電話してくれ。番号は分かるね。 — エリック
 

名称: 拝上帝会
SCP-2456-α: 洪 秀全
ロゥント・スケール: 5
対応する神学: 儒教 / カトリック

政情の不安定さに加え、秀全が肉体的・精神的に病床にあったため、SCP-2456は1837年初頭に活性化した。秀全は、過去の儒教に関する知識とキリスト教伝道者との交流に基づく鮮明な幻覚を経験した。約6年間の潜伏期間を経てβ段階に入った秀全はSCP-2456-1Aを創始。最初に感染したのは地元の客家たちであったが、政府との緊張が高まった結果として組織された太平天国軍が広範囲なSCP-2456汚染の主な要因となった。

洗練された武器を帯びてはいなかったものの、太平天国軍は中国の景観を完全に荒廃させた。14年間の存続期間において、同軍は中国の全ての省3を通り抜けた。太平天国は勢力を増す一方のように思われたが、SCP-2456感染率が低下するにつれて弱体化した。

SCP-2456-1Aに最も一般的に見られた特性の一つが、生命体の完全な核変換を引き起こす能力だった。SCP-2456-1Aに関連する記録は、β個体がしばしば不随意的に地質学的な材質の塊に変異したことを示している。これらの記録に記されている場所を調査した財団の地質学者は、火成岩の隙間に人間の排泄物や唾液が残されており、またヒト科動物のDNAが流送土砂に“結び付いて”いるのを発見した。





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