アイテム番号: SCP-248
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: テスト目的のため直ちに使用される場合でない限り、SCP-248はマイズ博士のオフィス内にある耐火金庫にて保管されます。金庫はキーパッド式開閉機構を備えています。少なくともレベル2セキュリティクリアランスを持つ職員なら誰でも、解錠番号[編集済]によってSCP-248へアクセスする正式な権限を有します。
説明: SCP-248は、それぞれ"110%"と読めるステッカー(右下隅に小さな"ザ・ファクトリー"の刻印有り)が内封された25ページの小冊子です。小冊子自体のサイズは縦7.5cm×横15cmです。SCP-248の各ページにはステッカーが2枚ずつ、合計で50枚綴じられていますが、発見以前の出来事により49枚だけ残されています。
SCP-248はジョージア州████████の小さな家屋から発見されました。オブジェクトは、その家の末の息子であるロニー・████が納屋に置かれていた古く、半ば分解されたトラクターへ一枚のステッカーを貼った後に財団の注目を引きました。トラクターはエンジン及びフレームの大部分を欠いていたにも関わらず、突然それが真新しく、僅かに優れた性能であったかのように動作するようになりました。エージェントは農薬無料の模造クーポンと引き換えに、その家からSCP-248とトラクターを撤去しました。
サイト-██への到着時、マイズ博士がSCP-248を受領し、その明白な能力に深い興味を持ちました。トラクターは現在、SCP-248-1に分類されています。SCP-248-1のテストに関しては補遺-248-02を参照してください。
SCP-248のテストはマイズ博士により承認されています。予備テストのため、補遺-248-02と以下の文書を参照してください。
SCP-248のステッカー残り: 46枚
補遺-248-01:
SCP-248-1は、極めて腐食した状態にあるジョンディア社の1979年製トラクターです。エンジンの大部分は見たところ修復が未完了のままであったために失われています。また、フレームは運転手が位置するであろうトラクター後部付近が部分的に欠損しています。SCP-248ステッカーは左車輪の裏側近くに位置します。キーをイグニッションに回した時、SCP-248-1は起動し、新品状態であったかのように動作します。このトラクターは代表的なトラクターの特定モデルより僅かに速い42km/hまでの加速を達成する性能を有します。エンジン無しでもトラクターは動作しますが、動力維持のためにガソリンを必要とします。トラクターが燃料タンク無しで動作するかどうかを知るため、更なるテストが必要です。
燃料タンク除去の結果、SCP-248-1はあらゆる面で非機能的になりました。燃料の必要性、あるいはエンジンの欠如が前進運動を生み出すことに関する将来的なテストのため、SCP-248-1全体はサイト-██の第██格納庫に収容されることになっています。
補遺-248-02:
██████ブランドコンピュータへのSCP-248テスト。SCP-248ステッカーをコンピュータのマザーボード上に貼り、通常通りに起動しました。コンピュータの所有者である███ █████████により、コンピュータの処理速度が大幅に向上したという事実が言及されました。当該PCの診断はディスク容量の最大値が250GBから275GBへ増加したことを明らかにしました。また、RAMは予想された110%の効率に達していました。 しかしながら、PC内装部も同様の結果を経ていました。;ヒートシンクは通常より10%多く放熱し、配線の導電率は現代における最高の超電導体より10%円滑な電気の流動を可能にしていました。僅かに優れる最適な冷却であったヒートシンクに対し、配線が何故そのように高い電気抵抗ゼロ流動率を達成していたのか現時点では分かっていません。補遺-248-01と同様に、バッテリーの除去はコンピュータを非機能化しました。SCP-248と電源の更なる研究は将来的なテストに注目されています。
現在、███ █████████のコンピュータはSCP-248-2に分類され、マイズ博士のデスク最上部引き出し内に保管されています。引き出しは数字キーボードにより解錠され、そのパスワードは[編集済]です。
マイズ博士は、将来の試験は電子製品に試みること、せめて部分的にこの高伝導性に関連していることを重視するよう依頼しました。幾つかの形態の発電タービンや発電所は、エネルギー生産を1000倍に増強する可能性がありました。
補遺-248-03:
有機物体へのSCP-248テスト。Keter任務のためサイト-19に移送されるよりは、この未知のSCPの研究に携わることを志願したDクラスの前腕部にSCP-248ステッカーを貼りました。ステッカーによる初期反応では何の結果も得られませんでした。被験者は過去のテストで見られたような一切の付加的な機能強化を経験しませんでした。曝露から60分が経過した後も、被験者は変化しませんでした。アイテムの接着特性検査のため、ステッカーの回収が命じられました。エージェントがステッカーの取り外しに苦慮する一方、被験者は回収中に極度の痛みを経験していることを訴えました。マイズ博士との相談の後、エージェント█████は被験者の皮膚の大部分がへばり付いたステッカーを取り外しました。顕微鏡検査により、途方も無い圧力に耐えるため潜水艦側部に使われる海軍仕様の粘着テープ同様に、樹脂が被験者の肉体と接着していたことが明らかになりました。樹脂の化学検査自体は、それがありふれたスコッチテープ1に用いられる大量生産品の樹脂という標準と一致することを示しています。
皮膚の塊はマイズ博士によってSCP-248-3に分類され、現在は真空密封のプラスチック容器内に封入されています。SCP-248と同様、この容器はマイズ博士のオフィス内にある耐火金庫にて保管されます。
補遺-248-04
SCP-248-1へのSCP-248テスト。;ステッカー除去の試み。自分の指でステッカーを剥がしてみるようエージェント█████へ要請しました。しばらくしてステッカーを引き剥がす試みが失敗した後、エージェント█████にはそのための道具類が与えられました。: ピンセット、ペンチ一組、ポケットナイフ、たがね、狩猟用ナイフはシール自体に何の影響も及ぼしませんでした。このテストは248-03テストと合わせて、接着テープが我々の理解を超えた特性を持っていることを裏付けます。
ステッカー除去の失敗後、SCP-248に"重複"能力があるかどうか検査するために2枚目のステッカーを1枚目付近に貼りました。1度目の速度テストではSCP-248-1が84km/hに達したことが観測され、これは確かに220%の値でした。しかしながら15分後、トラクターは著しい酸化摩耗の兆候を示しました。2枚のステッカーを伴う合計36分の動作後、SCP-248-1はほぼ完全に錆び付き、全体の形状は失われました。この時点でステッカーは錆の山から剥落しており、テストのためマイズ博士によって拾い集められました。
テストの結果は樹脂が生体物質と同様の化学的結合を形成していたこと、ステッカーが付けられた物質の元々の組成が変性した後にのみその結合が壊れることを示しました。注目すべきはステッカー上に樹脂は存在せず、2枚のステッカーが表面上にくっつくことはもう無いということです。SCP-248-1は無効化されました。
-もしもこのアイテムが他の"ファクトリー"産SCPがそうであると想定されるように大量生産されていたのなら、もしかすると我々は金脈を発見したかもしれません!SCP-248の変性作用無しで送電網を機能させることが出来たならば、電力の超電導輸送が室温環境下で実現することでしょう!私は可及的速やかに最高司令部の承認を得て、個人的に"ザ・ファクトリー"及びその行方に関する調査を始めるつもりです。
-マイズ博士