SCP-2491-JP
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アイテム番号: SCP-2491-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-2491-JPを含む全てのメディアは検閲され、一般社会から隠蔽されます。SCP-2491-JPの性質上、ヴェール・プロトコルを脅かす程の収容違反が発生する可能性は極めて低いと判断されています。そのため、既に拡散している[SCP-2491-JP関連ワード]に対しては記憶処理剤の散布など積極的な収容は行わず、偽情報への置き換えと財団ウェブクローラによる対症的な監視にのみ留めます。

説明: SCP-2491-JPは実行者の所持する食物に作用し、そのエネルギー含有量を倍加させる奇跡論儀式です。SCP-2491-JPは奇跡論の予備知識を持たない人物でも、下記に示す一連の儀式手順に沿った工程を踏むことで容易に再現可能です。しかし、実際にこの儀式を完遂させる為には、単独ないし複数人の実行者が内包するEVE1の合計数値が最低でも600Cspは必要であると見積もられています。

  • 手順1: 実行者は儀式の対象となる食物を用意し、[SCP-2491-JP関連ワード]を詠唱します。これにより、実行者の手のひらには詠唱行為を根源とするフラット2なEVEが凝集します。この時、2人以上の人間が同時に詠唱を行うことで、 儀式の成功率を10~20%ほど向上させる効果があると判明しています。
  • 手順2: 実行者は[SCP-2491-JP関連ワード]の詠唱を継続しながら、手のひらを用いて食物に衝撃を与えます。この行為は瞬間的なアスペクト放射の増大を引き起こすと共に、手のひらの内に残るEVEのピッチを強制的にシャープ3方向へと押し戻す為、極小規模な奇跡論バックラッシュを発生させます。これは対象の食物をその種類に関係なく破壊し、幾つかの破片に変えます。
  • 手順3: 周囲に放出されたアスペクト放射は残された破片に作用し、対象の食物が破壊される以前に有していた生理的熱量の総体が、破片の分け持った熱量にそれぞれ加算されます。また、破片に含まれる塩分や糖分などの成分含有量に変化は起きません。

発見: SCP-2491-JPは、財団が勾留する奇跡術師への定期カウンセリング時に初めて認知されました。彼らはSCP-2491-JPをして「自身から魔法の才能を見出だした端緒である」旨の発言を行っています。SCP-2491-JPに奇跡術師を生み出す異常性が存在する可能性を検証するため、必要な人事考課の完了次第、Dクラス職員を使用した反復実験が実施されます。

[SCP-2491-JP関連ワード]自体は既に著名な童謡として広く大衆に浸透していましたが、仮にSCP-2491-JPの実行に成功したとしても食物に視覚的な変化が見られない為、多くの実行者はその異常性に気付くことがなかったものと推測されます。

補遺1: SCP-2491-JPの起源について、マナによる慈善財団ヨーロッパ本部ミッション部局のヴァレリー・デュボスト氏(PoI-3262に指定済み)の関与が浮上しました。PoI-3262はMCFとGOC(世界オカルト連合)の関係を取り持つファシリテーターとして知られる人物であり、彼女自身が高位の奇跡術師でもあります。財団が被る戦略的リスクの観点から、現時点ではPoI-3262の収容に関して何らかのアクションを起こす予定はありません。

以下は、PoI-3262に対するインタビューの記録です。

PoI-3262の証言と[SCP-2491-JP関連ワード]の内容から、SCP-2491-JPは本来、食物を手のひらで叩く度にその個数を増加させる儀式だったものと考えられます。しかし、原版である英語以外の他言語に翻訳された[SCP-2491-JP関連ワード]が術式全体に予期しない影響を与えたことで、想定された結果とは異なる現象が生じていた可能性が指摘されています。

補遺2: [SCP-2491-JP関連ワード]全文は、その有用性から不特定の財団職員によって悪用される危険性を鑑み、セキュリティクリアランス2以上の職員にのみ開示されます。この報告書を閲覧している適切な資格情報を持たない職員には、[SCP-2491-JP関連ワード]の序文のみが公開されます。

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