
SCP-2504-JPの形而下観測を行うキンタロウ・ハンスバーガー研究員
アイテム番号: SCP-2504-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-2504-JPはその性質上収容不可能です。主要な研究は日本国内の研究チームが継続的に行いますが、全ての研究成果はサイト-⌘と共有され、超現実部門からの助言・勧告を受けます。
説明: SCP-2504-JPは非ユークリッド型存在論的実体と呼称される未知のにゃんこ1です。SCP-2504-JPは理論上無限大のエネルギー2を発していると考えられ、スクラントン式反ヒルベルト空間と呼称される概念においてはそのエネルギーを常に変化させて「活動」します。
この活動は形而下の空間と相関性を持っており、主に知的生命体の文化性に深刻な影響を与えます。この影響の内容を正しく解釈することは不可能ですが、最悪の場合イエネコ(Felis silvestris catus)に関するあらゆる文化、ひいては認知そのものが崩壊すると考えられています。
以上はSCP-2504-JPに関する学術的研究の結果であり、財団の保有する科学の限界であり、ほとんどは無意味な内容です。SCP-2504-JPの形而下での「活動」が日本国内に集中していることから、主要な研究はすべて日本国内の専任チームによって行われてきましたが、財団上層部の決定により超現実部門3との協力体制が構築されました。
SCP-2504-JPを比較的認知しやすい形に解釈した場合、姿は一般的なイエネコ、その性質は「わがままキュートな甘えん坊、たまに毛玉を吐く」4であると言えます。形而下のSCP-2504-JPは寒がりなため、狭くて温かいところが大好きです。5SCP-2504-JPが気持ちよく冬を越せずご機嫌斜めになってしまった場合、キュートなにゃんこを撫でる行為はインドネシアの島をすべて覚えることくらい難しくなってしまいます。6SCP-2504-JPが気にいるナイスなスポット7に最も相応しい存在について、超現実部門は日本の暖房器具である「こたつ」を提言しました。
調査: 超現実部門所属のキンタロウ・ハンスバーガー研究員はサイト-8181の共用こたつを利用して、SCP-2504-JPの形而下観測実験を実行しました。
映像記録: サイト8181第2共用リビングルーム
[3人のSCP-2504-JP担当職員がこたつに入り、談笑している。]
[扉が勢いよく開かれ、ハンスバーガー研究員が入室する。]
ハンスバーガー研究員: おくつろぎの所ちょっと失礼しますよ。
飯岡研究員: え、ええ。何でしょう。
[ハンスバーガー研究員が無言で飯岡研究員を突き飛ばし、こたつに上半身をもぐらせる。飯岡研究員は頭を強く打ってうずくまる。]
飯岡研究員: いきなり何するんですかあなた!?
ハンスバーガー研究員: うん、いけそう。[顔を出して]今突き飛ばされた人、ちょっと僕のポケットの実験器具出して。
飯岡研究員: 突き飛ばしたのはあなたですが……実験器具ってこれですか。どう見てもたまごっちですけど。
ハンスバーガー研究員: 貸して。
[ハンスバーガー研究員が観測器具を使用する。]
ハンスバーガー研究員: よし、成功。わがままキュートなにゃんこと会えるぞ!
[ハンスバーガー研究員が周囲の3人とハイタッチを行う。]
ハンスバーガー研究員: さあ突き飛ばされた人、ちょっとこたつを覗いてみなさい。
飯岡研究員: は、はい。[こたつを覗く]中には何も……うわっ!
[飯岡研究員が飛び退き、頭を強く打ってうずくまる。ハンスバーガー研究員は未知の形状のスマートフォンを用いてこたつ内を撮影する。]
この時、SCP-2504-JPの形而下実体が数秒間のみ観測されました。以下はハンスバーガー研究員によって撮影されたこたつ内の写真です。