アイテム番号: SCP-2469
オブジェクトクラス: Euclid Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-2469-1が遠隔地に存在するため、収容手順は最小限で問題ありません。レンジャー・ステーションに偽装した監視塔がSCP-2469を見渡わせる南峰に建設されており、常駐する公園管理官に偽装した財団職員は、凶暴な野生動物が活動しているという口実で一般人がSCP-2469-1へ侵入することを阻止します。
SCP-2469から持ち出されたサンプルと材料は更なる分析と調査のためにサイト-42で保管されます。SCP-2469-1内における活動サイクルの逸脱は、どんなに些細な事象であっても即時報告されます。
2010-05-10現在、SCP-2469は異常な活動を完全に停止したためNeutralizedに再分類されました。本件の詳細に関しては補遺2469-2を参照して下さい。
説明: SCP-2469-1は、地上車では接近不可能な[編集済]近くの[編集済]国有林最北端付近に位置する、複数の異常な特性を示す山奥の谷です。SCP-2469-1の中心地はその地域と矛盾した植物相を有する半径およそ80mの空き地です。注目すべきは13本の果樹が日時計の形に配置され、そして、さまざまな果物などを実らせる食用の低木やその他の植物が、空き地の中心から多様な幾何学的・フラクタルパターンで放射状に広がっている点です。
SCP-2469-2は、SCP-2469-1の中心に位置する、天然材料のみを用いて人力で建設された小さなコテージです。SCP-2469-2の調査により内部に人間の遺体(SCP-2469-3)が発見されました。この遺体は身元不明の女性であり、およそ80才の時点で老衰で死亡したと見られます。SCP-2469-2で集められた証拠から、SCP-2469-3はこのコテージで一人で生活していたと推測されます。しかし、コテージ内部の状況から、SCP-2469-3が定期的に来客を迎え入れていたか、もしくは来客を期待して準備をしていたことが示唆されています。
SCP-2469-1は季節の変化による影響を受けず、範囲内のすべての顕花植物は常に満開の状態であり、果実樹や食用の低木は収穫に適した状態を維持します。またこの地域の監視により、SCP-2469-1の上空では曇天または嵐の最中でさえ不自然に雲が割れ、日照時間内ならば常に日光が差していることが分かりました。加えて各暦月の1日目に、SCP-2469-2を輪状に囲むように色とりどりの炎が自然に発火し、そしてSCP-2469-1の端に到達するまで波紋のように広がり、その途中にあるすべての物質を焼却する異常な事象が発生します。SCP-2469-1本来の植物相と動物相は「無垢な」状態へと素早く再生・再成長し、外部から持ち込まれた全ての物体(監視・記録装置を含む)は完全に破壊されます。この事象以前にSCP-2469-1から持ち出された果物やその他の植物などのサンプルは影響を受けず、一切異常な特性を示しませんでした。
SCP-2469は2009年8月12日に2人組の田舎のハイカーによって発見され、「幻想的で楽園のような谷」として報道されました。財団の調査チームが報道記事から導かれる地域に派遣され、事実を確認した後に全目撃者へクラスB記憶処理を施しました。
補遺2469-1: 事件記録2469-1
収容初期、SCP-2469-2からSCP-2469-3を運び出そうと試みた際に事件が発生しました。財団収容職員が遺体を運び出そうとしたとき、この遺体の周辺に前述の異常事象で観察されたものと同一の炎が自然発生し、そして、結果的に数人の収容チーム職員が重度の火傷を負いました。加えて、遺体がSCP-2469-2に戻されるまで、この地域に生息する大型野生動物が非常に興奮して攻撃的になりました。
補遺2469-2: 事件記録2469-9
2010年2月14日、SCP-2469-1の監視塔に配置された職員が、SCP-2469-2付近に出現した未知の異常な存在を発見し報告しました。事件中に撮影された監視映像から、この存在はぼんやりと肌が発光する年齢不詳の男性のように見えました。そして、その存在はSCP-2469-2に接近して侵入し、数分後、取り乱した状態で外に出てきて、閃光と共に姿を消しました。
対応チームがサイト-42から派遣され、ヘリコプターで現地調査に向かいました。SCP-2469-2の捜索により、赤と黄色の炎模様が見られる1ダースのバラの花束と、手書きの文字で「たった一人のあなたのために」1と記された無地のグリーティングカードが発見されました。2つの物品はどちらも異常な特性を一切示しませんでした。そして、更なる調査によって、SCP-2469-3の遺体が消失していることが確認されました。
この事件の後、SCP-2469はすべての異常な活動を完全に停止しました。