Site scp-pon is private and you cannot include pages from it.
アイテム番号: SCP-2470-JP
オブジェクトクラス: Keter
SCP-2470-JP
収容プロトコル: SCP-2470-JPは異常性により特定の場所に留める事が困難です。多次元財団間でSCP-2470-JPに関する情報は全て共有され、捜索および起源に関する研究が行われています。SCP-2470-JPに対しては、日本語発音で瑩子"A/KI/KO"と呼びかけることが推奨されます。SCP-2470-JPを確保した場合は、非異常性のイエネコ用飼育環境室に収容してください。SCP-2470-JP収容室には墨汁で筆記が可能な紙などを十分に用意してください。
説明: SCP-2470-JPは、複数の異常性を有するメスのサイアミーズ系統のイエネコ(Felis silvestris catus)です。通常時の行動や身体的組成は非異常性イエネコと変わりがありませんが、一切の老化の兆候は無く、傷つけることは不可能です。また長期間食事等の生理的活動をしなくとも心身ともに健康状態に異常は発生せず、おそらくSCP-2470-JPの気分によって食事や睡眠等を行うと推定されています。他にも異世界跳躍や自身の異常性を認識させないようにする精神操作などの異常性を有していることが確認されていますが、原理は明らかになっていません。そのため、SCP-2470-JPが何らかの手段でイエネコ型オブジェクトに関する情報を得て興味を抱いた場合や機嫌を損ねた場合などに、直ちに異世界跳躍を実施、財団の収容下から逃れます。特殊GPS付首輪の装着などSCP-2470-JPの居場所を把握する措置は何度が施行されましたが、いずれも異世界跳躍時に装置が原因不明の理由で故障し失敗という結果に終わっています。
SCP-2470-JPは、平安時代頃から令和時代頃の日本語を理解しているようですが人語を話すことはありません。自身の右前肢の爪先より極めて墨汁に類似した液体を分泌し、筆記を行うことが可能です。しかし、SCP-2470-JPは必ず極めて難解な平安時代頃のくずし字で筆記を行うため、解読には古文読解専門家による翻訳か専用翻訳機器が必要です。また、筆談によるコミュニケーションはSCP-2470-JPの機嫌が一定以上良好でなければ成立せず、おおよその場合はSCP-2470-JPが気が向いた時に回答を行います。
SCP-2470-JPの起源および行動原理について
概要: 第1022世界のサイト-81██にて、佐藤研究員(各種精神操作耐性付与済み)によりSCP-2470-JPへインタビューを実施。インタビュー中、SCP-2470-JPは佐藤研究員の膝上で丸くなりリラックスした様子で話を聞いていました。回答は20日後の深夜に収容室内に用意した大学ノートに筆記されました。
筆記内容: わたくしは瑩子。記号と数字で呼ばれるのは家畜のようであり大変好ましくない。今は昔、一条帝の寵愛を受けた猫がいた。それが我が母である。母や共に生まれた子猫たちは皆が背だけ黒いのに対して、私は顔も手足も黒かった。人間の貴族達は私のことを穢れと見なして宮中から追放するよう騒ぎ立てたそうだが、一条帝の命により私は宮中に留まることを許された。他の子猫達は皆、それぞれ貴族の家へ養子へ出された。それよりは、人間の女房達より手ほどきを受け人間の有職故実を学び、猫としては書物を鼠から守ることを務めた。一条帝崩御の後は自ら宮中を辞し、津々浦々の寺社仏閣にて数多の僧尼の下で世話になっている。わたくしは猫ゆえ出家ができない。なんとも因果なことだろうか。わたくしは何者なのだろうか。同じような猫達と話せばいつかは分かると思い、見よう見まねで綴っている。
調査結果: SCP-2470-JPの筆跡および"瑩子"という署名は、多数の世界において平安後期から明治末期にかけての日本各地の古文書に散見される”猫のような視点から随筆様の文書を残した正体不明の人物”として古文書研究家間で知られていました。他の証言は証拠となるような資料が発見されていないこと、SCP-2470-JPが精神操作に関する異常性を有することから信ぴょう性は不明です。
SCP-2470-JPの発見事例_No.1
[倫理規制により画像差し止め]
焼死体の額に"阿"と書き付けるSCP-2470-JP
経緯: SCP-2470-JPは、第10世界における2013年9月9日に、日本国愛知県名古屋市内の██交差点で発生した交通事故現場で初めて財団により確認されました。軽自動車と衝突したイエネコを救出中だったSCP-2292-JPにガソリン運搬車が追突。積み荷のガソリンが爆発・炎上した事により、現場にいた人間の運転手2名、イエネコ1匹、SCP-2292-JP-α3体、SCP-2292-JP-β2体が全員死亡しました。直ちに機動部隊ぬ-22"ロードキル"による介入が行われ、現場を封鎖、各種処理作業が行われている最中にSCP-2470-JPが突然出現しました。SCP-2470-JPは機動部隊が運搬車に回収したSCP-2292-JP-αおよびβの遺体の周囲を数回臭いを嗅ぐような動作をしながら周り、額に相当する部分に異常性を用いて"阿"という文字を筆記しました。ぬ-22隊長の報告により財団はSCP-2470-JPを異常性オブジェクトと緊急認定し、そのままサイト-81██へ移送する計画が立てられましたが、運搬車内にあった報告用紙の空白部分に以下の内容を筆記してSCP-2470-JPは異世界跳躍を行い行方不明となりました。
筆記内容: 少し前に見かけた仁和寺の僧侶達の善行に倣い、猫に尽くした猫達に阿弥陀様の救いがあるよう祈りを込めました。財団の皆様も彼らの弔いをお願いします。
SCP-2470-JPの発見事例_No.12
発見時のスケッチ SCP-2472-JP-1(左側)、SCP-2470-JP(右側)
経緯: 第2018世界における2021年3月3日に機動部隊シグマ-35("殺処分業者")によるマッピング作業中に京都府中のインテリアショップで発見、保護されました。精密検査の結果、SCP-2470-JPはSCP-2472-JPによる置換に対して完全耐性を有している事が判明しました。SCP-2470-JPは保護時のインタビューに対して以下のように回答しています。
筆記内容: 彼女は見かけも温もりも母の生き写し1だった。けれど、何も言葉が通じなかった。彼女は海外の言葉ですらない雑音を発していた。いや、彼女だけでなく、最近の猫は言葉を忘れてしまったのだろうか?
追記: SCP-2470-JPにSCP-2472-JPに関して説明を実施した結果、SCP-2470-JPは精神的ショックを受けた様子で塞ぎこみ、そのまま収容室で約2年眠りについた後、異世界跳躍により行方不明になりました。SCP-2470-JPの各種データを元にSCP-2472-JP対処方策が試みられましたが、失敗に終わりました。
SCP-2470-JPの発見事例_No.27
経緯: 第59世界における2001年7月21日、SCP-2470-JPが████地区にあるSCP-311-JPの檻から約1mの地点に突如出現。SCP-2470-JPは警備員に確保されるまで約3分間出現した位置から動かずにSCP-311-JPへ向かって鳴き声を発し続けた。SCP-311-JPはSCP-2470-JPに対して威嚇行動を行っていた。SCP-2470-JPは警備員の制服の袖に以下の内容を筆記し、異世界跳躍を行い行方不明となりました。
筆記内容: 人間と触れ合えないさだめの猫の、なんと悲しいことか。
SCP-2470-JPの発見事例_No.30
唯一、復旧された撮影データ。この直後カメラは頭突きにより粉砕された。
経緯: 第2023世界における2023年5月13日、サイト-81██の調査班が東京都内の闇寿司拠点調査中にSCP-2470-JPと闇寿司の構成員・エドワード三世が乱入。SCP-2470-JPの異常性により調査班が一時的に正常な判断力を失った隙に、エドワード三世が記録機材を全て破壊し、職員2名を未知の蛇毒により昏睡状態に陥れて逃走するインシデントが発生した。2052年12月31日に自らサイト-81██を訪れたところを確保されたSCP-2470-JPは頻繁に職員へエドワード三世の所在を訊ねており、自身が欲しい情報が得られないと知ると非常に落胆した様子で異世界跳躍をして行方不明となりました。以下は異世界跳躍直前にSCP-2470-JPの収容室のカーペットに筆記した内容です。
筆記内容: 猫が握る寿司には幾つか種類があるが、エドワード三世さんの寿司は唯一無二である。生きた蛇を用いるのだ。わたくしも少し味見をさせていただいたが、独特の刺激のある滋味は今も脳裏によぎる。不逞の元飼い主を追いかけていたエドワード三世さんと暫く一緒に行動したが、しばらくして離れ離れになり、ようやく戻ってきたが、残念ながら財団でも彼の今の消息は分からないようだ。
SCP-2470-JPの発見事例_No.32
エージェント・葵が最後に撮影した[検閲/無力化加工済]
経緯: 第932世界の1999年6月29日、SCP-2470-JPはエージェント・葵と日課の散歩中に[検閲済]と遭遇。SCP-2470-JPは異世界跳躍により退避したが、逃げ遅れたエージェント・葵は[検閲済]により終了認定を受けた。[検閲済]の異常性に関しては感染性および遅効致死性が確認されており、SCP-2470-JPの安否は不明。
追記: 第933世界の2000年6月29日、[検閲済]より逃れた直後と推定されるSCP-2470-JPの確保に成功。精神的動揺はみられるものの[検閲済]の異常性を全く受けていない事が確認された。SCP-2470-JPに[検閲済]に関する質問を行ったが、下記内容を繰り返すばかりで参考にならなかった。
筆記内容: ふれてはならないもの。行き倒れ、永く治らない傷、恨みの形代。
SCP-2470-JPの発見事例_No.55
SCP-1109-JP-1(画面外)へと視線を向けているSCP-1960-JP(左側)、SCP-2477-JP-B-1(右側)
経緯: 第2021世界における2022年8月30日、SCP-1960-JPの出現予測を受けて現場に急行したフィールドエージェント・結城により発見されました。エージェント・結城はSCP-1960-JPへの対応のためSCP-2470-JP確保は不可能と判断し増援を依頼しましたが、増援到着前にSCP-2470-JPは異世界跳躍により行方不明になりました。以下の回答は第3002世界においてSCP-2470-JPが収容された際に筆記されたものです。SCP-2477-JP-B-1の監視は続けられていますが、2030年8月30日現在、SCP-2470-JPは出現していません。
筆記内容: 星ながるる夜。珍しい猫の彗星を見られるということで、近くの公園2へと散歩した時のこと。そこでは、チビさん3と、ねこちゃん4さんと、言葉が通じない黒色さん5と出会った。チビさんの旅立ちを見届けたのち、黒色さんは財団の方とどこかへ行かれてしまった。ねこちゃんさんは海外の唯一神の教えを多く知っているという。また財団の方々が騒がしくないときにお会いすることになり、別れた。
※SCP-2470-JPに関する最新情報は以上です。適宜、追加をお願い致します。









