アイテム番号: SCP-2499
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: その位置を鑑み、SCP-2499の物理的収容は不可能と見做されています。
SCP-2499を観測可能な世界各地の観測所には、全て財団工作員を潜入させます。これらの観測所によってSCP-2499が観測された場合は、ド=ボール・プロトコルに従って説明を行います。部外者の職員がSCP-2499に異常な性質があるという信念を持ち続けている場合は、任務に伴う保安上の機密を維持するため、クラスM記憶処理の限定的行使が承認されます。
SCP-2499の主な封じ込めは、当該異常存在を監視し、確立された移動パターンに変化がないかを確認することから成っています。また、400ギガヘルツの無線周波数は、新たな送信があった場合に備えて一定の監視を維持する必要があります。
説明: SCP-2499は地球から約13パーセク(42.4光年)離れた位置に存在する太陽系外異常存在の指定名称です。視覚的には、この異常存在は14個のケフェイド変光星1から成るグループのように思われ、一定周期で光度が上下動しています。
当該異常存在(SCP-2499-1からSCP-2499-14と準指定)は一般的な星の性質を示しません。特筆すべきことに、14個の実例は空間的に7つのグループに分かれており、各グループを構成する2個の星は、連星2のそれに似た形式で移動しています。実例のうち2個、SCP-2499-1とSCP-2499-2は、他の実例よりも大きく見えるという点が指摘されています。
SCP-2499実例群の脈動周期は、おうし座RV型クラスIIケフェイド3のそれに類似します。光度の高い期間はおよそ36ヶ月続き、その後に低い光度の期間が96ヶ月続きます。大部分の星の脈動周期は遥かに頻繁に訪れているという点から、SCP-2499の極端に長く滅多に発生しない脈動周期は財団の注意を引くに至りました。
更なる調査により、この脈動周期は、当該異常存在の表面的には一貫性を持たないように思われる一連の場所移動と一致していることが明らかになりました。SCP-2499番号指定のきっかけとなったこの異常な動きは、不規則な年周視差を起こすことによって、財団の天文学者がSCP-2499と地球がどれほど離れているかを正確に算出する妨げとなっています。
SCP-2499の監視は、脈動周期中のSCP-2499実例群が以下のパターンで移動するという事を確立しました。SCP-2499の脈動周期には全部で7つに分かれる主要な段階があります。
段階番号 | 特徴 |
---|---|
第1段階 | この段階のSCP-2499実例群は2番目に高い光度を示しており、見かけ上の明るさは2.89等級です。全ての実例の移動は、8の字・正方形・円などの様々な幾何学的形状を描きだしています。この形式で最初に移動を開始するペアは、常にSCP-2499-1とSCP-2499-2です。この段階における当該異常存在の平均速度は秒速400kmです。 |
第2段階 | SCP-2499実例は光度を4.72等級まで急速に低下させ、動きもかなり遅くなります。この段階では、実例群は同一平面上に沿って前後に動きます。平均速度は秒速140km。 |
第3段階 | SCP-2499実例群は光度を3.1等級まで上昇させます。ペアは極めて不規則な動きを示しており、ここに認識可能なパターンは見受けられません。この段階でSCP-2499-1とSCP-2499-2は最も急速、かつ最も無秩序な移動を行っています。SCP-2499実例群の移動は、この段階において秒速600kmという最高速度を記録します。 |
第4段階 | SCP-2499実例群の光度はこの段階において2.10等級という最高潮に達します。この段階の実例群は最も安定した移動パターンを示し、一つの円を描く軌道で動いています。平均速度は秒速360kmまで減速します。 |
第5段階 | SCP-2499実例群の光度は2番目に低い5.1等級です。SCP-2499-3からSCP-2499-14までが前段階の円形軌道の動きを維持している間に、SCP-2499-1とSCP-2499-2は他の実例群が形成する円の中心へと移動し、特定パターンで一定の周回運動を始めます。SCP-2499-1とSCP-2499-2以外の実例群は全て、この段階では静止したままです。SCP-2499-1とSCP-2499-2は秒速160kmで移動します。 |
第6段階 | この段階のSCP-2499実例群の動きは不規則であり、光度3.4等級・秒速550kmの活動状態と、光度4.8等級・秒速200kmの不活発状態の間を急速に揺れ動きます。活動状態では整然とした動き、不活性状態では無秩序な動きを示すという点を除き、この段階では如何なる移動パターンも当てはまりません。 |
第7段階 | SCP-2499実例群は5.89等級という最低レベルの光度を示します。全ての実例は、お互いの周りを秒速120kmの速度で周回しています。この段階において、各ペアは異常な移動を止めて脈動周期の終わりに入り始めます。SCP-2499-13とSCP-2499-14を皮切りに、ペアは異常な動きを停止し、その光度は次々に減退していきます。この段階の終了時点で、異常な移動性と光度を示すのはSCP-2499-1とSCP-2499-2のペアのみとなります。SCP-2499-1とSCP-2499-2が移動を停止した時点で、異常現象は終了したと見做されます。 |
補遺: 2010/12/14、SCP-2499が位置する空間領域を起源とする高周波(400ギガヘルツ)の無線信号が検出されました。信号は、グスターヴ・ホルストの全7曲から成る管弦組曲、“惑星”の録音のみで構成されていました。特筆すべき点として、この演奏は1926年に録音され、ラジオ放送において最初に流されたものでした。この信号伝送に続き、一連の2進法コードから成る第2の無線信号が検出されました。信号内容を英語に置き換えたところ、識別可能なメッセージが明らかとなりました。以下がその転写です。
斯くも素晴らしく魅惑的な傑作を作ってくださったホルスト氏に、どうか私たちからの最大級の賛辞をお伝えください。始めて貴方がたの信号を聴いたその時から、私たちは身も心も音楽に魅了されているのです。この音楽は本来なら舞踏のための曲ではないのでしょう。しかし、貴方がたも個人的に音楽を聴く時、他にするようなことがあるでしょうか?